コスモス(Cosmos)は、ブロックチェーン同士をつなぐことを目指すネットワークで、その基軸となる暗号資産(仮想通貨)がATOMです。ティッカーの読みから『アトムコイン』と表記されることもありますが、正式には『ATOM(アトム)』です。この記事では、仕組みと特徴から価格の推移、国内での買い方までを解説します。
執筆:CoinTradeコラム編集部
※本記事は2026年8月10日時点の情報であり、今後の法改正等により相違が生じることがあります。
コスモス(ATOM)とは何か
コスモスは、複数のブロックチェーンを相互につなぐことを目指して開発されてきたネットワークです。中核となるチェーンがCosmos Hubで、そこで基軸として使われる暗号資産としてATOMが発行されました。
Cosmosの役割は、鉄道の相互直通運転にたとえるとわかりやすくなります。ビットコインやイーサリアムなどのブロックチェーンは、線路の幅が違う独立した鉄道会社のようなもので、自社の路線でしか列車を走らせられません。Cosmosは各社の線路をつなぐ共通規格を用意し、乗り換えずに行き来できる状態を目指してきました。
ATOMの用途は大きく3つに分かれます。中央駅にあたるCosmos Hubのガス代、ステーキングによる安全性の維持、そして仕様変更の可否を保有者の投票で決めるガバナンスへの参加権です。
メインネットの稼働は2019年3月で、移り変わりの激しい暗号資産の中では運用実績の長い部類に入るでしょう。日常の決済よりも、鉄道網を広げて支えることを目的に設計された点が、ビットコインなどとの違いです。
コスモス(ATOM)の3つの特徴
ATOMを理解する鍵は、Cosmosが備える3つの仕組みにあります。通貨としての機能より、つなぐ土台としての設計に特徴があるためです。
IBCで異なるチェーンをつなぐ
Cosmosの中心にあるのは、IBC(Inter-Blockchain Communication)と呼ばれるチェーン間の通信規格です。前述の乗り入れ規格に相当する仕組みで、設計の異なるチェーン間でトークンやデータを動かせます。
当初はCosmos SDK製のチェーン同士が中心でしたが、2025年春にInterchain LabsがIBC Eurekaを公開し、イーサリアムもIBCに接続できるようになりました。IBCで結ばれたチェーンは100を超えるとされています。
Cosmos SDKで独自チェーンをつくる
Cosmos SDKは、独自のブロックチェーンを一から設計せずに構築できる開発キットとして提供されてきました。合意形成や送金といった共通機能が用意され、開発者は自分のサービス固有の部分へ集中できます。
実例として、デリバティブ取引を手がけるdYdXは、イーサリアム上のサービスからCosmos SDKで構築した独自チェーンへ移行しました。他のチェーンに間借りせず、手数料やルールを自前で設計できる点が理由とされます。
ステーキングでネットワークを支える
ATOMはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)を採用し、預けられた量などに応じて選ばれたバリデーターが取引を検証してきました。保有者はATOMを預けて検証に間接的に参加し、報酬を受け取れます。
この仕組みがステーキングで、国内ではCoinTradeのステーキングのように暗号資産交換業者を通じて預ける方法が広まりました。預けている間は一定期間動かせない場合があり、報酬が増えても価格が下がれば評価額は目減りします。
コスモス(ATOM)の価格推移と現在地
ATOMの価格は2021年に大きく上昇し、2022年初頭まで高値圏で推移したあと、長期にわたって水準を切り下げてきました。過去最高値は2021年9月につけた44ドル台で、2026年8月時点では1ドル台前半まで下げました。
時価総額はおよそ7億ドル規模で、順位は集計サイトによって60位台から80位台と幅があります。暗号資産全体の相場に連動しやすく、Cosmosでは主要チェーンが独自トークンを持つため、エコシステムの拡大がATOMの需要に直結しにくいとの指摘もあります。
表の水準はいずれも過去と現在の記録にすぎません。将来の価格を保証するものではなく、投資の判断と結果は本人に帰属します。
| 時期 | 主な出来事 | 価格の |
|---|---|---|
| 2019年3月 | Cosmos Hubの |
数ドル前後 |
| 2021年9月 | 市場全体の |
約44ドル |
| 2022年〜2023年 | 相場の |
数ドル台 |
| 2026年8月 | エコシステムの |
1ドル台前半 |
コスモス(ATOM)の今後を左右する材料
先行きを見る材料は、需要の広がり、供給の設計、外部環境の3つに分けられます。いずれも価格の予測ではなく、銘柄の性格を知るための判断材料と捉えてください。
エコシステムの拡大と外部接続
需要側で注目されるのは、Cosmosの外側との接続が進んだ点です。IBC Eurekaでイーサリアムとの往来が可能になり、ビットコイン関連のBabylonやdYdXが初期の対応先に挙げられました。
接続先が増えればCosmos Hubを経由する取引の機会も増え、ATOMの利用場面が広がるという見方があります。ただし実際の需要に結びつくかは、接続したチェーンがどれだけ使われるかによって変わります。
