ニュースやSNSで「ビットコイン」や「BTC」という言葉を見かける機会は増えました。それでも、何を指す言葉なのかを人に説明できるかというと、自信のない方は少なくないはずです。この記事では、ビットコインがどのような発想から生まれ、どんな仕組みで動いているのか、日本国内でどれくらい取引され、制度上どう扱われているのかを、公的機関や公式資料の数値をもとに整理します。
執筆:CoinTradeコラム編集部
※本記事は2026年8月8日時点の情報であり、今後の法改正等により相違が生じることがあります。
ビットコインとは何か
ビットコインは、中央の管理者を置かずにインターネット上でやり取りできるように設計された暗号資産(仮想通貨)です。BTCは、その通貨の単位を表す記号にあたります。公式サイトのbitcoin.orgによると、大文字で始まるBitcoinはネットワークや概念そのものを指す言葉です。一方、小文字のbitcoinは通貨の単位を指し、その記号にはXBTが使われることもあるため、日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)の統計でも、「BTC/XBT」と併記されています。
管理者を置かずに送金するために作られた
出発点は、2008年10月31日に暗号技術のメーリングリストへ投稿された1本の論文でした。表題は「Bitcoin」、副題は「A Peer-to-Peer Electronic Cash System」で、Satoshi Nakamotoという名義で公開されています。
この論文が解こうとしたのは、二重支払いという問題です。デジタルのデータは複製できるため、同じ資金を二度使う不正は、誰かが記録を見張っていないと防げません。だからこそ、オンラインの支払いは長らく金融機関という第三者の介在に頼ってきました。
そこで論文が示した答えが、取引の記録を特定の管理者に預けるのではなく、ネットワーク全体で共有し、時系列に並べて確定させるという方法です。この仕組みにもとづく最初のブロック、つまり取引記録のかたまりが記録されたのは2009年1月3日でした。以来、記録は一度も途切れることなく積み上がっています。
円やドルとの違いは発行と記録の仕組み
日本円や米ドルには、発行を担う中央銀行があります。通貨の量を調整するのも、価値の裏づけを与えるのも、中央銀行の役割です。一方のビットコインには、中央銀行にあたる組織がありません。新しいビットコインは、あらかじめ決められたプログラムに従って自動的に発行されます。
取引の記録を誰が保管するかも異なっており、銀行振込であれば、残高も履歴も金融機関のシステムのなかにある情報です。これに対してビットコインでは、同じ記録をネットワークに参加する多数のコンピュータが共有します。そのため送金できる時間帯にも違いが表れ、金融機関の営業時間に縛られず深夜でも休日でも送金が可能です。
| 項目 | 日本円などの |
ビットコイン |
|---|---|---|
| 発行する主体 | 中央銀行 | 存在せず、プログラムに |
| 発行量の |
定められていない | 2,100万BTC |
| 取引記録の |
銀行などの |
ネットワークの |
| 送金で |
金融機関の |
24時間365日 |
※ビットコインの発行上限は、ソフトウェアの仕様として定められています。
ビットコインを支える仕組み
ビットコインが管理者なしで成り立つのは、ブロックチェーンという記録の方式と、マイニングという承認の仕組みが組み合わさっているためです。二重支払いを防ぐ役割も、この2つが担っています。
取引記録がブロックとして積み上がる
ブロックチェーンは、取引記録をまとめた「ブロック」が時系列順につながって伸びていく台帳です。bitcoin.orgでは、「ブロック」を、待機中の取引をまとめて承認する、ブロックチェーン上の記録だと定義しています。新しいブロックが追加される間隔は、平均して10分ほどです。
それぞれのブロックには、直前のブロックの内容から計算される値が埋め込まれており、元の内容が少しでも変われば、この値も別のものになります。したがって過去の記録を1か所でも書き換えると、それ以降のブロックの値がすべて合わなくなり、改ざんを成立させるには後に続くブロックを丸ごと作り直さなければなりません。
マイニングが記録の正しさを支える
新しいブロックを誰が追加するかを決めるのが、「マイニング」です。bitcoin.orgでは、「マイニング」を、取引を承認して安全性を高めるために、コンピュータに計算を行わせる処理だと説明しています。
