HBARは、「ハッシュグラフ」という独自の分散型台帳技術を採用した暗号資産です。従来のブロックチェーンとは異なる仕組みにより、高速処理・低コスト・低消費電力という特徴を持ちます。本記事では、HBARの基本から技術的な特徴、国内での購入・運用方法まで初心者の方にもわかりやすく解説します。
執筆:CoinTradeコラム編集部
※本記事は2026年5月26日時点の情報であり、今後の法改正等により相違が生じることがあります。
HBARとは何か
HBAR(エイチバー)は、分散型台帳プラットフォーム「Hedera(ヘデラ)」のネイティブトークンです。2018年8月にICOで資金を調達し、2019年9月にメインネットのオープンアクセスが開始されました。
HBARはネットワーク内で主に3つの役割を果たします。まず、取引手数料(ガス代)の支払い手段として使われます。次に、ステーキングによって報酬を受け取る手段となります。そして、ガバナンス(ネットワークの意思決定)への参加に活用されます。
日本国内では、CoinTradeが2023年3月に国内の暗号資産交換業者として初めてHBARの取り扱いを開始しました。CoinTrade(コイントレード)は金融庁に登録された暗号資産交換業者(関東財務局長00025号)であり、安心してHBARを取引できる環境が整っています。
ブロックチェーンとハッシュグラフの違い
HBARの最大の特徴は、一般的な暗号資産が採用するブロックチェーンではなく、「ハッシュグラフ」という独自の分散型台帳技術(DLT)を使っている点です。
ブロックチェーンは取引データをブロックに格納し、一本のチェーン状につなぐ直列的な構造をとります。一方、ハッシュグラフはDAG(有向非巡回グラフ)と呼ばれるデータ構造を採用し、すべての取引が順序づけられて並列的に処理されます。このため、ネットワーク内での分岐が発生しません。
また、ハッシュグラフは「ゴシッププロトコル」と呼ばれる通信方式を採用しています。各ノードがランダムに情報を共有し合い、ネットワーク全体で迅速に合意形成を行います。トランザクションの順序やタイムスタンプが数学的に公平に決定されるため、特定の取引を不正に優先させることも困難です。
| 比較項目 | ブロックチェーン(例:Bitcoin) | ハッシュグラフ(Hedera) |
|---|---|---|
| データ構造 | チェーン状(直列) | DAG(並列・網目状) |
| 処理速度(TPS) | 約7〜30TPS | 最大約10,000TPS(理論値) |
| ネットワーク分岐 | 発生しうる | 発生しない |
| エネルギー消費 | 高い(PoWの場合) | 極めて低い |
| コンセンサス方式 | PoW / PoS 等 | ゴシッププロトコル+仮想投票 |
HBARの3つの主な特徴
HBARの強みは「スピード」「省エネ」「公平なガバナンス」の3点に集約されます。これらはハッシュグラフという独自技術と、世界的企業が参加する運営体制から生まれています。
高速・低コストなトランザクション処理
HBARが動作するHederaネットワークは、最大約10,000TPS(1秒あたりのトランザクション処理数)の理論値を持ちます。ビットコインの約7TPS・イーサリアムの約15〜30TPSと比べて、大幅に高い処理能力です。最終確定(ファイナリティ)までの時間も5秒以内と短く、決済・サプライチェーン管理など多様なビジネス用途に適しています。
また、取引手数料は用途によって異なりますが、多くのネイティブトークン転送では1件あたり$0.0001程度と非常に低コストです。マイクロペイメント(少額決済)や高頻度取引にも適しており、企業・開発者が実用システムに採用しやすい設計となっています。
エネルギー効率の高さ
HBARはビットコインやイーサリアムと比較して、消費エネルギーが極めて小さいことで知られています。PoW(プルーフ・オブ・ワーク)のような膨大な計算処理を必要としないハッシュグラフの仕組みが、この低消費電力を実現しています。
Hederaは暗号資産業界の中でもESG・サステナビリティの観点から注目されており、カーボンネガティブ認定を取得しています。四半期ごとにカーボンオフセットを購入することで、ネットワーク運営による排出量以上のCO2削減を実現しています。環境への配慮を重視する企業・機関投資家からの関心が高まっています。
Hedera Council(ヘデラ カウンシル)による分散ガバナンス
Hederaのネットワーク運営は、「Hedera Council(ヘデラ カウンシル)」が担っています。2025年5月に従来の「Hedera Governing Council」から名称を改めました。Google・IBM・Boeing・FedEx・Dell・LG Electronics・Deutsche Telekom・McLaren Racingなど、31の企業・機関が参加しています(2026年5月時点)。
各メンバーの任期には上限があり、特定の組織がネットワークを独占的に支配できない設計です。透明性と分散性を両立した運営体制は、企業が安心して基盤として採用できる理由の一つです。
