手元の資金が少なくても大きな金額を動かせると聞き、ビットコインのレバレッジに関心を持った方は多いでしょう。一方で、損失がどこまで膨らむのか読めず、踏み出せずにいる方もいるはずです。
この記事では、証拠金を預けて売買する仕組み、日本での倍率の上限、費用と税金、倍率をかけずに持つ方法までを整理します。読み終えるころには、自分に合った持ち方を落ち着いて選べるでしょう。
執筆:CoinTradeコラム編集部
※本記事は2026年7月29日時点の情報であり、今後の法改正等により相違が生じることがあります。
ビットコインのレバレッジ取引とは
ビットコインのレバレッジとは、暗号資産交換業者に預けた資金を担保に、その数倍の金額を売買できる仕組みです。担保にするお金は証拠金と呼ばれ、ビットコインそのものは受け取らず、売買した価格の差額だけをやり取りします。
日本の暗号資産交換業者では、個人向けの倍率の上限が2倍に制限されました。金融庁の内閣府令にもとづく規制で、2026年7月時点でもこの水準は変わっていません。業界団体からは引き上げを求める声も上がっていますが、倍率の見直しは決まっていません。なお暗号資産の規制の中心を金融商品取引法へ移す改正法は2026年7月に成立しており、制度全体は移行の段階にあります。
現物取引との違い
大きな違いは、暗号資産そのものを手元に残せるかどうかにあります。現物取引で買ったビットコインは自分の資産として口座に残り、送金や運用サービスへの預け入れにも使えます。
証拠金を使った売買で受け渡しされるのは損益の差額だけで、ビットコインは手元に残りません。そのかわり価格が下がると見込む場面では売りから入ることもでき、下落局面でも利益を狙えます。
| 比較項目 | 現物取引 | 証拠金を |
|---|---|---|
| 暗号資産の |
買った分を |
損益の |
| 国内の |
自己資金の |
個人は |
| 始める方向 | 買いから入る | 買いと |
| 持ち続けたと |
原則かからない | 日数に |
| 強制的な決済 | なし | 証拠金維持率の |
ビットコインFX・暗号資産CFDとの関係
ビットコインFXは、この証拠金を使った売買を指す呼び名です。外国為替のFXになぞらえた通称で、暗号資産CFDや暗号資産証拠金取引と呼ぶ事業者もあります。
同じ「FX」でも、外国為替との違いは小さくありません。個人向けの最大倍率は外国為替が25倍、暗号資産は2倍にとどまります。相場が土日や祝日を含めて24時間動き続ける点も、為替との違いといえるでしょう。
レバレッジをかけた取引の仕組みと費用
証拠金を預けたあとは、口座の状態が基準を満たしているかを見続けることになります。費用も、売買のたびに生じるものと持ち続けている間にかかるものの2種類に分けて押さえておくとよいでしょう。
証拠金維持率とロスカット
証拠金維持率とは、預けた証拠金がポジションの大きさに対してどれだけ余裕があるかを示す指標です。含み損が膨らむとこの数値は下がっていきます。
決められた水準を割り込むと、交換業者の判断でポジションが強制的に決済される点は避けられません。この強制決済がロスカットで、執行される水準は証拠金維持率50%から80%程度と事業者によって大きく異なります。
ロスカットより手前の水準では、追加の証拠金を求められる場合もあります。この追加分が追証で、判定の時刻と水準は事業者ごとに定められており、証拠金維持率100%を基準とするところもあります。期限までに入金できなければポジションは決済されてしまうでしょう。
レバレッジ手数料とスプレッド
ポジションを翌日に持ち越すと、1日あたり0.04%程度のレバレッジ手数料がかかる例があります。10万円分なら1日40円ほどで、売買手数料が無料でも費用はほかの形で発生するといえるでしょう。料率を固定している事業者と、変動制をとる事業者があります。
もうひとつの負担が、買値と売値の差であるスプレッドです。相場が荒れているときほど差は広がりやすく、注文した直後から含み損を抱えた状態で始まります。
レバレッジをかけるときのリスク
倍率をかけると、利益が伸びる場面だけでなく損失が広がる場面も同じだけ増えます。損失の大きさに関わるものと、時間の経過に関わるものを分けて確かめておきましょう。
損失が預けた資金を上回る可能性
2倍の倍率をかけていれば、価格が10%動くと損益はおよそ20%動きます。読みが外れたときの目減りも同じ速さで進み、少額のつもりでも証拠金維持率は想定より早く下がっていきます。
相場が急変した場面では、ロスカットが想定した価格で執行されないこともあるでしょう。その場合は預けた証拠金を超える損失が残り、不足分の入金を求められる可能性も出てきます。
生活資金や近く使う予定のお金を証拠金に充てると、相場の急変時に対応する余地がなくなります。余剰資金の範囲にとどめる考え方は、値動きのある資産に共通します。
時間の経過が負担になる理由
ポジションを持ち続けるほど、日数に応じた費用は積み上がります。数日なら小さな金額でも、数か月単位で持ち越せば無視できない水準に届くでしょう。
暗号資産の相場が24時間365日動き続ける点も、時間に関わる負担です。就寝中や仕事中の急変でロスカットが執行されることもあり、値動きを気にする時間そのものが増えていきます。
レバレッジをかけた取引にかかる税金
税金の扱いは、外国為替のFXとの違いがはっきり出るところです。国内の暗号資産の証拠金取引で得た利益は雑所得として総合課税の対象になり、給与など他の所得と合算した累進税率が適用されます。住民税を含めると、負担は最大で55%程度に達することもあるでしょう。
外国為替のFXや先物取引に認められている20.315%の申告分離課税は、暗号資産の証拠金取引には適用されません。税区分が違うため、FXの損失と暗号資産の証拠金取引の利益を通算することもできません。