マイニングの実態は、条件を満たす数値を機械的に探す作業で、答えは総当たりで見つけるほかありません。この計算に参加する人がマイナーで、最初に答えを見つけた1人がブロックを追加する権利と新規発行分のビットコインを受け取ります。
2,100万枚の上限と半減期のスケジュール
ビットコインには2,100万BTCという発行上限があり、そこに達したところで新規発行は停止します。上限に近づくペースもあらかじめ決まっており、21万ブロックごとに1ブロックあたりの新規発行量が半分になる仕組みです。これを半減期と呼びます。
ブロックはおよそ10分に1つ生成されるため、21万ブロックはおよそ4年に相当します。直近の半減期は4回目で、2024年4月20日を境に新規発行量は6.25BTCから3.125BTCへ減りました。
次の5回目は、ブロック高が1,050,000に達したときです。ブロック高とは最初のブロックから数えた通し番号を指し、2026年8月8日時点では961,510でした。残りは88,490ブロックあり、生成のペースがこのまま続けば2028年ごろが目安になります。ただし到達の時期は、ブロックが生成される速さによって前後するため、注意が必要です。
| 時点 | ブロック高 | 到達日 | 1ブロックあたりの |
|---|---|---|---|
| 運用開始 | 0 | 2009年1月3日 | 50 BTC |
| 1回目の |
210,000 | 2012年11月28日 | 25 BTC |
| 2回目の |
420,000 | 2016年7月9日 | 12.5 BTC |
| 3回目の |
630,000 | 2020年5月11日 | 6.25 BTC |
| 4回目の |
840,000 | 2024年4月20日 | 3.125 BTC |
| 5回目の |
1,050,000 | 未到達 | 1.5625 BTC |
※到達日はブロックが記録された時刻(協定世界時)にもとづきます。5回目の到達時期は、ブロックの生成ペースによって前後します。
数字で見るビットコインの現在地
ビットコインが市場のなかでどのような位置にあるのかは、数字で確かめられます。発行の進み具合、日本国内での取引量、直近の価格水準の3つを取り上げます。
発行済みは上限の95%を超えた
2026年8月8日時点で、発行済みのビットコインはおよそ2,007万BTCであり、上限の2,100万BTCに対しておよそ95.6%がすでに世に出ている計算になります。
残り93万BTCを年間の新規発行量である16万BTCで割れば6年ほどになりますが、新規発行のペースが、半減期のたびに半分へ落ちるため、実際にはそうなりません。2028年ごろの半減期を過ぎれば年8万BTC、その4年後には年4万BTCと減っていき、最終的にはゼロになることを考えると、すべてのビットコインが発行されるまでには、100年以上かかると考えられます。
国内の現物取引の3分の2を占める
日本国内での存在感は、取引金額に表れています。JVCEAの統計によると、2026年6月のビットコインの取引金額は5,983億円でした。これは、全銘柄の合計約9,049億円のおよそ66%にあたります。2位のイーサリアムは約1,516億円、3位のXRPは約735億円であり、上位3銘柄の合計は、全体の9割を超えます。
上位に集中する構図は、世界の市場でも共通しています。2026年8月8日時点で、CoinGeckoが価格を追跡する暗号資産は18,247銘柄でしたが、その時価総額の合計に占めるビットコインの割合は56.78%でした。
最高値から4割以上下げた直近の水準
値動きの幅も、あらかじめ押さえておきたい点です。2026年8月時点のビットコインの価格は、およそ1,020万円でした。
円建ての過去最高値は2025年10月7日に記録した約1,895万円のため、現在の水準はそこから約45%低い位置にあることが分かります。およそ10か月でここまでの下落を見せたことから、ビットコインを保有する場合は、この価格の振れ幅は前提として織り込んでおく必要があるといえるでしょう。
ビットコインの使い道と注意点
ビットコインの使い道は、送金と価値の保存という2つに集約できます。ただし日常の支払いに使うには値動きと待ち時間が壁になり、送金には取り消しがきかないという性質や、秘密鍵を自分で管理する負担も伴います。
送金と価値の保存という2つの使われ方
ビットコインの使い道の1つ目は送金です。これは当初ビットコインの論文が発表された時から想定されるユースケースであり、相手のアドレスを指定して送れば、金融機関を経由せずに資産を移せます。ただし送金にはネットワークへ支払う手数料がかかり、その額は混雑の度合いによって変わるため、注意が必要です。
