ビットコイン(BTC)のニュースの中で「ビットコインキャッシュ」という名前を目にし、何が違うのか気になった方も多いのではないでしょうか。本記事では、ビットコインキャッシュの誕生の背景や仕組み、ビットコインとの違いから、購入方法や将来性まで、わかりやすく解説します。
執筆:CoinTradeコラム編集部
※本記事は2026年8月14日時点の情報であり、今後の法改正等により相違が生じることがあります。
ビットコインキャッシュ(BCH)とは
ビットコインキャッシュの基本情報
ビットコインキャッシュ(BCH)は、ビットコイン(BTC)からのハードフォークによって誕生した暗号資産です。誕生当初はBCCという表記も使われていましたが、現在はBCHという表記に統一されています。暗号方式(SHA-256)や発行上限、承認方式(Proof of Work)はビットコインから引き継いでいますが、決済手段としての利用を志向し、ブロックサイズを拡大することで処理能力を高めている点が、ビットコインとの主な相違点です。
誕生の経緯
2017年当時、ビットコインは利用増加に伴い1MBのブロックサイズでは取引を捌ききれず、送金の遅延や手数料の高騰が発生していました。この問題への対応として採用されたのが、ブロックサイズを変えずに処理を効率化する方針です。しかし、ブロックサイズの上限そのものを引き上げるべきだと考えるコミュニティの一部はこの方針に反発し、2017年8月1日にビットコインキャッシュが誕生しました。誕生時のブロックサイズは8MBであり、ビットコインの1MBに比べて大幅に拡大されています。
ビットコインとの違い
ブロックサイズと処理速度の違い
ビットコインのブロックサイズは1MBで固定されているのに対し、ビットコインキャッシュは誕生時点で8MBに設定されていました。また、2018年5月16日のアップグレードでは、ブロックサイズの上限が32MBまで拡大されています。さらに、2024年5月のアップグレードでは、ABLA(Adaptive Blocksize Limit Algorithm)という仕組みが導入されました。これは、32MBを基準に、ネットワークの実需要に応じて上限が自動調整される仕組みです(※1)。ブロックサイズが大きいほど1回のブロックで処理できる取引数が増えるため、混雑による遅延は起こりにくくなると考えられています。
手数料・送金スピードの違い
ブロック生成間隔の目標はビットコインと同じ約10分で、この点はビットコインキャッシュも変わりません。違いが出るのはブロックの空き容量であり、余裕があるぶん取引が集中しても滞留しにくく、承認までの遅延が起こりにくいと言われています。また、手数料は取引の需給によって決まる仕組みのため、ブロックの空き容量が大きいビットコインキャッシュは相対的に低コストになりやすいでしょう。こうした特性から、ビットコインキャッシュは少額決済や送金用途に向いた設計と言えます。
| 項目 | ビットコイン(BTC) | ビットコインキャッシュ(BCH) |
|---|---|---|
| ブロックサイズ上限 | 1MB | 32MB(2024年5月以降は |
| ブロック生成間隔の |
約10分 | 約10分 |
| 発行上限 | 2,100万枚 | 2,100万枚 |
| 主なユースケース | 価値の |
決済 |
ビットコインキャッシュの特徴
発行上限とマイニング方式
ビットコインキャッシュは、ビットコインと同じくProof of Work(PoW、SHA-256)による承認方式を採用しており、発行上限は2,100万枚に設定されています。誕生当初はEDA(緊急難易度調整アルゴリズム)と呼ばれる仕組みでマイニング難易度を調整していましたが、ハッシュパワーの移動によって難易度変動が不安定になりやすいという課題がありました。この課題を受け、2020年11月15日のハードフォークでASERTという難易度調整アルゴリズムに置き換えられ、ブロック生成間隔の安定性が改善されています(※2)。
半減期による供給量の調整
ビットコインキャッシュには、ビットコインと同様に約4年に1度のペースで新規発行量が半減する仕組み、半減期が設定されています。初回の半減期は2020年4月8日で、マイニング報酬は12.5BCHから6.25BCHへ半減しました。2度目の半減期は2024年4月4日、ブロック高840,000のタイミングで、マイニング報酬は6.25BCHから3.125BCHへ半減しています(※3)。
CashTokensによる機能拡張
2023年5月のアップグレードでは、CashTokensという機能が導入され、ビットコインキャッシュのブロックチェーン上で独自のNFTの発行が可能になりました(※4)。これにより、決済通貨としての用途に加え、DeFiやNFTなどのアプリケーション開発の土台としての側面も持つようになったと言えるでしょう。
ビットコインキャッシュのメリット・デメリット
少額決済・海外送金のしやすさ
ブロックサイズが大きく手数料が低コストに抑えられやすいため、少額の決済や海外送金に使いやすいと考えられます。送金の遅延が起こりにくく、決済用途での実用性を重視した設計になっていることに加え、CashTokensの導入によって送金以外の用途にも対応の幅が広がりました。手数料は取引量に応じて変動する仕組みであるため、少額決済では相対的な負担が小さくなりやすいと言えます。
