暗号資産は「売らなければ税金はかからない」と思われがちですが、実際には他の暗号資産との交換や決済利用、報酬の受け取りなど、日本円に換えていなくても課税対象になる場面があります。本記事では、税金がかかるタイミングを一覧表で整理したうえで、「持っているだけ」「含み益」の状態ではなぜ課税されないのかを明確にし、CoinTradeの操作のどこが課税対象になるかまで解説します。
執筆:CoinTradeコラム編集部
※本記事は2026年9月1日時点の情報であり、今後の法改正等により相違が生じることがあります。
暗号資産の税金はいつかかる?パターン別の早見表
課税対象かどうかが一目でわかる早見表
暗号資産の税金は、日常のさまざまな操作や状態のうち、どれが課税対象になるのかがわかりにくいという声が多く聞かれます。課税されるかどうかの分かれ目は、その操作によって利益が「実現」したかどうかにあります。
具体的には、売却や交換、決済への利用、報酬の受け取りは課税対象になりますが、保有を続けていて含み益が出ている状態や自分名義の別のウォレットや取引所への移動は、課税対象になりません。代表的な操作・状態を、次の表にまとめました。
| 操作 |
課税対象か |
|---|---|
| 暗号資産を |
課税対象 |
| 他の |
課税対象 |
| 商品や |
課税対象 |
| ステーキングや |
課税対象 |
| マイニングで |
課税対象 |
| エアドロップなどで |
課税対象 |
| 日本円で |
課税対象で |
| 暗号資産を |
課税対象で |
| 自分名義の |
課税対象で |
※贈与でもらった場合は、暗号資産の値上がり益にかかる所得税ではなく、贈与税の対象になる。
課税される代表的な4つのタイミング
ここでは、課税される代表的な4つのタイミングを解説します。
暗号資産を売却して日本円にしたとき
保有する暗号資産を売却して日本円に換えると、売却額から取得価額と手数料を差し引いた金額が、その時点で利益として確定します。
この利益は雑所得に区分され、給与所得など他の所得と合算したうえで税額を計算する総合課税の対象になります。税率は所得税5%から45%までの累進税率に、住民税10%を加えた15%から55%です。
他の暗号資産と交換したとき
保有する暗号資産を別の暗号資産と交換した場合、いったん日本円に売却してから買い直したのと同じ扱いになり、交換した時点の時価と取得価額との差額が所得として計算されます。
交換によって新しく手に入れた暗号資産の取得価額は、交換した時点の時価が基準です。また、交換に手数料がかかった場合は、その手数料を取得価額に含めて計算します。
商品やサービスの決済に使ったとき
暗号資産を使って商品やサービスの代金を支払った場合、使用した時点の時価と取得価額との差額が所得として課税対象になります。
暗号資産をいったん売却して日本円で支払ったのと同じ扱いであり、少額の決済であっても、その都度の損益計算が必要になります。
報酬として受け取ったとき
ステーキングやレンディング、マイニング、エアドロップなどで得た報酬は、受け取った時点の時価で所得が計上されます。 日本円に換金していなくても、受け取った時点で課税される点に注意が必要です。
ステーキング報酬の詳しい計算方法や受取タイミングの実務については、「ステーキングの税金完全ガイド」で解説しています。
売却・交換・決済・報酬受取のいずれも、その時点の時価と取得価額との差額が所得として計算されるという考え方は共通しています。
持っているだけの「含み益」は課税されない
含み益(評価益)はまだ「所得」ではない
時価が上がって含み益(評価益)が出ている状態は、あくまで評価上のプラスにすぎないため、実際に売却や交換をして利益を確定させるまでは、所得として扱われません。 含み損が出ている場合も同じ考え方で、確定(売却・交換)するまで所得の計算には反映されないという扱いです。また、実現した損失であっても、通算できるのは雑所得区分内にある他の暗号資産の利益などに限られます。
国税庁の資料によれば、損益通算が認められるのは不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の4種類のみとされ、雑所得はこれに含まれません。そのため、給与所得など他の所得区分とは通算できない点に注意が必要です。
別のウォレット・取引所への移動も課税対象にならない
自分名義の別のウォレットや別の取引所へ資産を移すだけの操作は、譲渡や交換にはあたらないため、移動そのものによって課税対象となる所得が発生することはありません。