2つ目は、価値を保存する手段としての使い方です。発行上限があらかじめ2,100万BTCと決まっているため、供給の増え方に歯止めのない通貨とは性格が違う資産だという見方があります。金に例えて語られることが多いのも、この性質があるためです。
決済手段として広がりにくい理由
ビットコインは当初、決済手段としての利用を期待されていましたが、現在の日常の買い物に使う通貨として普及しているとは言えません。壁になっているのは、値動きの大きさと待ち時間の長さです。
まず値動きについては、円建て価格が10か月で約45%下がった実績があります。1万円の品物をビットコイン建てで値付けし、10か月後に受け取ったとすると、値付け時と同じ数量でも5,500円分の価値にしかなりません。逆に値上がりした局面では、支払う側が同じ思いをします。
待ち時間のほうは、ブロックの生成間隔が10分ほどある点に起因します。承認を何回か待つ運用も一般的なため、レジの前で完了を待つ支払いには向きません。しかも混雑時は手数料の高い取引から先に処理されるので、手数料を抑えるほど待ち時間は延びていきます。
取り消せない送金と鍵の管理
銀行振込で宛先を間違えたときは、金融機関に組戻しを依頼できます。ところがビットコインの送金には、それにあたる窓口がありません。記録を後から書き換えられない仕組みが、改ざんへの強さと、誤送金を取り消せない不便さを同時に生んでいます。
また、秘密鍵の管理も、利用者に委ねられています。秘密鍵とは、自分のウォレットからビットコインを使う権利を証明する秘密の情報であり、秘密鍵を失えば、そのウォレットにあるビットコインを動かす手立てはありません。
鍵の管理と並んで気をつけたいのが、第三者から持ちかけられる投資の勧誘です。暗号資産をめぐる相談は後を絶たず、国民生活センターの集計では2024年度は7,261件、2025年度は8,132件へと増加しています。
送金先のアドレスは、送信する前に必ず確認してください。誤って送った資産を取り戻す手段はありません。また、秘密鍵やパスワードを他人に伝えることも避けてください。暗号資産をめぐる相談の状況は、国民生活センターで公表されています。
日本の制度と今後をめぐる見方
ビットコインは、日本では法律にもとづく登録制度のもとで取り扱われています。その枠組みが2026年に入って動き、税制の見直しも並行して進んでいます。
資金決済法から金融商品取引法へ
国内で暗号資産の売買を業として行うには、資金決済法にもとづく登録が必要です。金融庁が公表する登録業者の一覧には、令和8(2026)年6月30日現在で26社が並びます。
この枠組みが、いま転換点を迎えており、2026年7月15日、「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」が成立しました。これにより暗号資産は有価証券とは異なる金融商品の一類型として位置づけられ、発行者がいるものと、発行者がいないものとに分けて規制されます。ビットコインには発行者にあたる主体がいないため、後者に区分される見込みです。
あわせて、販売時や販売後の情報公表の義務や、内部情報を使った売買を禁じるインサイダー取引規制も整備される予定です。施行は公布の日から1年以内で、規制の細目は今後の政令や内閣府令で決まります。
利益にかかる税金と2028年の見直し
現在の税制では、暗号資産の売却などで生じた利益は原則として雑所得に区分されます。総合課税の対象となるため、ほかの所得と合算された金額に5%から45%の累進税率が適用され、ここに住民税10%が加わります。負担は最大でおよそ55%に達する計算です。
この扱いも、見直しの方向にあり、金融庁が2025年12月に公表した資料「令和8(2026)年度税制改正について」では、暗号資産の譲渡による所得を雑所得から譲渡所得へ移し、分離課税とする方針が示されました。資料には申告分離課税として税率20%が示され、現行の総合課税の最大55%と並べて記載されています。
対象となるのは、改正法で新たに設けられる暗号資産取引業者が取り扱う暗号資産です。現在の登録業者がそのまま新しい区分へ移るのか、どの銘柄が対象になるのかは、いずれも今後の政令で定まります。開始は2028年1月からが有力で、損失が出た年については翌年以降3年間の利益と相殺できる繰越控除も認められる見込みです。
暗号資産をめぐる制度は改正の途中にあり、施行日や対象範囲は今後の政令などで定まります。最新の内容は金融庁と国税庁の公表資料で確認できます。分離課税の詳細は暗号資産の分離課税はいつからで扱っています。