流動性やハッシュレートの課題
2026年8月時点で、ビットコインキャッシュの時価総額ランキングは18位、時価総額は約41.4億ドルです(※5)。半減期到来時点のランキングは2020年が5位、2024年が15位で、緩やかに順位を下げてきました(※3)。ビットコインと比較すると、時価総額やハッシュレート(マイニングの計算能力)の規模は小さく、市場規模が相対的に小さいぶん値動きの変動幅が大きくなりやすいと考えられます。また、取引量が少ない局面では、大口の売買によって価格が動きやすくなる可能性もあるため、注意が必要です。
他通貨との混同に注意
ビットコインキャッシュは、ブロックサイズの拡大方針を巡って開発方針が対立し、さらなる分岐を経験しました。両陣営のマイナーがハッシュパワーを競う「ハッシュ戦争」と呼ばれる事態にまで発展した末、2018年11月15日にBitcoin ABC陣営とBitcoin SV陣営が分かれています(※6)。この分岐により、Bitcoin ABC陣営はそのままビットコインキャッシュ(BCH)として存続し、対立したBitcoin SV陣営はビットコインSV(BSV)という別の暗号資産になりました。ビットコインキャッシュとビットコインSV(BSV)は名称が似ているため、購入や送付の際に取り違えないよう注意してください。
ビットコインキャッシュの価格動向
直近の価格水準と過去との比較
2026年8月時点で、ビットコインキャッシュの価格は1BCHあたり200ドル台、日本円で3万円台前半で推移しています(※5)。史上最高値は2017年12月に記録した4,355.62ドルで、現在の水準はそこから大幅に下落している状態です(※5)。
価格に影響する要因
ビットコインキャッシュの流通供給量は約2,007万BCHで、発行上限2,100万枚に対して95.59%まで発行が進んでいます(※5)。半減期による新規供給の減少や、CashTokensによる用途拡大は、需給面から価格に影響しうる要因として挙げられます。また、暗号資産市場全体の値動きやビットコイン本体の相場動向、国内外の規制動向や取引所の対応状況も、ビットコインキャッシュの価格に影響を与える要因の一つです。
ビットコインキャッシュの将来性
決済通貨としての普及可能性
ブロックサイズの拡大とABLAによる自動調整の仕組みにより、取引量が増えても手数料や処理速度を維持しやすい設計です。CashTokensの導入によって、決済用途に加えてDeFiやNFTなど新たな用途の開発も進められています。こうした低コストな送金の特性は、少額決済や海外送金の分野で活用の余地があるでしょう。銀行を介さずに資金をやり取りできる点は、送金インフラが十分でない場面での活用にもつながる可能性があります。
今後の課題とリスク
2026年8月時点の時価総額ランキングは18位で、上位の暗号資産と比べると市場規模はまだ大きくありません(※5)。決済分野では他の暗号資産やブロックチェーンとの競合が存在し、利用拡大にはユースケースの広がりが鍵になると考えられます。また、暗号資産市場全体のボラティリティの影響を受けやすく、価格変動リスクを踏まえた判断が必要です。CashTokensのエコシステムが実際の利用にどこまで結びつくかも、今後の注目点になります。
ビットコインキャッシュの購入方法
暗号資産交換所での一般的な購入の流れ
ビットコインキャッシュは、国内の暗号資産交換業者を通じて購入できます。一般的な流れは、口座開設、本人確認、日本円の入金、数量や価格を指定した注文という順序です。取扱銘柄や手数料体系、対応するウォレット機能は事業者によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
購入タイミングに迷う人でも続けやすい積立
価格の先行きを見極めて売買のタイミングを判断するのは難しく、購入のタイミングに迷う人も多いはずです。そんな場合でも、一定額を定期的に買い付けていく積立という方法を使えば、都度タイミングを判断しなくても取引を続けられます。
CoinTradeの積立では、最低500円から、毎日または毎月(5日・15日・25日)の頻度を選んで設定できます。
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1
アプリから口座開設を申し込む
CoinTradeの公式アプリをダウンロードし、案内に沿って新規登録の手続きを行う。
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2
本人確認を行う
マイナンバーカードなどのICチップをスマートフォンで読み取り、必要事項を入力する。
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3
日本円を入金する
指定された口座への振込により、積立の原資となる残高を用意する。
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4
積立を設定する
1回当たりの積立金額、積立頻度(毎日、毎月)を選べば、以降は自動で買い付けが続く。
よくある質問
QBCHとBCCという表記の違いは何ですか?
