ジパングコイン(ZPG)は、金の価格に連動するよう設計された暗号資産(仮想通貨)です。地金やコインを買う代わりに、金1グラム分を1枚として暗号資産の口座で持てる銘柄で、2022年2月に発行が始まりました。この記事では、価格が金に連動する仕組みと、買う前に知っておきたい注意点を、公式資料と公的な統計をもとに解説します。
執筆:CoinTradeコラム編集部
※本記事は2026年8月3日時点の情報であり、今後の法改正等により相違が生じることがあります。
ジパングコイン(ZPG)とは何か
金の価格に連動する仕組み
1ZPGの価格は、金1グラムの価格とおおむね等しくなるように設計されました。田中貴金属工業が公表する店頭小売価格は、2026年半ばに1グラムあたり2万円台で推移しており(※1)、1枚を買うのに必要な金額も、この水準になります。
この設計を支えているのは、発行体が預ける金の現物です。発行された量と同等の金を信託に寄託する仕組みになっており、裏付けを持たないまま数量が増えることはありません。
発行しているのは三井物産の子会社
ジパングコイン(ZPG)を発行しているのは、三井物産デジタルコモディティーズ株式会社です。総合商社の三井物産が100%出資して設立した会社で、2022年2月7日に発行の開始を公表しました(※2)。
実物の金を裏付けにする暗号資産では、その金を誰が保管し、誰が数量を管理しているのかが価格の信頼性に直結します。金の取引を本業として扱ってきた企業グループがこの役割を担っている点は、ジパングコイン(ZPG)の成り立ちを知る出発点になるでしょう。
銀とプラチナに連動する2銘柄
同じ発行体からは、銀とプラチナの価格に連動する2銘柄も発行されています。銀に連動するものはジパングコイン シルバー(ZPGAG)、プラチナに連動するものはジパングコイン プラチナ(ZPGPT)と呼ばれます。
現物の金や金ETFとの違い
金を資産として持つ方法には、地金やコインを買う形と、証券口座で金ETFを買う形があり、ジパングコイン(ZPG)はそこに加わった三つ目の入り口で、少額から買える点と売買できる時間の長さが特徴です。
金の買われ方にも変化が出てきており、World Gold Councilの2026年第2四半期のデータに示されています(※3)。具体的には、宝飾品の消費が前年同期比17%減の278トンまで落ち込む一方、金地金・コインの需要は同3%減の307トンでほぼ横ばいでした。ここから、装飾品として買う動きが減少するなかで、資産として保有していく動きは依然として続いていることが分かります。
| 比べる点 | ジパングコイン(ZPG) | 金の |
金ETF |
|---|---|---|---|
| 買う場所 | 暗号資産交換業者の |
地金商や |
証券会社の |
| 保管の |
口座の |
自宅または |
口座の |
| 売買で |
24時間 | 店舗の |
証券取引所の |
| 利益に |
原則と |
原則と |
上場投資信託の |
※現行の制度にもとづく整理であり、暗号資産の課税方法は今後の改正で変わる見込みです
小口で持てて保管の手間がかからない
ジパングコイン(ZPG)は、金の現物を買う場合よりも小さな金額から保有できます。具体的には、残高が小数点以下の単位で記録されるため、金の値動きに参加するのに1枚分の2万円台をまとめて用意する必要はありません。
保管は口座の記録だけで済み、現物を持つ場合の手間がかからないため、自宅に置くか貸金庫を借りるかを選ぶ必要もなく、盗難や紛失への備えも不要です。
24時間いつでも売買できる
ジパングコイン(ZPG)は、暗号資産の売買と同じ仕組みで24時間取引できます。夜間や休日でも、その場で売買の注文を出すことができ、翌営業日まで待つ必要はありません。
取引の相手方となるのは、口座を持つ暗号資産交換業者であり、販売所形式のサービスでは、提示された価格で売買する形になっています。
預けて運用できる
金ETFとの違いがはっきり出るのは、購入したあとの扱いです。国内では、購入したジパングコイン(ZPG)を一定期間預け入れて、報酬を受け取れるレンディングというサービスが提供されています。
金ETFや金の現物は、利息や配当を生まない資産のため、利益の源は値上がりによる差益だけでした。一方、ジパングコイン(ZPG)の場合、値上がり以外にも運用報酬を受け取ることができるので、新たな選択肢であると言えます。
金の価格を動かしている要因
ジパングコイン(ZPG)の値動きは、金の価格に連動していますが、金の価格を動かす材料は複数あり、買い支える力と押し下げる力が同時に働いています。2026年第2四半期は、その両方が同時に現れており、中央銀行が金を買い増した同じ四半期に、金ETFからは45トンの流出が記録されました(※3)。
中央銀行の買いという構造的な需要
金を買い続けている主体のうち、規模が大きいのが各国の中央銀行です。World Gold Councilの2026年第2四半期のデータでは、中央銀行の金需要が289トンとなり、前年同期比で62%増えました(※3)。
同じ四半期に世界で動いた金は、OTC取引を含めて1,269トンであり、中央銀行はこのうちおよそ2割を買った計算になります。買っているのが外貨準備を運用する主体である点で、値動きを追って売り買いする資金とは需要の性質が違うと評価できるでしょう。