発行上限のない供給設計
ATOMに発行上限はなく、供給量はステーキングの参加率に応じて動くインフレ率で決まってきました。上限が定められたビットコインとは異なり、報酬として新規発行が続く前提です。
供給の増加は希薄化の要因にもなるため、インフレ率はガバナンス投票の議題になってきました。2023年11月の投票では上限が20%から10%へ引き下げられ、実際のインフレ率は約14%から10%程度、ステーキング報酬の年率も約19%から13%台へ低下しています。最低インフレ率を0%とする案は否決されました。
競合プロジェクトと規制の動向
相互運用性を掲げるプロジェクトはCosmosだけでなく、ポルカドットやチェーンリンクも同じ領域で開発を続けています。技術の主役が短期間で入れ替わる分野のため、どの方式が広がるかは見通しにくいでしょう。
制度面では日本の税制も変わろうとしています。現在は売却益などが雑所得として総合課税の対象ですが、2026年3月に成立した改正所得税法では、一定の暗号資産の譲渡益を20.315%の申告分離課税とする方針が示されました。適用は2028年1月以降と見込まれ、詳しくは暗号資産の分離課税とは?2028年施行の新税制で解説しています。
対象範囲や適用時期は今後の政省令で確定します。最新の内容は国税庁の公表資料をご確認ください。
コスモス(ATOM)の買い方と始め方
国内でATOMを購入する手順は、他の銘柄と大きく変わりません。口座を用意するところから、購入後の運用までを順に整理します。
国内の暗号資産交換業者で購入する流れ
日本国内でATOMを購入するには、金融庁に登録された暗号資産交換業者の口座が必要です。登録の有無は金融庁のサイトの一覧で確認できるでしょう。口座開設から購入までは、次の4つの手順で進みます。
-
1
口座を開設する
メールアドレスとパスワードを登録し、氏名や住所を入力します。
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2
本人確認を行う
スマートフォンで本人確認書類のICチップを読み取る方法が主流で、提出後に事業者側の確認が行われます。
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3
日本円を入金する
銀行振込などで資金を入れます。まとめて入金すると手数料を抑えられます。
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4
ATOMを購入する
金額または数量を指定して注文します。少額から購入できるため、小さく試せます。
CoinTradeで購入から運用まで完結させる
CoinTradeは、ATOMの売買に加えてステーキングにも対応しています。購入したATOMを預けたまま報酬を受け取れるため、保有量を増やしながら値動きを待てるでしょう。対応銘柄はETHやSOLなど主要なものにも及びます。
一定額を定期的に自動で購入する積立にも対応しており、購入のタイミングを都度判断せずに続けられます。口座開設から購入、ステーキング設定までが1つのアプリで完結し、サービスを使い分ける手間もかかりません。
よくある質問
QATOMとコスモス(Cosmos)は同じものですか?
同じものを指しています。Cosmosはブロックチェーン同士をつなぐネットワークの名称で、ATOMはその中核であるCosmos Hubの基軸トークンです。ティッカーから「アトムコイン」と表記される場合もありますが、別の銘柄ではありません。
QATOM(コスモス)に発行上限はありますか?
発行上限はありません。ステーキングの参加率に応じてインフレ率が変わる設計で、報酬として新規発行が続きます。2023年11月の投票でインフレ率の上限が20%から10%へ引き下げられ、供給の増え方は緩やかになりました。
QATOMのステーキングはどこでできますか?
国内では、ステーキングに対応した暗号資産交換業者のサービスを通じて預けます。CoinTradeもATOMのステーキングに対応しており、預けている間は動かせない期間があるため、資金を使う予定とあわせて考えるとよいでしょう。
QATOMは今後どのように推移する可能性がありますか?
将来の価格を見通すことはできませんが、判断材料はあります。IBC Eurekaによる接続拡大は需要側の材料で、発行上限のない供給設計や競合の動向は逆に働きうる要素です。
Q日本でATOMを購入するにはどうすればよいですか?
金融庁に登録された暗号資産交換業者で口座を開き、日本円を入金してから購入します。本人確認はスマートフォンでの書類読み取りが主流で、確認が済むと取引を始められます。少額から購入できるため、まとまった資金は必要ありません。
まとめ
- コスモス(ATOM)はブロックチェーン同士をつなぐネットワークの基軸となる暗号資産
- IBCによる相互接続、Cosmos SDKによる開発のしやすさ、ステーキングの3点が主な特徴
- 過去最高値は2021年9月の約44ドル、2026年8月時点は1ドル台前半で時価総額は約7億ドル規模
- 2025年春のIBC Eureka公開で外部接続が広がる一方、発行上限のない供給設計は希薄化の要因
- 国内では金融庁登録の暗号資産交換業者で購入でき、購入後はステーキングや積立で運用できる