この記事はこんな方におすすめ!

  • 暗号資産と金融商品取引法の関係を初めて知りたい方
  • 2027年の改正で何が変わるのか気になっている方
  • 税制(分離課税)と金商法改正のつながりを理解したい方
  • 信頼できる国内登録業者で暗号資産を始めたい方

2026年4月、政府は暗号資産(仮想通貨)を「金融商品」として位置づける金融商品取引法の改正案を閣議決定しました。これにより、規制の枠組みが資金決済法から金商法に移行し、インサイダー取引規制の新設や分離課税への移行など、投資家に大きな影響を与える変化が見込まれています。この記事では、改正の背景から投資家への影響まで、初心者にもわかりやすく解説します。

執筆:CoinTradeコラム編集部

目次

    暗号資産はこれまでどんな法律で規制されてきたか

    日本で暗号資産の取引が普及し始めた2017年頃から、暗号資産は主に資金決済に関する法律(資金決済法)によって規制されてきました。

    資金決済法は、もともと電子マネーや送金サービスといった「支払い手段」を対象とした法律です。ビットコインなどの暗号資産も、当初は「決済に使える新しい手段」として同法の枠組みに収められました。

    この制度のもとで、暗号資産を取り扱う業者は金融庁への登録(暗号資産交換業の登録)が義務付けられ、利用者の財産を分別管理するルールなどが整備されました。しかし、その後の暗号資産市場の急速な拡大により、投資目的での利用が増加。資金決済法の枠組みだけでは対応しきれない課題が浮き彫りになってきたのです。

    ポイント

    暗号資産は長らく「支払い手段」として資金決済法で規制されてきました。しかし、投資対象としての利用が拡大したことで、「投資商品」として金融商品取引法に移行する改正が2026年に進められています。

    資金決済法と金融商品取引法の違いをわかりやすく比較

    この2つの法律は、規制の目的が根本的に異なります。以下の表で主な違いを整理します。

    比較項目 資金決済法(現行) 金融商品取引法(改正後)
    規制の主な目的 決済手段としての安全性確保 投資家保護・市場の公正性確保
    業者の名称 暗号資産交換業者 暗号資産取引業者(予定)
    インサイダー取引規制 なし 新設(予定)
    発行体の情報開示義務 なし(交換業者のみ義務あり) 年1回の情報開示義務(予定)
    税制(売買益) 雑所得(総合課税・最大約55%) 申告分離課税(約20.315%、2028年以降適用見込み)
    損失の繰越控除 不可 3年間の繰越控除(予定)

    金融商品取引法は、株式・債券・投資信託などの「投資商品」を対象とした法律です。インサイダー取引の禁止や情報開示の義務付けなど、市場の公正性を守る仕組みが揃っています。暗号資産がこの枠組みに移行することで、投資家保護の水準が大きく引き上げられる見込みです。

    暗号資産の仕組みや特徴については、暗号資産の仕組みをわかりやすく解説した記事もあわせてご覧ください。

    2026年の金商法改正案でどう変わるのか

    2026年4月10日、政府は「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定し、通常国会に提出しました。今国会で成立すれば、2027年度(2027年中)の施行が見込まれています。

    改正の主な柱は次の4点です。

    インサイダー取引規制とは何か

    インサイダー取引規制とは、「外部に公表される前の重要な情報を使って売買することを禁止するルール」です。株式市場ではすでに厳格に規制されていますが、暗号資産にはこれまで直接的な規制がありませんでした。

    改正後は、たとえば「暗号資産の新規上場情報」や「発行体の経営危機情報」を事前に知った関係者が公表前に売買することが禁止されます。日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)も自主規制の観点からこうした取引を問題視してきた経緯があり、今回の法制化は業界にとっても重要なステップです。

    注意

    インサイダー取引規制の違反には刑事罰(拘禁刑・罰金)と課徴金が適用される方向です。また無登録業者への拘禁刑は最大10年以下、罰金は1,000万円以下に引き上げられる予定で、罰則が大幅に強化されます。

    情報開示義務(ホワイトペーパー)とは

    改正後は、暗号資産の発行体(プロジェクト運営者など)に対して、年1回の情報開示が義務付けられる予定です。開示内容には、暗号資産の性質・機能・供給量・基盤技術などが含まれます。

    これまで投資家は、プロジェクト側が自発的に公開するホワイトペーパー(説明資料)に頼るしかなく、情報の信頼性にばらつきがありました。法律で開示が義務化されることで、投資判断に必要な情報が整備され、詐欺的なプロジェクトへの抑止効果も期待できます。

    投資家への影響:税制(分離課税)との関係

    金商法改正と同時に進んでいるのが、税制改正です。暗号資産の売買益に対する課税方式が、現行の「総合課税(雑所得)」から「申告分離課税(約20.315%)」に変わる見通しです。

    現行制度では、暗号資産の利益は給与など他の所得と合算されて課税されるため、所得が多い人ほど税率が高くなり、最大で約55%になるケースもあります。改正後は株式やFXと同様に一律約20.315%となるため、高所得者を中心に大幅な節税効果が見込まれます。