ビットコインキャッシュは、誕生した当初は取引所によってBCCという表記が使われることもありました。現在はBCHという表記に統一されており、BCCという表記を見かける場合も同じ銘柄を指していると考えて差し支えありません。
Qビットコインキャッシュはどの暗号資産ウォレットで保管できますか?
ビットコインキャッシュはビットコインと同じUTXOモデルを採用しているため、BCHに対応したソフトウェアウォレットやハードウェアウォレットで保管できます。暗号資産交換業者のアプリ内にあるウォレット機能を利用する方法も一般的です。
Qビットコインキャッシュは個人でもマイニングに参加できますか?
ビットコインキャッシュはビットコインと同じProof of Work方式のため、仕組みのうえでは個人でもマイニングに参加できます。ただし現在は大規模なマイニング設備を持つ事業者同士の競争が中心になっており、個人が一台の機材だけで利益を得るのは難しいのが実情です。
QビットコインキャッシュとビットコインSV(BSV)は具体的に何が違いますか?
両者はもともと同じビットコインキャッシュのコミュニティに属していましたが、2018年11月にブロックサイズの拡大方針を巡って意見が対立し、分岐しました。Bitcoin ABC陣営がそのままビットコインキャッシュ(BCH)として存続し、対立したBitcoin SV陣営はビットコインSV(BSV)という別の暗号資産になっています。
Qビットコインキャッシュの送金にはどのくらい時間がかかりますか?
ブロック生成間隔の目標はビットコインと同じ約10分で、この点自体に違いはありません。ビットコインキャッシュはブロックサイズが大きく空き容量に余裕があるため、取引が混み合う場面でも承認までの待ち時間が発生しにくいと考えられます。
まとめ
- ビットコインキャッシュ(BCH)は2017年8月にビットコインからハードフォークして誕生した暗号資産である
- ブロックサイズの拡大とABLAによる自動調整により、決済・少額送金に適した処理能力を志向する設計である
- 発行上限2,100万枚・Proof of Workによる承認・約4年ごとの半減期という基本スペックはビットコインを踏襲している
- CashTokensの導入により、決済用途に加えてDeFiやNFTなど機能面での拡張が進行中である
- 2018年11月の分岐で誕生したビットコインSV(BSV)との混同に注意が必要である
- 購入は国内の暗号資産交換業者を通じて可能であり、積立を使えば購入タイミングを判断しなくても取引を続けられる
※1 bitjson「Bitcoin Cash Upgrade 2024」 ※2 Coincheck Tech Blog「Bitcoin Cashの定期ハードフォーク(2020-11-15)の解説」(二次情報) ※3 CoinPost「ビットコインキャッシュ、2度目の半減期完了」 ※4 bitjson「Bitcoin Cash Upgrade 2023」 ※5 CoinMarketCap「Bitcoin Cash」(2026年8月14日確認) ※6 Impress Watch「星暁雄のブロックチェーン界隈ざっくり見て歩き:ハッシュのダンス」