「AVAX」または「アバランチ」という名前を見聞きしたことはあっても、イーサリアムと何が違うのか説明できない、という方は少なくないはずです。
この記事では、AVAXの成り立ちと特徴、取引の実態、それを支える仕組み、購入までの流れを整理します。
執筆:CoinTradeコラム編集部
※本記事は2026年9月24日時点の情報であり、今後の法改正等により相違が生じることがあります。
AVAXとは
Cornell大学の研究者らが立ち上げたプラットフォーム
AVAXは、スマートコントラクトを実行できるDApps向けのブロックチェーンプラットフォームとして設計された暗号資産です。
2018年5月に「Team Rocket」という匿名で発表されたホワイトペーパーを基に、Cornell大学の研究者Emin Gün Sirerらが中心となって開発されました。
その後、開発を担う企業Ava Labsが設立され、2020年9月21日にメインネットが稼働します。
イーサリアムとの違いは合意形成の方式とチェーン構造
AVAXはイーサリアムと同じく、スマートコントラクトを実行できるプラットフォームですが、合意形成の方式・チェーン構造・発行上限という3つの点で設計が異なります。
- 合意形成方式:イーサリアムはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)を採用しますが、AVAXは独自の「アバランチ・コンセンサス」という方式を採用しています
- チェーン構造:イーサリアムは単一のチェーンで資産管理とスマートコントラクトの実行を担いますが、AVAXは役割の異なるX・C・Pという3つのチェーンで構成されています
- 発行上限:イーサリアムには固定の上限がありませんが、AVAXは7.2億枚という上限があらかじめ定められています
| 項目 | イーサリアム | AVAX |
|---|---|---|
| 合意形成方式 | PoS | アバランチ |
| チェーン構造 | 単一チェーン | X/C/Pの |
| 発行上限 | 固定の |
7.2億枚 |
AVAXの特徴
なぜ用途別の3つのチェーンで構成されるのか
Xチェーンは資産の発行・移転、Cチェーンはスマートコントラクトの実行、Pチェーンはバリデーターとサブネットの管理というように、AVAXは処理内容ごとに3つのチェーンへ役割を分けています。
たとえば、Xチェーンでの送金処理とCチェーンでのスマートコントラクト実行は、それぞれ独立して同時並行に進行する仕組みです。
これにより、単一のチェーンがすべての処理を担う設計に比べ、処理を分散させることで全体としての処理能力を高められます。
独自チェーンを作る事例が増えている
AVAXでは当初から、Pチェーンを通じてバリデーターの一部だけが検証する独自のブロックチェーン(サブネット)を構築できる仕組みが用意されていました。
しかし、独自チェーンの運用には、2,000AVAXの継続的なステークが必要であり、開発者にとって高いコストがネックとなっていました。
そこで、2024年12月16日、この問題を解決する「Etna」というアップグレードが実施されます。
これにより、サブネットは「Avalanche L1」という名称に変わり、運用コストも月額およそ1.3AVAX(動的な手数料)へと大幅に引き下げられました。
データで見るAVAXの現在地
現在の価格が示す位置づけ
※CoinTradeのレートをもとに作成。他社データにもとづく数値と多少の差が生じることがあります。
AVAXの価格は、2026年9月23日時点でおよそ1,600円です。
2025年1月以降の値動きを振り返ると、同年1月6日に期間内の高値となる約7,000円を記録した後、値を下げてきました。
今の水準は、その高値からおよそ76%低い位置にあります。
時価総額シェアで見る存在感
AVAXが暗号資産市場全体でどれくらいの規模を持つ銘柄なのか、主要な指標で確認してみましょう。
- 時価総額: 約44.8億ドル(世界27位、CoinGecko調べ)
- 暗号資産全体に占める割合: およそ0.15%(CoinGecko調べ)
- 循環供給率: 発行上限7.2億枚に対しておよそ62%(CoinGecko調べ)
時価総額では上位銘柄に及ばないものの、暗号資産市場の中で一定の規模を維持している銘柄です。
AVAXを支える仕組み
アバランチ・コンセンサスが高速処理を実現する
