SNSやマッチングアプリを通じた投資の勧誘は年々増えており、目の前の話が暗号資産(仮想通貨)詐欺なのかを判断しづらい場面も多いでしょう。手口は複雑に見えても、勧誘の入口、約束された条件、送金先の3点を確認すれば不自然さに気づきやすくなります。この記事では代表的な手口と見分ける際の確認点、被害に気づいたときの相談先まで解説します。
執筆:CoinTradeコラム編集部
※本記事は2026年7月30日時点の情報であり、今後の法改正等により相違が生じることがあります。
暗号資産詐欺の被害が急増する背景
暗号資産(仮想通貨)詐欺とは、暗号資産への投資や送金を名目に金銭をだまし取る行為の総称です。実在しないコインを売りつける手口から、正規の暗号資産を偽の運用先へ送らせる手口まで幅があります。
警察庁が2026年6月5日に公表した確定値では、2025年に被害金が暗号資産で支払われたものはSNS型投資詐欺で1,898件・215.5億円、SNS型ロマンス詐欺で2,177件・247.7億円に達しました(※1)。2つを合わせると約463億円で、前年の2.4倍から2.9倍に増えています。
振込型における暗号資産交換業者口座への振込を合わせると、被害金が実質的に暗号資産であるものはSNS型ロマンス詐欺で被害総額の48.6%(前年比+22.2ポイント)を占めています(※1)。
Chainalysisの「2026年 暗号資産犯罪動向調査レポート」でも、2025年に詐欺関連のアドレスが140億ドル以上を受け取ったと報告されました(※1)。暗号資産の送金は短時間で完了し取り消せないうえ、SNSの広告やメッセージで面識のない相手にも接触できます。
暗号資産詐欺で使われる主な手口
手口は次々に新しいものが登場しますが、確認すべき点は接触の入口、約束された条件、送金先の3つです。以下では、それぞれに対応する典型的なパターンを取り上げます。
SNSやマッチングアプリからの勧誘
最初の接触はSNSやマッチングアプリで、投資とは無関係な会話から始まる例が目立ちます。警視庁が示す典型的な流れでは、親しくなった相手が投資の話題を持ち出し、少額の利益で信用させてから追加の入金を促しました。
出金しようとすると手数料や税金を名目に追加の送金を求められ、連絡が途絶える例が報告されています。警察庁の確定値では、当初の接触ツールはSNS型投資詐欺でInstagramが1,934件、ロマンス詐欺でマッチングアプリが1,846件と偏りがありました(※1)。
高配当や元本保証をうたう投資話
「月利10%」「元本保証」のように、値動きに関係なく利益が出ると説明される点は、詐欺で繰り返し使われている枠組みです。暗号資産の価格は需給で上下するため、利益をあらかじめ確定させる仕組みは成り立ちません。
運用を代行して配当を約束するには金融商品取引業の登録が必要で、登録のない事業者が出資を集めれば法令違反にあたります。紹介した人に報酬が入る仕組みや、入金を急がせる進め方も、冷静に確かめる余裕をなくす働きかけといえるでしょう。
偽サイトや偽アプリへの誘導
送金先として案内される場所が、正規のサービスを装った偽のサイトやアプリであるケースも確認されています。画面や名称が本物に近く、利益が増える表示まで用意されているため、見た目では判断しにくいでしょう。
暗号資産を動かすための秘密鍵(持ち主であることを示す文字列)や、その復元に使うリカバリーフレーズを入力させる手口も確認されています。こうした情報の管理方法は暗号資産ウォレットとは?種類・選び方で解説していますが、正規の事業者が利用者に尋ねることはありません。
秘密鍵やリカバリーフレーズ、ログイン時に届く認証コードを第三者に伝える場面は、正規のサービスでは発生しません。
サポートを名乗る相手から求められた場合は、入力せずに公式の窓口へ問い合わせてください。
詐欺を見分けるためのチェック点
手口が巧妙になっても、公的に確認できる情報から判断できる部分があります。事業者の登録状況、示された条件、運営主体の3つを照らし合わせると判断の精度が上がります。
金融庁の登録状況を確認する
日本国内で暗号資産の売買を業として行うには、資金決済法に基づく暗号資産交換業の登録が必要です。登録済みの事業者は金融庁の「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」に掲載されており、社名を照らせば確認できます。無登録で暗号資産交換業を行い警告書が発出された業者の名称も、国内と海外に分けて公表されました。
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1
事業者の正式な名称を調べる
サービス名だけでなく、運営会社の名称と所在地まで書き出します。
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2
登録業者の一覧と照らし合わせる
金融庁が公表する一覧に同じ名称と登録番号があるかを見ます。
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3
無登録業者の公表リストも見る
警告書が発出された国内および海外の業者に含まれていないかを見ます。
利回りと勧誘の条件を確かめる
示された条件が現実的かどうかも判断の材料になります。値動きのある資産で利回りが確定していると説明される場合は、その根拠を相手が示せるかを確かめると不自然さが見えてくるでしょう。