2026年3月31日に成立・公布された所得税法等の改正では、暗号資産の譲渡益と一定のデリバティブ取引の所得が申告分離課税の対象に加えられました。税率は20%(所得税15%・住民税5%)で、復興特別所得税を含めると20.315%です。損失を翌年以後3年間繰り越せる制度も措置されています。
適用開始は2026年7月に成立した金融商品取引法等の改正法(公布から1年以内に施行)の施行に連動するため、2028年1月1日以後の取引からとなる見込みです。また対象は国内の暗号資産交換業者を通じた「特定暗号資産」の取引などに限られ、海外取引所での取引やステーキング報酬は総合課税のままとされています。詳しくは暗号資産の分離課税と2028年施行の新税制で解説しています。
レバレッジをかけずに始める方法
ビットコインのレバレッジに不安が残るなら、倍率をかけずに現物で持つ方法もあります。強制的な決済や追加の入金を求められる場面がなく、値動きを常に見張らなくてよい点は、初めての方に向いているでしょう。
現物の積立という選択肢
購入のタイミングを決めきれないときに向いているのが、一定額を定期的に買い付ける積立です。価格が高いときは少なく、安いときは多く買い付けるため、購入単価は平均化されやすくなります。
相場を追いかけて判断を重ねる負担も減り、値動きから距離を置いたまま保有を続けられるでしょう。仕組みや始め方は暗号資産の積立とは?仕組みと始め方で整理しています。
CoinTradeで現物の積立を始める流れ
CoinTradeは販売所方式の暗号資産交換業者で、倍率をかけた取引は取り扱っていません。そのぶん現物での購入と保有に絞られ、売買手数料も口座開設・口座維持の費用もかかりません。ただし販売所方式のため、提示価格に含まれるスプレッドは実質的な負担になります。
積立は1回あたり最低500円から設定でき※1、毎日または毎月(5日・15日・25日)から買い付けのタイミングを選べます。ステーキングやレンディングのように保有しながら報酬を受け取る機能もあり、CoinTradeの積立サービスのページで内容を確認できます。
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1
口座を開設する
必要事項の入力と本人確認を済ませると、暗号資産を売買できる状態になります。
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2
日本円を入金する
銀行振込での入金は無料で、金融機関に支払う振込手数料のみ利用者の負担です。
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3
積立の金額と頻度を選ぶ
申請画面で1回あたりの金額と、毎日か月1回かの頻度を指定します。
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4
買い付けの状況を確認する
設定後は自動で買い付けが行われ、履歴は画面から確認できます。
よくある質問
Qビットコインのレバレッジは日本では何倍までかけられますか?
国内の暗号資産交換業者では、個人向けの倍率の上限が2倍に制限されています。金融庁の内閣府令にもとづく規制で、2026年7月時点でもこの水準が続いています。業界団体からは引き上げを求める要望も出ていますが、2倍を超える倍率は認められていません。
QビットコインFXと外国為替のFXは何が違いますか?
ビットコインFXは暗号資産の証拠金取引を指す通称で、対象が暗号資産である点が大きな違いです。個人向けの最大倍率は外国為替が25倍、暗号資産は2倍にとどまります。税金の区分が異なる点も押さえておきたい違いでしょう。
Q証拠金維持率が下がるとどうなりますか?
決められた水準を割り込むと、交換業者の判断でポジションが強制的に決済されます。この仕組みがロスカットで、執行される水準は証拠金維持率50%から80%程度と事業者ごとに大きく異なるため、事前の確認が欠かせません。なおロスカットより手前の水準では追証を求められる場合があり、その判定時刻や水準も事業者ごとに定められています。
Qレバレッジをかけた取引の利益にはどのような税金がかかりますか?
現行制度では雑所得として総合課税の対象になり、他の所得と合算した累進税率が適用されます。住民税を含めた負担は最大で55%程度です。2026年3月に成立・公布された改正所得税法により、20%(復興特別所得税を含めると20.315%)の申告分離課税の対象に加えられ、2028年1月以降の適用が見込まれています。ただし対象は国内の暗号資産交換業者を通じた特定暗号資産の取引などに限られます。
Qレバレッジをかけずにビットコインを持つ方法はありますか?
現物取引であれば、自己資金の範囲で買った分だけを保有できます。強制的な決済や追加の入金を求められることがなく、日数に応じた費用も原則かかりません。購入のタイミングを分散したい場合は、積立という方法もあるでしょう。
まとめ
- ビットコインのレバレッジは証拠金を担保に数倍の金額を売買する仕組みで、国内の個人向け上限は2倍
- ビットコインFXは暗号資産の証拠金取引の通称であり、最大倍率も取引時間も外国為替のFXとは別物
- 証拠金維持率が水準を割り込めばロスカットが執行され、持ち越しには日数分の費用もかかる
- 損失は倍率分だけ拡大し、相場の急変時には預けた資金を超える損失が残る場合もある
- 現行の税金は雑所得の総合課税で最大55%程度、2028年1月以降は20.315%の申告分離課税へ移行する見込み(対象は国内交換業者を通じた特定暗号資産の取引など)
- 倍率をかけない現物の積立なら、強制決済や追加入金の心配なく少額から保有を続けられる
※1 2026年7月29日時点の情報です。最新の内容はCoinTradeの公式サイトでご確認ください。