暗号資産に興味はあっても、価格が動くだけでどうやって利益が生まれるのか、その仕組みがつかみにくいと感じる方は少なくありません。本記事では、価格差が生まれる仕組みや暗号資産ならではのメリット・リスク、2026年に成立した制度の変化、そして口座開設から始まる具体的な始め方までを順を追って解説します。
執筆:CoinTradeコラム編集部
※本記事は2026年7月29日時点の情報であり、今後の法改正等により相違が生じることがあります。
暗号資産(仮想通貨)投資とは何か
ブロックチェーンが支える資産の価値
暗号資産とは、国や中央銀行が発行する法定通貨とは異なり、価値を保証する発行体を持たないインターネット上の電子データです。取引の記録はブロックチェーンと呼ばれる分散型の台帳に刻まれ、特定の管理者がいなくても取引の正当性を保てる仕組みになっています。
裏付けとなる資産を持たないため、需要と供給のバランス次第で価格が大きく動きやすいでしょう。代表的な例としてビットコインやイーサリアムが挙げられ、いずれも中央集権的な発行主体を持たない点は共通しています。
株式・FX投資との値動きの違い
暗号資産は株式やFXと同じく値動きのある金融商品ですが、取引の時間帯やルールには明確な違いがあります。株式市場は取引時間が決まっており1日の値幅にも制限が設けられているのに対し、暗号資産は24時間365日いつでも売買できる点が特徴です。値幅の制限がないぶん、短時間で価格が大きく変動することもあり、株式やFXとは異なる値動きの荒さを意識しておく必要があるでしょう。
| 観点 | 暗号資産 | 株式(現物) | FX |
|---|---|---|---|
| 取引可能時間 | 24時間365日 | 取引所の |
平日ほぼ24時間 |
| 1日の |
なし | あり | なし |
| レバレッジの |
個人向けは |
信用取引で |
個人向けは |
暗号資産投資で利益が出る仕組み
価格差を捉える売買の仕組み
暗号資産で利益を得る基本的な方法は、価格が安いときに買い、高いときに売ることで生まれる売買差益です。暗号資産を扱う事業者には、事業者自身が提示する価格で直接売買する販売所と、利用者同士の注文を仲介する取引所という異なる業態があります。同じ銘柄でも提示される価格がサービスによって異なることも少なくありません。
保有しながら増やす運用の仕組み
暗号資産の中には、保有しているだけで一定の報酬を得られる運用の仕組みに対応した銘柄もあります。ネットワークの維持に協力することで報酬が支払われる仕組みや、暗号資産を貸し出して利息のような収益を得る方法が代表的です。
こうした運用は銘柄によって対応の有無や条件が異なり、対応していない銘柄では利用できません。売買差益だけでなく、保有しながら増やす選択肢があることも、暗号資産投資の特徴の一つといえるでしょう。
暗号資産投資のメリット
少額から24時間365日取引できる手軽さ
暗号資産は多くの国内サービスで数百円から千円程度の少額から購入でき、まとまった資金がなくても投資を始められます。株式のように取引時間が決まっておらず、24時間365日いつでも売買できる点も大きな利便性です。
仕事や家事の合間などライフスタイルに合わせたタイミングで取引できるため、忙しい人でも無理なく投資に参加しやすいでしょう。時間や資金の制約が大きい人ほど、この手軽さの恩恵を感じやすいかもしれません。
値動きの大きさが生む収益機会
暗号資産は株式やFXと比べても値動きの幅が大きく、短期間で資産が大きく増える可能性を持つ点が魅力です。同じ金額を投じた場合でも、値動きの大きい銘柄ほど得られるリターンは大きくなりやすい傾向にあります。
一方、値動きの大きさについて、資産が減る可能性も同時に抱えていることは見逃せません。短期間で資産が動きやすいからこそ、投資の目的や許容できる変動幅を考えておくことが望ましいでしょう。
暗号資産投資に伴うリスクと注意点
ボラティリティの大きさ
暗号資産は株式やFXと比べて価格変動の幅、いわゆるボラティリティが大きく、短期間で資産評価額が大きく増減することがあります。裏付けとなる資産を持たないぶん、材料一つで価格が急騰・急落しやすい点は株式などとは異なる特徴です。
含み益が数日で縮小したり、逆に含み損に転じたりすることも珍しくなく、価格の変動幅そのものを投資に伴うリスクとして理解しておく必要があるでしょう。特に短期間での売買を考える場合は、値動きの大きさを踏まえて資金計画を立てることが重要になります。
急増する暗号資産の詐欺被害
暗号資産に関連する詐欺の被害は近年急速に増えています。警察庁の集計によると、SNSを通じて接触し暗号資産の送金を持ちかける投資詐欺は、2025年の認知件数が2,177件(前年比+177.0%)、被害額が247.7億円(前年比+189.7%)に上りました(※1)。
こうした手口の多くは、SNSのダイレクトメッセージや広告をきっかけに接触し、投資名目で暗号資産の送金を促すというものです。被害額が急増している背景には、暗号資産を使った送金の手軽さが悪用されやすい面があるとされています。
SNSのメッセージや広告から届く「必ず儲かる」といった投資の誘いには注意が必要です。暗号資産の送金を急かす相手とは距離を置き、公的機関や取引先を名乗る相手でも送金前に一度立ち止まって確認する姿勢が役立ちます。
暗号資産投資を左右する制度の変化
変わる税金の仕組み
