暗号資産のマイニングとは、ブロックチェーン上の取引を検証・記録する作業のことです。仕組みを理解することは、暗号資産の本質を知る第一歩になります。本記事では、マイニングの仕組みからPoW・PoSの違い、個人の参入可能性、そして代替手段となるステーキングまでわかりやすく解説します。
執筆:CoinTradeコラム編集部
※本記事は2026年5月26日時点の情報であり、今後の法改正等により相違が生じることがあります。
マイニングとは何か
マイニング(mining)とは、暗号資産のネットワーク上で発生した取引を検証・承認し、その結果をブロックチェーンに記録する作業のことです。英語で「採掘」を意味するこの言葉は、地中から鉱物を掘り出す採掘作業になぞらえたものです。作業の報酬として新たに発行された暗号資産を受け取れる点が、金を掘り当てる採掘と共通しています。
世界中のコンピューターがネットワークに参加し、取引データを検証・ブロックに格納・チェーンに連結するという一連の流れを担います。この役割を担う参加者を「マイナー」と呼びます。
マイニングは「取引の承認作業+ブロックチェーンの維持」を担う仕組みです。マイナーは承認作業の報酬として、新たに発行された暗号資産を受け取ります。
マイニングが必要な理由
円やドルのような法定通貨には、発行・管理を担う中央銀行が存在します。しかし暗号資産には特定の管理主体がなく、世界中の参加者が分散してネットワークを維持しています。
この分散型の仕組みでは、誰かが取引を検証・記録する役割を担わなければ、二重払いや改ざんが起きてしまいます。その役割を担うのがマイナーであり、マイニングという仕組みが暗号資産の信頼性を支えています。
暗号資産の基礎的な仕組みについては、暗号資産の仕組みを分かりやすく解説もあわせてご参照ください。
マイニングの仕組みをわかりやすく解説
マイニングを理解するには「ブロックチェーン」と「ハッシュ関数」という2つの概念が重要です。
ブロックチェーンとは、取引履歴をブロックとしてまとめ、鎖のようにつなげた分散型の台帳です。各ブロックには前のブロックの情報が含まれるため、一度記録した内容を改ざんすることが極めて困難な構造になっています。
マイナーは新しいブロックを作成する際、「特定の条件を満たす数値(ノンス)」を膨大な計算によって探し当てます。最初に正解を見つけたマイナーが新しいブロックを追加する権利を得て、報酬を受け取る仕組みです。
PoW(プルーフオブワーク)とは
PoW(Proof of Work)は、大量の計算作業を行うことで取引を承認する仕組みです。ビットコイン(BTC)をはじめ、ライトコインなどが採用しています。計算量が多いほど不正が難しくなるため、セキュリティが高い反面、消費電力が非常に大きいという課題があります。
PoS(プルーフオブステーク)とは
PoS(Proof of Stake)は、保有する暗号資産の量を担保として預けることで、取引の承認に参加できる仕組みです。イーサリアム(ETH)が2022年9月15日にPoWからPoSへ移行(「ザ・マージ」)したことで広く知られるようになりました。計算競争が不要なため消費電力が大幅に少なく、イーサリアム財団の試算ではPoW比で約99.95%の電力削減効果があるとされています。環境負荷の小ささからPoS採用ネットワークは今後も拡大すると見られています。
マイニングの種類
マイニングには大きく3つの方法があります。それぞれの特徴を比較してみましょう。
| 種類 | 概要 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| ソロマイニング | 個人で単独の機器を使い行う | 報酬をすべて自分で受け取れる | 報酬を得られる確率が低く、収益が不安定 |
| プールマイニング | 複数のマイナーが計算力を合わせて行う | 安定した報酬が期待できる | 報酬を参加者で分配するため取り分が少ない |
| クラウドマイニング | 事業者のマシンを借りて行う | 機器を用意せず参加できる | サービス手数料が高く、詐欺リスクもある |
個人でマイニングはできる?現実とハードル
技術的には個人でのマイニングは可能です。しかし現状、特にビットコインのPoWマイニングは、大規模事業者が巨大な専用施設を持ち参入しているため、個人が収益を得るのは容易ではありません。
個人がビットコインのマイニングを始める場合、ASIC(専用演算機器)の購入費用に数十万〜数百万円かかることがあります。また24時間稼働による電気代も大きく、採算が取れないケースが多い点に注意が必要です。難易度は参加者の増加とともに自動的に上昇する仕組みになっており、年々収益化が難しくなっています。さらに2024年4月の半減期でマイニング報酬は1ブロックあたり3.125 BTCに半減しており、収益性はいっそう低下しています。