買い増す姿勢は、先行きの見通しにも表れており、同団体が2026年6月に公表した中央銀行への調査に示されています。過去最高の45%が今後12か月で自国の金保有を増やすと答え、89%が世界全体の公的な金準備は増えると見ています(※4)。
金利・ドル・為替の動きが与える影響
一方、金の価格を押し下げる方向に働く材料も少なくありません。代表的なのが金利で、金は持っているだけでは利息を生まないため、預金や債券の利回りが上がると金の相対的な魅力が薄れます。また、金は国際的にドル建てで取引されるため、ドルが上昇するとドル建ての金価格には下押しの圧力がかかったり、円建てで持つ場合はドル円の為替レートにも影響されたりします。
購入前に押さえておきたいリスク
ジパングコイン(ZPG)には、ほかの暗号資産と扱いが異なる点が二つあります。
取り扱う事業者が限られる
ジパングコイン(ZPG)を売買できるのは、国内の登録業者の一部にとどまります。金融庁が公表する暗号資産交換業者登録一覧では、2026年6月30日現在で26社が登録されており(※5)、このうちZPG系の3銘柄を扱っているのは、限られた事業者にすぎません。
発行体と信託の仕組みに依存する
ジパングコイン(ZPG)の価値は、発行された量と同等の金が信託に寄託され、その運用が続くことで金価格との連動が保たれるという構造上、発行体と信託の仕組みによって支えられています。運営主体を持たない銘柄とは、この点で構造が異なっており、ビットコインは特定の企業や機関が管理していないため、発行体の経営状況が価値に影響する余地がありません。ジパングコイン(ZPG)は、発行体と信託が機能し続けることを前提にした設計になっています。
金の価格は為替や金利の動きを受けて変動するため、ジパングコイン(ZPG)の円建て価格が購入した金額を下回ることもあります。購入する金額は、当面使う予定のない余裕資金の範囲で決めてください。
2026年に起きた仕組みと制度の変化
2026年のジパングコイン(ZPG)には、二つの変化がありました。
複数のブロックチェーンへの展開が始まった
ジパングコイン(ZPG)のマルチチェーン展開は、2026年4月17日に発表されました。2022年2月の発行開始から、ZPGはbitFlyer Blockchainが開発したプライベートブロックチェーン「miyabi」の上だけで管理されてきました。
展開の第一弾となったのは、イーサリアムのレイヤー2であるOPメインネットで、以後はソラナへの拡大も予定されています(※6)。パブリック型のチェーンで発行された銘柄の取引は、同年4月20日から国内で始まりました。
適用される法律と税金の扱いが見直される
2026年7月15日、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律が成立しました(※7)。これにより、暗号資産の取引に適用される法律が、資金決済法から金融商品取引法へ移ることになります。施行は2027年度が見込まれており、細かい要件は今後定められる予定です。
税金の扱いも法律の改正まで進んでおり、2026年3月31日に所得税法等の一部を改正する法律が公布されました(※7)。国内の登録業者を通じた特定の暗号資産の譲渡益を申告分離課税とする枠組みが組み込まれています。適用が始まるのは金融商品取引法の改正法が施行された年の翌年と定められているため、もし2027年中に施行されれば、2028年からの適用になります。
ジパングコイン(ZPG)の買い方
ジパングコイン(ZPG)は、取り扱いのある国内の暗号資産交換業者に口座を開けば購入できます。
CoinTradeでジパングコイン(ZPG)を購入する
CoinTradeは、ジパングコイン(ZPG)を取り扱う国内の暗号資産販売所です。口座開設の申し込みから本人確認、日本円の入金、購入まで、必要な操作はスマートフォンのアプリだけで進みます。購入は小数点以下の数量から指定できるため、1枚分の金額は必ずしも必要ありません。
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1
口座開設を申し込む
アプリから新規登録し、パスワードとSMS認証を設定して交付書面に同意します
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2
本人確認を済ませる
マイナンバーカード等のICチップをスマートフォンで読み取り、基本情報を入力して審査を待ちます
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3
日本円を入金する
指定された口座へ振り込み、購入に使う残高を用意します
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4
ジパングコイン(ZPG)を購入する
売買画面でZPGを選び、購入する金額を指定して注文します
購入した後にレンディングで運用する
CoinTradeでは、購入したジパングコイン(ZPG)をレンディングに申し込むことで、月に1回運用報酬を獲得できます。ただし運用している間は、売却や送付ができなくなるため、注意が必要です。2026年8月時点でZPG・ZPGAG・ZPGPTの3銘柄が対象となっているため、詳細はサービスページをご確認ください。
よくある質問
Qジパングコイン(ZPG)とビットコインは何が違うのですか?