暗号資産の利益は、現在は雑所得として扱われ、給与所得などと合算した総合課税の対象になっています。所得が大きくなるほど税率が上がる累進課税のため、利益によっては所得税・住民税を合わせて最大で約55%の税率になることもあります。
2026年7月15日には、暗号資産に関する規制を金融商品取引法の枠組みに移す改正法が成立しました(※2)。税制の見直しも盛り込まれており、2028年1月1日の施行を目指して、税率が約20%程度の申告分離課税へ移行し、損失を3年間繰り越して控除できる仕組みも導入される見込みです。
投資家保護に関わる新しいルール
今回の法改正では、税制だけでなく投資家保護のルールも強化されます。未公表の重要な情報をもとに売買するインサイダー取引の規制が、暗号資産の分野にも初めて導入されることになりました。あわせて、登録を受けずに暗号資産の販売を行った場合の罰則も引き上げられ、拘禁刑の上限が3年から10年へ、罰金の上限が300万円から1,000万円へと引き上げられます。
これらの制度変更は、今後の運用状況によって細部が変わる可能性があるでしょう。投資の判断はあくまで読者自身が行うものであり、最新の公表内容をふまえて考える必要があります。
暗号資産に関する制度改正の最新情報は、金融庁の公式サイトで随時公表されています。今後の詳しいスケジュールを確認する際に役立ちます。
暗号資産投資の始め方
口座開設から暗号資産の購入までの基本ステップ
暗号資産投資は、口座開設から実際の購入まで、大きく分けて4つのステップで進められます。特別な知識がなくても、順を追って手続きを進めれば購入まで完了できます。
-
1
口座開設の手続きを行う
本人確認情報を登録し、口座開設の審査を受けます。
-
2
日本円を口座に入金する
指定された口座への銀行振込などにより、日本円を入金します。
-
3
購入したい銘柄を選ぶ
ビットコインをはじめとする取扱銘柄の中から、購入したい銘柄を選びます。
-
4
金額を指定して購入する
購入したい金額を指定し、注文内容を確認してから購入を確定します。
CoinTradeの積立にみる少額投資
購入したあとの続け方として、毎月決まったタイミングで買い付ける積立という方法を選ぶ人も少なくありません。CoinTradeでは銘柄と購入金額に加え、毎日または毎月5日・15日・25日といった積立の頻度も選べるようになっています。
CoinTradeの積立設定データでは、月次でのタイミングを選ぶ設定が83.9%を占め、平均月間積立額は約2,235円でした(※3)。500円程度の少額から設定している例も多く、少額からでも無理のないペースで投資を続けやすいことがうかがえます。少額からでも継続しやすい積立の仕組みは、まとまった資金がない方にも選びやすい方法といえるでしょう。
よくある質問
Q暗号資産投資はなぜ値上がりして利益が出ることがあるのですか?
暗号資産の価格は、裏付け資産を持たないぶん需要と供給のバランスで変動します。欲しい人が増えれば価格は上がり、その状態で保有していた分を売却すると売買差益が生まれます。銘柄によっては、保有しているだけで報酬を得られる運用の仕組みが使える場合もあるでしょう。
Q暗号資産投資は株式投資とどう違いますか?
大きな違いは取引できる時間帯とルールです。株式は取引時間が決まっており値幅にも制限がありますが、暗号資産は24時間365日いつでも売買でき、値幅の制限もありません。そのぶん値動きが荒くなりやすく、株式より値動きの幅が大きくなる傾向があります。
Q少額からでも暗号資産投資は始められますか?
多くの国内サービスでは数百円から千円程度の少額から購入でき、まとまった資金がなくても始められます。
Q2026年の法改正で暗号資産の税金はどう変わりますか?
現在、暗号資産の利益は雑所得として総合課税の対象になっており、所得によっては税率が最大約55%に達します。2026年7月に成立した改正法により、2028年1月1日の施行を目指して、税率が約20%程度の申告分離課税へ移行する見込みです。損失を3年間繰り越して控除できる仕組みも、今回の改正に盛り込まれました。
Q暗号資産投資を始める際、最初に何を準備すればよいですか?
本人確認情報を準備して口座開設を行ってください。審査完了後、CoinTradeであれば指定の口座への銀行振込によって日本円の入金・暗号資産の購入が可能となります。
まとめ
- 暗号資産は裏付け資産を持たない電子データで、需給バランスにより価格が大きく変動する
- 利益の基本は安く買って高く売る売買差益で、保有中に報酬を得られる運用方法もある
- 少額から24時間365日取引できる手軽さと、大きなリターンを狙える値動きの大きさが魅力である
- 一方でボラティリティの大きさや詐欺被害の急増など、注意すべきリスクも存在する
- 2026年7月の法改正により、税制は申告分離課税へ移行し投資家保護のルールも強化される見込みである
- 始め方は口座開設から購入までの基本ステップに沿って進められ、積立という続け方も選べる
※1 警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」(2026年5月22日公表) ※2 金融庁「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」(2026年7月15日成立、施行は2027年度、税制部分は2028年1月1日予定) ※3 CoinTrade社内データ(2025年10月〜2026年7月の積立設定の集計)