HBARの主な用途
HBARはHederaネットワーク上でさまざまな用途に活用されています。主な用途は以下の4つです。
- 取引手数料の支払い:Hederaネットワーク内でのあらゆる取引・操作に手数料としてHBARが使われます。
- ステーキング報酬:HBARを保有してステーキングを行うことで、報酬を受け取ることができます。
- ガバナンス参加:ネットワークの重要事項の意思決定に参加できます。
- DApps開発基盤:スマートコントラクト(Solidityベース)やネイティブトークン発行の基盤として、分散型アプリケーション(DApps)の開発に利用されます。
国内でHBARを保有するなら、CoinTradeのステーキング機能「CoinTrade Stake」の活用も選択肢の一つです。CoinTrade Stakeは、ETH・SOLなど15銘柄のステーキングに対応しており(最大年率13.5%※1)、HBARも対応銘柄に含まれています。詳しくはCoinTrade Stakeのサービスページをご確認ください。
なお、ステーキングの仕組みについては、ステーキングとは?の記事を参照ください。
HBARを購入・運用する際の注意点
HBARへの投資・運用を検討する際には、以下の点に注意が必要です。
暗号資産は価格が大きく変動するリスクがあります。HBARも例外ではなく、購入した金額を下回る可能性があります。投資は必ず自己責任で行い、余裕資金の範囲内で取り組んでください。断定的な利益を約束するものではありません。
価格変動リスク:HBARを含む暗号資産の価格は市場動向・マクロ経済・規制環境などにより大きく変動します。短期的に急落するケースもあるため、長期的な視点での資産管理が重要です。
ステーキングのロック期間:CoinTradeのステーキング機能を利用する場合、終了申請後にロック期間(1週間〜2か月程度)が発生します。急いで資産を換金したい場合でも、すぐには対応できないことがあります。
税務上の取り扱い:日本では、暗号資産の売却益やステーキング報酬は原則として雑所得として課税対象となります。確定申告が必要なケースについては、確定申告が必要なケースの解説記事をご確認ください。また、国税庁の暗号資産に関するFAQも参考になります。
よくある質問
QHBARはビットコインと何が違うのですか?
最大の違いは基盤技術です。ビットコインはブロックチェーンを採用していますが、HBARはハッシュグラフという独自の分散型台帳技術を使用しています。ハッシュグラフはビットコインと比べてトランザクション処理速度が大幅に速く、消費電力も極めて低いのが特徴です。また、ガバナンス体制も異なり、HBARはGoogleやIBMなど31の企業・機関で構成される「Hedera Council(ヘデラ カウンシル)」が運営に参加しています。
Qハッシュグラフは本当に安全なのですか?
ハッシュグラフのコンセンサスアルゴリズムは、数学的に安全性が証明されています。ゴシッププロトコルによる合意形成では、トランザクションの順序とタイムスタンプが公平に決定されるため、特定のトランザクションを不正に優先させることができません。ただし、どの暗号資産にも技術的リスクはゼロではなく、投資判断は自己責任で行ってください。
QHBARはどこで買えますか?
国内では、CoinTradeで購入できます。CoinTradeは2023年3月に国内の暗号資産交換業者として初めてHBARの取り扱いを開始しました。金融庁に登録された取引所(関東財務局長00025号)であるため、安心して利用できます。取扱い銘柄の詳細はCoinTradeの販売所ページでご確認いただけます。
QHBARのステーキングはどう始めればよいですか?
CoinTradeのステーキング機能「CoinTrade Stake」を利用することで、HBARのステーキングを始められます。まずCoinTradeで口座を開設し、HBARを購入またはウォレットから送付した後、CoinTrade StakeでHBARのステーキングプランを申し込むことで開始できます。ステーキング報酬はCoinTradeの口座に自動的に反映されます。口座開設の流れは口座開設ガイド(個人)をご参照ください。
まとめ
- HBARはHederaネットワークのネイティブトークンで、2019年9月にメインネットがローンチされた暗号資産
- ブロックチェーンではなく独自の「ハッシュグラフ」技術を採用し、高速処理・低コスト・低消費電力を実現
- GoogleやIBMなど31の企業・機関が参加するHedera Council(ヘデラ カウンシル)が透明性の高いガバナンスを担っている
- 国内ではCoinTradeが初めて取り扱いを開始し、HBARのステーキングにも対応している
- 投資・運用には価格変動リスクやロック期間・税務上の取り扱いなどへの理解が重要
※1 2026年5月26日現在。年率は変動する場合があります。最新情報はCoinTrade Stakeのサービスページをご確認ください。