強気の見方と慎重な見方
今後の見通しについては評価が分かれており、前向きに見る側が挙げるのは、制度の整備が資金の入り口を広げるという点です。金融商品取引法のもとで投資家保護の枠組みが整い、税率20%の分離課税へ移行すれば、税負担を理由に投資を避けてきた層にとってもビットコインが選択肢に入ります。税制改正の資料には、暗号資産を投資対象とするETF(上場投資信託)の組成を可能にする検討も記されており、実現すれば資金の流入経路はさらに増えます。
一方、慎重に見る側が指摘するのは、決まっていない部分の多さです。分離課税の対象がどの銘柄になるかは政令待ちで、改正法の施行日も公布から1年以内という幅のなかにあります。過去最高値から45%下げた事実もあり、制度が整うことと価格が上がることは別の話です。
ビットコインを購入するまでの流れ
国内でビットコインを買う場合は、登録を受けた事業者を通じて売買するのが基本の経路です。口座を開いて日本円を入金し、金額を指定して注文するという流れになります。
口座開設から購入までの流れ
多くの事業者では、小数点以下の細かい単位で注文できるため、数千円といった金額からでも購入できます。手続きの大枠はどの事業者でも共通で、申し込みから購入までは次の4段階です。
-
1
口座開設を申し込む
スマホアプリや公式サイトからメールアドレスと基本情報を登録します
-
2
本人確認を済ませる
マイナンバーカード等のICチップをスマートフォンで読み取る方式が代表的です
-
3
日本円を入金する
指定された口座への振込などの手段で購入資金を用意します
-
4
ビットコインを購入する
購入する金額を指定して注文します
CoinTradeでビットコインを購入する流れ
CoinTradeは株式会社マーキュリーが運営する暗号資産のサービスで、ビットコインを取り扱っています。口座開設から本人確認、日本円の入金、売買までがアプリのなかで完結しており、ほかのウォレットへの送付や、外部からの受取にも対応しています。
「買い時がわからない」という方向けに、積立機能も実装されており、購入のタイミングを分散させつつ、長期目線でビットコイン投資に挑戦することが可能です。
よくある質問
QビットコインとBTCは同じものを指しますか?
ほぼ同じものを指しますが、使い分けがあります。bitcoin.orgの説明では、大文字で始まるBitcoinはネットワークや概念そのものを指す言葉です。小文字のbitcoinは通貨の単位を指し、BTCはその単位を表す記号にあたります。XBTと書かれることもありますが、日常の会話ではどちらも同じ暗号資産を指していると考えて差し支えありません。
Qビットコインは1枚単位でしか購入できないのですか?
小数点以下の単位でも購入できます。ビットコインの最小単位はsatoshiと呼ばれ、1ビットコインは100,000,000 satoshiです。国内の登録業者は細かい単位での注文に対応しているため、数百円程度の金額からでも保有を始められます。
Q発行上限の2,100万枚に達したら何が起こりますか?
新規発行が止まります。上限に届くまでには100年以上かかると考えられており、当面の運用に影響が及ぶ段階にはありません。
Qビットコインの取引で利益が出た場合、税金はどうなりますか?
現在は、原則として雑所得に区分され、総合課税の対象になります。給与などほかの所得と合算され、5%から45%の累進税率に住民税10%が加わります。金融庁の資料では、法改正を前提に譲渡所得へ移して申告分離課税とし、税率を20%とする方針が示されました。開始は2028年1月からが有力です。
Qビットコインは日本国内でも購入できますか?
購入できます。国内で暗号資産の売買を業として行うには、資金決済法にもとづく登録が必要ですが、金融庁の登録業者の一覧には令和8(2026)年6月30日現在で26社が掲載されており、その多くがビットコインを取り扱っています。
まとめ
- ビットコインは中央の管理者を置かずに送金できるよう設計された暗号資産であり、BTCはその通貨単位を表す記号
- 取引記録はブロックチェーンに時系列順で積み上がり、マイニングが承認と新規発行を担う仕組み
- 発行上限は2,100万BTCで、2026年8月8日時点の発行済みはおよそ2,006万BTC
- 半減期は21万ブロックごとに訪れ、4回目の2024年4月20日以降の新規発行量は1ブロックあたり3.125BTC
- 2026年7月15日に金融商品取引法等の改正法が成立し、税制も2028年1月からの分離課税移行が見込まれる