    また、損失の扱いも変わります。

    • 損益通算:その年の暗号資産取引の利益と損失を相殺できる
    • 損失繰越控除:損失を翌年以降3年間にわたって繰り越すことができる

    税制の変更タイミングは、金商法改正法の施行の翌年1月1日からとなる見込みです。改正法が2027年中に施行されれば、分離課税が実際に適用されるのは2028年1月1日以降の取引からとなります。

    税制変更の詳細については、暗号資産の分離課税をわかりやすく解説した記事もあわせてご参照ください。

    改正後は「国内登録業者」がより重要になる理由

    今回の法改正で見落とせないのが、利用する取引所の選択が税制上の有利・不利に直結するという点です。

    現時点の制度設計では、分離課税(20.315%)の適用対象となるのは、金融庁に登録された国内の暗号資産取引業者を通じた取引になる見込みです。海外の無登録業者を利用している場合、新制度の恩恵が受けられない可能性があります。

    また、無登録業者への罰則強化(拘禁刑最大10年以下・罰金1,000万円以下)が盛り込まれており、今後は無登録業者のリスクがさらに高まる可能性があります。

    ポイント

    CoinTradeは金融庁登録済みの国内暗号資産交換業者(関東財務局長00025号)として、利用者の資産を安全に管理する体制を整えています。登録業者の一覧は金融庁の暗号資産交換業者登録一覧(PDF)で確認できます。

    CoinTradeでは、ETH・SOLなど15銘柄に対応したステーキング機能「CoinTrade Stake」を提供しており、最大年率13.5%※1での運用が可能です。詳細はCoinTrade Stakeのサービスページをご確認ください。

    金商法改正のスケジュールまとめ

    現時点での主なスケジュールをまとめます。今後の国会審議の状況により変わる可能性がある点にご注意ください。

    1. 1
      2025年12月:金融審議会WG報告の公表

      金融庁の諮問機関が、暗号資産を金商法に移行させる方向性を正式に報告。

    2. 2
      2026年4月:改正法案の閣議決定・国会提出

      「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」が通常国会に提出。

    3. 3
      2027年(予定):改正法の施行

      今国会で成立すれば、2027年度に施行される見通し。業者名称も「暗号資産取引業者」に変更。

    4. 4
      2028年1月(予定):分離課税の適用開始

      改正法施行の翌年1月1日から申告分離課税(約20.315%)が適用される見込み。損失繰越控除(3年)も開始予定。

    暗号資産取引に係る規制を資金決済法から金商法に移管し、有価証券とは異なる金融商品として金商法に位置付けた上で、利用者保護の充実を図る。

    出典: 金融庁「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案 説明資料」(2026年4月)

    よくある質問

    Q金融商品取引法が適用されると、暗号資産は株と同じものになるの?

    株と「同じ」になるわけではありません。今回の改正では、暗号資産は有価証券(株・債券)とは別の「金融商品」として位置づけられます。投資家保護の枠組みは株に近づきますが、規制の詳細は暗号資産の特性に合わせた独自設計です。株と損益通算できないなど、完全に同一ではない点にご注意ください。

    Q改正前と後で、税金の計算方法はいつから変わる?

    分離課税(20.315%)の適用は、金商法改正法の施行の翌年1月1日からとなります。改正法が2027年中に施行された場合、分離課税が実際に適用されるのは2028年1月1日以降の取引からとなる見込みです。2026〜2027年中の取引は現行の総合課税(雑所得)が適用されます。

    Qインサイダー取引に違反するとどんな罰則がある?

    改正法案では、暗号資産のインサイダー取引に対して刑事罰(拘禁刑・罰金)および課徴金が適用される方向で整備が進んでいます。また、無登録業者への拘禁刑は最大10年以下、罰金は1,000万円以下に引き上げられる予定です。罰則の詳細は今後の国会審議を経て確定する予定です。

    Q今すぐ国内の登録業者で口座を作っておくべき?

    分離課税の適用対象は、金融庁に登録された国内業者(暗号資産取引業者)を通じた取引になる見込みです。海外の無登録業者経由の取引は新制度の恩恵を受けられない可能性があります。法改正後の準備期間を考えると、早めに国内登録業者での口座開設を検討しておくことをおすすめします。CoinTradeの口座開設の流れはこちらから確認できます。

    まとめ

    • 暗号資産はこれまで「支払い手段」として資金決済法で規制されてきたが、2026年の改正法案で「金融商品」として金融商品取引法に移行する方向が決まった
    • 改正の主なポイントは、インサイダー取引規制の新設・発行体への情報開示義務・無登録業者への罰則強化の3点
    • 税制面では、売買益の課税方式が総合課税(最大約55%)から申告分離課税(約20.315%)に移行し、3年間の損失繰越控除も導入される見込み(2028年1月以降の取引から適用予定)
    • 分離課税の恩恵を受けるには、金融庁登録済みの国内業者を通じた取引であることが条件になる見込み
    • スケジュールは「2026年国会審議→2027年施行→2028年分離課税適用」が目安。今後の国会審議の状況に注目が必要

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    ※1 2026年5月27日現在。年率は変動する場合があります。最新情報はCoinTrade Stakeのサービスページをご確認ください。