また、移動によって取得価額が変わることもなく、取得時期と取得価額は移動前のまま引き継がれます。ただし、これは送金先が自分名義であることが前提で、第三者への送金は別の扱いになります。
CoinTradeの機能でみる、課税対象になるもの・ならないもの
ここからは、CoinTradeの機能ごとに課税対象かどうかを整理します。
「売却」は課税対象、「購入」「積立」は対象外
CoinTradeのアプリで暗号資産を売却する操作は、日本円に換金した時点で利益が確定するため課税対象になります。一方、購入や積立機能による自動買付は、資産を取得するだけで利益が発生しないため、課税対象になりません。
ステーキング・レンディングの報酬受取は課税対象
CoinTradeでは、ステーキングやレンディングといった運用サービスに対応していますが、報酬を受け取った時点で課税対象になります。 日本円に換金していなくても、受け取った時点で課税されるため、ご注意ください。
送金・入金は課税対象にならない
自分名義の別のウォレットや取引所へ送金する操作、外部から入金する操作は、いずれも資産の移動にすぎないため課税対象になりません。ただし、送金先が家族や友人などの第三者の場合は贈与にあたり、贈与税の対象になりえます。
| 機能 | 課税対象か |
|---|---|
| 購入 | 課税対象で |
| 売却 | 課税対象 |
| 送金 | 課税対象で |
| 入金 | 課税対象で |
| ステーキング | 課税対象 |
| レンディング | 課税対象 |
| 積立 | 課税対象で |
課税タイミングを正しく記録しておくには
取引のたびに日時・レート・数量を記録しておく
売却・交換・決済・報酬受取のたびに、取引日時とその時点のレート(時価)、数量を記録しておくと安心です。 取引所が発行する年間取引報告書や、取引履歴のダウンロード機能を活用すれば、記録の手間を減らせます。
記録が不十分だと、確定申告時の所得計算がやり直しになる場合があるため注意が必要です。また、税務調査で取引の経緯を説明する際にも、これらの記録が根拠資料になります。
確定申告が必要かどうかは別途判断する
課税対象になる所得が発生した場合、確定申告が必要になるかどうかは別途判断する必要があります。例えば会社員の場合、暗号資産を含む雑所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になります。
個人事業主やフリーランス、扶養親族などは基準が異なります。詳しい要否判定の条件は「暗号資産(仮想通貨)の税金、確定申告が必要なケースとは?」をご確認ください。
よくある質問
Q暗号資産を保有しているだけでも税金はかかりますか?
暗号資産の税金は、売却・交換・決済・報酬受取のいずれかを行って利益が実現した時点で発生します。購入した後に一切売買や交換をせず保有し続けているだけでは、課税対象となる所得は発生しません。
Q含み益が出ている状態でも確定申告が必要ですか?
含み益(評価益)はまだ所得として扱われないため、その状態だけでは確定申告の対象になりません。実際に売却や交換をして利益を確定させた場合に、初めて所得として計算されます。
Q暗号資産同士を交換した場合も課税されますか?
課税対象になります。暗号資産同士の交換は、いったん日本円に売却してから買い直したのと同じ扱いになり、交換した時点の時価と取得価額との差額が所得として計算されます。
Qステーキング報酬を受け取ったときの税金はどう計算しますか?
ステーキング報酬は、受け取った時点の時価で所得が計上されます。日本円に換金していなくても、受け取った時点で課税関係が発生します。具体的な計算方法は、「ステーキングの税金完全ガイド」をご確認ください。
QCoinTradeで売却した場合、いつの時点のレートで課税額が決まりますか?
売却した時点の時価と取得価額との差額が、その時点の所得として計算されます。売却後に日本円をいつ出金するかは、課税額の計算に影響しません。
まとめ
- 暗号資産の税金がかかるのは、売却・交換・決済・報酬受取のいずれかで利益が実現した時点である
- 保有を続けているだけ、含み益が出ているだけでは課税されない
- 雑所得内での損益通算は可能だが、給与所得など他の所得区分とは通算できない
- CoinTradeでは「売却」「ステーキング」「レンディング」の受取が課税対象、「購入」「積立」「送金」「入金」は対象外である
- 課税タイミングごとの日時・レート・数量の記録が、申告時の負担軽減に役立つ