クラウドマイニングサービスを利用する方法もありますが、悪質な事業者による詐欺被害も報告されています。日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)などの情報も参考にしながら、十分に注意して検討することをおすすめします。
マイニングとステーキングの違い
マイニングの代替手段として注目されているのがステーキングです。両者の違いを整理しておきましょう。
| 項目 | マイニング(PoW) | ステーキング(PoS) |
|---|---|---|
| 必要なもの | 専用機器(ASIC・GPU) | 暗号資産の保有 |
| 消費電力 | 非常に大きい | 少ない |
| 参入難易度 | 高い(設備投資が必要) | 比較的低い |
| 報酬の安定性 | 低い(競争に左右される) | 比較的安定している |
| 代表的な通貨 | ビットコイン(BTC) | イーサリアム(ETH)・SOLなど |
ステーキングは、保有する暗号資産をネットワークに預けることで報酬を得る仕組みです。専用機器が不要で、個人でも参加しやすいのが大きな特徴です。ステーキングの仕組みについて詳しく知りたい方は、ステーキングとは(解説ページ)をご覧ください。
CoinTradeのステーキング機能「CoinTrade Stake」は、ETH・SOLなど15銘柄に対応しており、最大年率13.5%※1 での運用が可能です。無料口座開設はこちら。
マイニング報酬と税金の扱い
マイニングによって得た報酬は、受け取った時点の時価が所得として認識されます。給与所得などと合算して課税される「雑所得」に分類されるため、一定の金額を超えると確定申告が必要になります。
マイニング報酬は受け取った時点の時価を所得として計上します。また、マイニング機器の購入費用や電気代は必要経費として控除できる場合があります。詳細は国税庁の暗号資産に関するFAQを必ずご確認ください。
暗号資産の税金については確定申告が必要なケースを解説した記事もあわせてご参照ください。
よくある質問
Qマイニングとステーキングはどう違うの?
マイニング(主にPoW)は大量の計算処理を行って取引を承認する仕組みで、高性能な専用機器と大きな電力コストが必要です。一方、ステーキング(PoS)は保有する暗号資産をネットワークに預けることで承認に参加し、報酬を得る仕組みです。消費電力が少なく、個人でも参加しやすい点が大きな違いです。ステーキングの詳細はステーキングのメリット・デメリットを徹底解説もご参照ください。
Q個人でもマイニングを始められますか?
技術的には可能ですが、現実的には難しい状況です。特にビットコインのマイニングは大規模な専用機器(ASIC)と大量の電力が必要で、現在は大規模事業者が主流となっています。個人が単独でマイニングに参加しても収益を得るのは容易ではありません。クラウドマイニングを利用する方法もありますが、詐欺的なサービスも存在するため十分な注意が必要です。
Qマイニング報酬には税金がかかりますか?
はい、かかります。マイニング報酬は受け取った時点の時価が「雑所得」として課税対象となります。給与所得など他の所得と合算して総合課税されるため、確定申告が必要になる場合があります。詳細は国税庁のウェブサイトをご確認ください。
Qイーサリアムのマイニングは今でもできますか?
イーサリアム(ETH)は2022年9月15日に合意形成方式をPoW(マイニング)からPoS(ステーキング)へ移行しました(「ザ・マージ」と呼ばれる大型アップデート)。そのため、現在はPoWによるイーサリアムのマイニングはできません。ETHを保有している方は、ステーキングを通じてネットワークに参加し報酬を得ることができます。ETHステーキングの詳細はイーサリアムのステーキングとは?をご覧ください。
まとめ
- マイニングとは、暗号資産の取引を検証・承認しブロックチェーンを維持する作業で、報酬として暗号資産を受け取れる仕組みです。
- PoW(計算競争)とPoS(保有量担保)の2種類があり、近年はPoSへの移行が進んでいます。
- ビットコインは2024年4月の半減期でマイニング報酬が3.125 BTCに半減し、個人のPoWマイニングは初期費用・電気代・競争激化からさらに収益化が難しくなっています。
- 個人がネットワークに参加しやすい代替手段として、ステーキングが注目されています。
- マイニング報酬・ステーキング報酬はいずれも雑所得として課税対象となるため、確定申告に注意が必要です。
※1 2026年5月26日現在。年率は変動する場合があります。最新情報はCoinTrade Stakeのサービスページをご確認ください。