「今日中なら枠が確保できる」といった急かし方や、家族への相談を避けるよう促す言い方も、判断の時間を奪う働きかけです。一つの条件で決めつけず、複数の点を確かめる進め方が現実的です。
運営者と発行主体の情報を調べる
発行元や運営者の情報がたどれるかどうかも、確認しやすい判断材料です。新しいコインへの出資を持ちかけられた場合は、発行主体の名称や、事業計画をまとめたホワイトペーパーの有無が手がかりになるでしょう。
連絡手段が個人のメッセージアプリだけで、問い合わせ窓口や所在地が示されない状態は不自然です。大手企業との提携をうたう説明があれば、その企業側の発表が出ているかも確かめられます。
被害に気づいたときの相談先
不審な取引に気づいた段階で相談できる公的な窓口が用意されています。警察相談専用電話の#9110や各都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口が、最初の相談先になります。
暗号資産交換業者や無登録業者との取引については、金融庁の金融サービス利用者相談室でも受け付けているため、内容に応じて窓口を選べるでしょう。消費者ホットラインの188に電話すれば、消費生活センターへつないでもらえます。
相談の際には、送金の日時と金額、やり取りの画面、相手のアカウント情報が確認されます。回収を確約して費用を求める業者に依頼した結果、二次的な被害につながる例も少なくありません。
安心して暗号資産を始める方法
手口と確認点を押さえたうえで、実際に暗号資産を始める場合の進め方に移ります。暗号資産詐欺を避ける観点では、値動きに左右されない仕組みを決める方法が知られています。
少額の積立から始める
売買のタイミングを自分で判断する進め方は、初心者には負担が大きくなりがちです。あらかじめ決めた金額を定期的に自動で買い付ける積立なら、購入の判断を都度行う必要がなく、購入単価は一定期間の平均に近づきます。
仕組みや始め方は暗号資産の積立とは?仕組みと始め方で解説しました。価格が下がり続ける局面では評価額も下がるため、積立が損失を避ける仕組みというわけではありません。購入するかどうかの判断は、各自の資金状況に応じて決まります。
CoinTradeで口座開設から積立設定まで
暗号資産を始める前に、その事業者が公的な登録を受けているかを確かめておくと判断しやすくなるでしょう。CoinTradeは関東財務局長第00025号として金融庁の暗号資産交換業の登録を受け、日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)にも加入しています。
アプリでは積立に加えて、暗号資産を預けて報酬を受け取るステーキングやレンディングにも対応しています。口座開設の申し込みと本人確認を済ませて日本円を入金したあとは、積立の金額と頻度を決める作業しか残りません。
CoinTradeの積立サービスでは、積立の金額と頻度を設定して自動での買い付けを続けられます。
値動きを見ながら売買の判断を繰り返す負担を抑えたい場合の選択肢になります。
よくある質問
Q暗号資産(仮想通貨)詐欺にはどのような手口がありますか?
SNSやマッチングアプリでの勧誘、元本保証をうたう投資話、正規のサービスを装った偽サイトへの誘導が代表的です。少額の利益を出させて信用させたうえで、追加の入金を促す流れが報告されています。
QSNSで届いた投資の勧誘が詐欺かどうかはどこで確認できますか?
事業者名がわかる場合は、金融庁が公表する登録業者の一覧と、無登録業者の一覧を照合します。運営会社の名称や所在地まで確認すると判断しやすくなります。
Q元本保証や高配当をうたう暗号資産の話はなぜ疑わしいのですか?
暗号資産の価格は需給によって変動するため、利益を事前に確定させる仕組みが成り立ちません。運用を代行して配当を約束するには金融商品取引業の登録が必要で、登録のない事業者による勧誘は法令に反します。
Q暗号資産詐欺の被害に気づいたらどこに相談すればよいですか?
警察相談専用電話の#9110や各都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口が入口になります。暗号資産交換業者に関する内容は金融庁の金融サービス利用者相談室、消費生活の相談は消費者ホットラインの188でも受け付けています。
Q暗号資産を安全に始めるにはどのような点を確認すればよいですか?
暗号資産交換業の登録を受けた事業者かを最初に確かめ、資産を動かすための文字列やパスワードは誰にも伝えない前提で扱います。値動きに応じた判断を繰り返さずに済む積立のような仕組みもあります。
まとめ
- 暗号資産で支払われた詐欺被害は2025年に急増し、投資詐欺215.5億円、ロマンス詐欺247.7億円
- 手口は接触の入口、約束された条件、送金先の3点で整理できる
- 資産を動かせる秘密鍵やリカバリーフレーズを尋ねる連絡は、正規の事業者では発生しない
- 判断材料になるのは、金融庁の登録業者一覧と無登録業者の公表リスト
- 相談先は警察相談専用電話の#9110、金融庁の金融サービス利用者相談室、消費者ホットラインの188
- 少額の積立は、売買の判断を繰り返す負担を抑える選択肢のひとつ
※1 2026年7月30日時点の情報です。警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」およびChainalysis「2026年 暗号資産犯罪動向調査レポート」によります。