アバランチ・コンセンサスは、ランダムに選んだ少数のバリデーターへ意見を繰り返し尋ね、多数派の回答に収束させることで合意を形成する仕組みです。
全バリデーターに一斉に問い合わせるのではなく、少人数への問い合わせを繰り返す方式のため、バリデーターの数が増えても1台あたりの負荷は変わりません。
この仕組みにより、数千件規模の取引を1〜2秒程度で処理できると言われています。
手数料の焼却(バーン)が発行動向に影響する
Cチェーンでの取引手数料は、基本手数料部分が焼却され、循環供給量から差し引かれる仕組みになっています。
一方、AVAXはステーキング報酬として新規に発行されているため、焼却(バーン)と発行が綱引きする構造です。
この構造により、ネットワークの利用が少ない時期は手数料による焼却(バーン)量も減るため発行が上回りやすく、供給量はゆるやかに増加する傾向にあるとされています。
AVAXを購入するまでの流れ
口座開設から購入までの流れ
国内でAVAXを買う場合は、登録を受けた事業者を通じて売買するのが基本です。
口座を開いて日本円を入金し、金額を指定して注文するという流れになります。
多くの事業者では、小数点以下の細かい単位で注文できるため、数百円といった金額からでも購入できます。
手続きの大枠はどの事業者でも共通で、申し込みから購入までは次の4段階です。
-
1
口座開設を申し込む
スマホアプリや公式サイトからメールアドレスと基本情報を登録します
-
2
本人確認を済ませる
マイナンバーカード等のICチップをスマートフォンで読み取る方式が代表的です
-
3
日本円を入金する
指定された口座への振込などの手段で購入資金を用意します
-
4
AVAXを購入する
購入する金額を指定して注文します
CoinTradeでAVAXを購入する流れ
CoinTradeは株式会社マーキュリーが運営する暗号資産のサービスで、AVAXを含むさまざまな暗号資産を取り扱っています。
口座開設から本人確認、日本円の入金、売買までがアプリのなかで完結する点が特徴です。
購入のタイミングに迷う方向けに、積立機能も実装されており、購入のタイミングを分散させつつ、長期目線でAVAX投資に挑戦することも可能です。
また、ステーキングサービスも別途用意されており、購入したAVAXを保有しながら報酬を得るという選択肢もあります。
よくある質問
QなぜAVAXは「イーサリアムキラー」と呼ばれるのですか?
処理速度の速さなどを背景に、そう呼ばれることがあります。ただし、開発者コミュニティやDAppsの規模では依然イーサリアムが大きく、優劣が定まっているわけではありません。
QAVAXとETHは何が違いますか?
最大の違いは合意形成の方式とチェーン構造です。イーサリアムのPoSに対し、AVAXは独自のアバランチ・コンセンサスを採用し、単一チェーンに対しX・C・Pの3チェーンで構成されています。
QAVAXのサブネット(Avalanche L1)とは何ですか?
バリデーターの一部だけが検証する独自のブロックチェーンを指します。2024年12月のEtnaアップグレードで「Avalanche L1」に改称され、運用コストが大幅に引き下げられました。
QAVAXに発行上限はありますか?
発行上限は7.2億枚と定められており、現在の循環供給量はそのおよそ60%です。
QAVAXの取引で利益が出た場合、税金はどうなりますか?
現在は、原則として雑所得に区分され、総合課税の対象です。給与などほかの所得と合算され、5%から45%の累進税率に住民税10%が加わります。2028年1月からは分離課税へ移行する見通しがあり、詳しくは暗号資産の分離課税とはで解説しています。
まとめ
- AVAXは2020年、Emin Gün Sirerらが中心となって立ち上げたスマートコントラクトプラットフォーム
- イーサリアムと異なり、独自の合意形成方式と7.2億枚の発行上限を特徴とする設計になっている
- X・C・Pという役割の異なる3つのチェーンで構成され、2024年のEtnaアップグレードにより独自チェーンの構築コストが大幅に下がった
- 世界の時価総額ランキングでは31位に位置し、発行上限7.2億枚のうち循環供給量は既に約6割に達している
- 取引手数料の焼却とステーキング報酬の発行が綱引きする供給構造になっている
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