ジパングコイン(ZPG)は金の価格に連動するよう設計され、発行された量と同等の金が信託に寄託されています。一方、ビットコインには裏付けとなる資産がなく、運営する主体も存在しません。
Qジパングコイン(ZPG)は保有しているだけで数量が増えることがありますか?
保有しているだけでは、数量は増えないため、金の現物と同様に、値上がりによる差益が利益の源になります。CoinTradeのレンディングに申し込んだ場合は、預けた数量に応じた運用報酬を受け取ることができます。
Qジパングコイン(ZPG)を口座の外へ送ることはできますか?
CoinTradeでは、ZPG・ZPGAG・ZPGPTの3銘柄について、外部への送付と外部からの受取に対応していません。購入から売却まで、口座の中で完結する扱いになります。
Qジパングコインシルバーやプラチナとは何が違うのですか?
連動する金属が違います。銀に連動するのがジパングコイン シルバー(ZPGAG)、プラチナに連動するのがジパングコイン プラチナ(ZPGPT)で、発行体は3銘柄とも同じです。
Qジパングコイン(ZPG)の利益にはどのような税金がかかりますか?
現行の制度では、売却して得た利益は原則として雑所得に区分され、給与などほかの所得と合算して課税されます。一方、2026年3月31日に公布された所得税法等の一部を改正する法律で、申告分離課税とする枠組みと20.315%の税率が定められました。適用の開始は金融商品取引法の改正法の施行の翌年からで、2028年からと見込まれています。
まとめ
- 1ZPGが金1グラム分にあたる設計の暗号資産で、発行体は三井物産の100%子会社、裏付けは信託に寄託された同量の金
- 現物の金より小口で持てて保管の手間がなく24時間売買でき、金ETFにはない預けて報酬を受け取る選択肢もある
- 価格を動かすのは、四半期の総需要のおよそ2割を占める中央銀行の買いと、金利・ドル・為替の動き
- 取り扱う業者は国内の登録26社のうち一部にとどまり、価値は発行体と信託の仕組みに支えられている
- 2026年4月にOPメインネットへの展開が始まり、適用される法律は金融商品取引法へ、税制は申告分離課税へ移る見込み
- CoinTradeならアプリだけで口座開設から購入まで進み、購入後はレンディングで月1回の運用報酬も受け取れる
※1 田中貴金属工業が公表する金の店頭小売価格(税込)。2026年半ばの水準にもとづく ※2 三井物産デジタルコモディティーズ株式会社プレスリリース(2022年2月7日) ※3 World Gold Council「ゴールド・デマンド・トレンド 2026年第2四半期」(2026年7月30日公表) ※4 World Gold Council「Central Bank Gold Reserves Survey 2026」(2026年6月16日公表。調査期間は2026年2月5日から5月19日、76の中央銀行が回答) ※5 金融庁「暗号資産交換業者登録一覧」(2026年6月30日現在) ※6 三井物産デジタルコモディティーズ株式会社「ジパングコインのマルチチェーン展開を開始」(2026年4月17日発表) ※7 金融庁「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」(2026年7月15日成立)、および「所得税法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第12号・2026年3月31日公布)