この記事はこんな方におすすめ!

  • 草コインとはどんな暗号資産なのか知りたい方
  • おすすめとして紹介される草コインの見極め方を知りたい方
  • 少額で買える銘柄に関心はあるが、リスクが気になる方
  • 草コインが日本国内で購入できるのかを確認したい方

「おすすめの草コイン」と題した記事やSNSの投稿を目にして、気になっている方もいるかもしれません。ところが、そもそも草コインが何を指す言葉なのかは、媒体によって説明が異なっています。この記事では、草コインという呼び名が指す範囲、市場に存在する銘柄の実態、そして紹介されている銘柄を自分で確かめるときの視点を紹介します。

執筆:CoinTradeコラム編集部

目次

    草コインと呼ばれる暗号資産

    草コインは、時価総額が小さく知名度も高くない暗号資産(仮想通貨)を指す呼び方です。法令や業界団体が定めた用語にはあたらず、市場の参加者が慣習的に使ってきた言葉にすぎません。

    明確な定義を持たない俗称

    草コインという呼び方に、共通の基準はありません。単価が1円を下回る銘柄を指して使う人もいれば、時価総額ランキングで下位に沈んでいる銘柄をまとめて含める人もいます。同じ銘柄が、ある記事では草コインとして紹介され、別の記事では対象から外れることも珍しくありません。

    呼び名の由来については、いくつかの説が語られてきました。例えば、英語圏で価値の乏しい暗号資産を指すShit Coinが転じたとする説や、インターネット上で笑いを表す「w」の見た目から広まった「草」の表記に由来するという説が知られています。どちらが起点なのかを裏づける資料は見当たらず、その呼び方は両方のニュアンスを残したまま使われているのが実情です。

    アルトコイン・ミームコインとの関係

    アルトコインは、ビットコイン以外の暗号資産をまとめて指す言葉です。そのため、時価総額が2,000億ドルを超えるイーサリアムのような銘柄も、名前の知られていない小さな銘柄も、同じアルトコインに含まれます。草コインは、そのうち規模の小さい部分を切り出した呼び名です。

    一方、ミームコインは、インターネット上のジョークやキャラクターを出発点に作られた暗号資産という、成り立ちによる分類にあたります。草コインは規模による分類なので、両者は重なりつつも軸が異なる言葉といえるでしょう。

    数字で見る草コインの実態

    言葉の指す範囲は曖昧でも、市場にどれだけの銘柄が存在し、そのうちどれだけが生き残っているかは数字で確かめられます。

    追跡されている銘柄数と、その外側にあるトークン

    暗号資産と呼ばれるトークンは、日々おびただしい数が生まれています。取引所を介さず利用者同士が直接売買できる分散型取引所のデータを集めるGeckoTerminalには、2021年の約42万8,000件から2025年には約2,020万件までトークンが記録されました(※2)。

    これに対し、CoinGeckoが実際に価格を追跡している暗号資産は、2026年8月5日時点で18,127銘柄にとどまります(※1)。約2,020万件という母数と比べると、価格が追跡される銘柄はごくわずかな一部にすぎません。

    取引が止まった銘柄は全体の53.2%

    発行されたトークンの多くは、短い期間で取引されなくなります。CoinGeckoが2026年4月に公表した集計によると、記録された暗号資産の53.2%にあたる1,346万件超が、すでに取引の確認できない状態です(※2)。ここでいう取引停止とは、1回以上の取引記録がありながら現在はアクティブに取引されていない状態を指し、保有していても売りたい相手が見つからないことを示します(※2)。

    年ごとの内訳を見ると、取引が止まる銘柄は近年急増しており、件数は2021年の2,584件から、2024年には1,382,010件、2025年には11,564,909件へと跳ね上がりました(※2)。2025年の第4四半期だけでも770万件が取引を止めており、2025年通年の件数のうち3分の2近くがこの3か月に集中した計算になります(※2)。

    おすすめとされる銘柄を見極める視点

    ネット上でおすすめとして並んでいる銘柄をどう見極めるかについて、その手がかりになる3つの観点を挙げます。

    発行主体と情報開示を確認する

    最初の手がかりは、誰が作り、誰が開発を続けているのかを確認できるかどうかです。運営主体の名前が公表されているか、構想を示す文書が用意されているか、開発の記録を追える状態にあるかを確かめます。この3点が揃わない銘柄では、評価の材料そのものが手に入りません。

    実際、情報が乏しい銘柄では、開発者が資金を集めた後に流動性を引き揚げる、ラグプルと呼ばれる持ち逃げの手口が起きやすくなります。Solidus Labsの2025年5月の調査によると、誰でもトークンを発行できるプラットフォームPump.funでは700万を超えるトークンが発行されました(※3)。このうち流動性1,000ドル以上を維持できたものは約9.7万件にとどまり、98.6%がラグプルまたは価格をつり上げた後の売り抜けに分類されています(※3)。

    取引の厚みから売却のしやすさを見る

    2つ目は、時価総額と合わせて24時間の取引高を見ることです。時価総額が1,000位に届かない銘柄では、1日の取引高が1,000万円台にとどまるケースも珍しくありません。この規模だと、保有している数量を売りに出した時点で価格が下がり、想定した金額を回収できないことも起こり得ます。

    上場からの日数が短い銘柄では、取引高が一時的に膨らんでいる場合もあります。数日分だけを見て判断せず、期間を空けて何度か確かめるほうが確実です。

    紹介のされ方に注意する

    3つ目は、その銘柄がどういう文脈で紹介されているかです。「必ず儲かる」「元本保証」といった文言、LINEへの登録を急かす誘導、著名人の名前や画像を使った広告は、警察庁が注意を呼びかけているSNS型投資詐欺の特徴と重なります(※4)。

    実際、2025年のSNS型投資詐欺(ロマンス詐欺を除く)の認知件数は9,523件、被害額は1,288億円で、いずれも前年から4割以上増加しました(※4)。同庁の資料では、動画内で口の動きと声がずれている、著名人を名乗りながら未認証のアカウントを使用しているといった手口も紹介されています(※4)。

    暗号資産をめぐる相談は、国内の窓口にも数多く寄せられており、国民生活センターへの消費生活相談は2023年度8,498件、2024年度7,261件、2025年度8,132件と推移し、いったん減った後に再び増加へ転じています(※5)。名前や画像を使った勧誘を見かけたときは、公式サイトや認証済みアカウントで発信の事実を確かめることが有効です。

    ポイント

    銘柄を確かめるときの3つの観点は次のとおりです。
    ・発行主体の名前や、構想を示す文書、開発の記録を確認できるか
    ・時価総額に対して24時間の取引高が確保されているか
    ・紹介の文言に「必ずもうかる」「元本保証」などが含まれていないか

    よくある質問

    Q草コインとアルトコインは何が違うのですか?

    アルトコインはビットコイン以外の暗号資産をまとめて指す言葉で、時価総額の大きい銘柄も含みます。草コインは、そのうち規模が小さく知名度も低いものを指す俗称です。

    Q草コインは1円未満で買える銘柄のことですか?

    単価が1円を下回る銘柄を指して使われる場面は多いものの、単価そのものが基準になっているとは言えません。1枚あたりの価格は発行枚数によって決まるため、単価の低さと規模の小ささは別の話です。銘柄の規模を見るなら、単価より時価総額と取引高が手がかりになります。

    Q草コインは日本の暗号資産交換業者で購入できますか?

    名前が挙がる銘柄の大半は、国内の登録業者では取り扱われていません。日本で暗号資産の交換業を営むには金融庁への登録が必要で、銘柄ごとにも自主規制団体の審査があります。

    Qおすすめの草コインを紹介している情報は信頼できますか?

    情報の質は媒体によって差があります。運営主体や構想を示す文書を確認できるか、24時間の取引高が確保されているか、「必ずもうかる」「元本保証」といった文言が使われていないかが、自分で確かめる際の材料になります。

    Q草コインで利益が出た場合、税金はどう扱われますか?

    現行制度では、暗号資産の売却益は原則として雑所得に区分され、給与など他の所得と合算して課税されます。住民税を含めた税率は最大でおよそ55%です。2028年1月からの適用が有力な申告分離課税は、登録された国内の暗号資産交換業者を通じた取引に限られる見通しで、対象となる銘柄の範囲は今後の政令で定まります。

    まとめ

    • 草コインは明確な定義を持たない俗称で、時価総額が小さく知名度の低い暗号資産を指す言葉
    • CoinGeckoの集計では、記録された暗号資産の53.2%にあたる1,346万件超がすでに取引停止
    • 2025年に取引が止まった銘柄は11,564,909件で、うち770万件が第4四半期の3か月に集中
    • 開発者が資金を持ち逃げするラグプルや、著名人になりすましたSNS型投資詐欺にも注意が必要
    • 見極めの手がかりは、発行主体と情報開示、24時間の取引高、紹介のされ方の3点

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    ※1 CoinGecko(価格を追跡している暗号資産の銘柄数、2026年8月5日時点) ※2 CoinGecko「Dead Coins: Over 50% of Cryptocurrencies Have Failed」(2026年4月17日更新、集計期間2021年7月1日から2025年12月31日) ※3 Solidus Labs「Solana Rug Pulls & Pump-and-Dumps」(2025年5月公表) ※4 警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」(2026年5月22日発表) ※5 国民生活センター「暗号資産(仮想通貨)」に寄せられた消費生活相談件数(2026年5月31日現在)