保有しているビットコインに利益が出ていても、日本円に戻す手順や税金の扱いがわからず、そのままにしている方は少なくありません。ビットコインの現金化は、売却と出金という2つの手続きに分けると全体像がつかめます。この記事では手数料と所要時間、3つの方法の違い、売却から着金までの手順、暗号資産(仮想通貨)の利益にかかる税金を解説します。読み終えたときには、自分に合った進め方と必要な準備がわかるでしょう。
執筆:CoinTradeコラム編集部
※本記事は2026年8月10日時点の情報であり、今後の法改正等により相違が生じることがあります。
ビットコイン(暗号資産)を現金化するには
ビットコインを現金化するには、保有する暗号資産を売却して日本円に換えたうえで、その残高を銀行口座へ出金します。「換金」とも呼ばれます。
つまずきやすいのは、売却した時点ではまだ手元で使えるお金になっていない点でしょう。売却の直後に増えるのはサービス内の日本円残高であり、生活資金にするには出金まで進める必要があります。
暗号資産は法定通貨ではないため、そのまま支払いに使える場面は多くありません。買い物や納税に充てるには、いったん日本円に換える必要があります。保有量の一部だけを売却して残りを持ち続けることもできます。
現金化にかかる手数料と時間
受け取れる金額は、売却時と出金時の2種類のコストで変わります。暗号資産の売買には、事業者の提示価格で直接取引する販売所方式と、利用者同士の注文を突き合わせる取引所方式があり、コストの形も方式で異なります。
売却時にかかるコスト
意識しておきたいのは、画面に表示される手数料だけがコストではない点です。売買手数料が無料のサービスもある一方、販売所方式では買値と売値の差であるスプレッドが実質的な負担になります。
スプレッドの幅は市場の状況で動くため、固定の数値としては示せません。目安は1〜5%程度で、取引所方式の取引手数料は0.15%程度までにとどまり、無料やマイナスの事業者もあります。同じ数量でも方式によって受け取れる金額に差が出るでしょう。
出金手数料と着金までの日数
日本円を銀行口座へ移す段階では、出金手数料と日数を確認しておきましょう。手数料は無料の事業者から770円程度までの幅があり、申請ごとに差し引かれます。
着金は最短で即時のサービスもあり、多くは申請日から翌銀行営業日までが目安になります。申請の時刻や金融機関の状況によっては2銀行営業日程度かかることもあるため、支払いの期日があるときは早めに申請しておきましょう。
現金化する3つの方法と違い
日本円に換える経路は複数ありますが、実際に多くの方が使うのは暗号資産交換業者を通じた売却です。残りの2つは使える場面が限られます。
暗号資産交換業者で売却する
最も現実的なのは、金融庁への登録を受けた暗号資産交換業者で売却する形です。販売所方式なら提示価格を確認して確定でき、取引所方式なら価格と数量を指定して注文を出します。
操作に慣れないうちは、価格が画面上で確定する販売所方式のほうが迷いにくいかもしれません。売却した日本円は同じサービス内の残高に反映され、そのまま出金を申請できます。
暗号資産ATMを利用する
暗号資産ATMは、端末の操作でその場で紙幣を受け取れる仕組みです。ただし国内では設置がごく一部にとどまり、利用できる端末がない時期もありました。手数料も交換業者より高い水準になりやすく、現状では主な選択肢になりにくいでしょう。
暗号資産に対応したカードやサービス
暗号資産の残高を支払いに充てられるカードを使えば、日本円に換えずに買い物へ回せます。ただし現状では国内の暗号資産交換業者が発行するカードは見当たらず、海外発行のカードが中心で、加盟店や上限額の制約もあります。
支払いに充てた時点で損益が確定して課税対象になる点も変わりません。個人間で直接売買する方法も、代金が支払われないなどのトラブルにつながりやすいでしょう。
| 方法 | コストの |
受け取るまで |
使える場面 |
|---|---|---|---|
| 暗号資産交換業者 | スプレッドまたは |
売却後に |
銀行口座へ |
| 暗号資産ATM | 交換業者より高め | 端末の |
少額の |
| 対応カード | 利用手数料など | 日本円に |
日々の |
売却から出金までの手順
始める前に、本人確認が完了しているかを確かめておく必要があります。出金先に登録できるのは本人名義の銀行口座に限られ、家族名義の口座や本人確認前の状態では申請が通りません。
-
1
売却する暗号資産を口座に用意する
外部のウォレットから送る場合はネットワーク手数料がかかります。アドレスを誤ると資産が戻りません。
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2
売却する数量を指定して注文する
販売所方式は提示価格を確認して確定し、取引所方式は価格と数量を指定します。
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3
日本円の残高を確認する
売却が成立するとサービス内の残高に反映されます。
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4
銀行口座へ出金を申請する
登録済みの本人名義口座を選んで金額を入力します。着金は最短即時から翌銀行営業日が目安です。
現金化で発生する税金と申告
見落としやすいのが税金の扱いです。現行の制度と2028年に向けた見直しの動きを押さえておくと、申告の準備も進めやすくなります。
利益は雑所得として課税される
暗号資産を売却して得た利益は、給与や事業の所得に当てはまらない雑所得に区分されます。給与など他の所得と合算して税額を決める総合課税の対象で、給与所得者は給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になります。給与所得がない方は、所得税の基礎控除額(令和7年分以降は58万円が基本で、令和8年分までは所得に応じた上乗せがあります)が目安になるでしょう。
所得税と住民税を合わせた負担は、所得が多い層では最大55%程度に達する場合もあります。利益は売却額から取得価額と必要経費を差し引いて計算するため、取得価額がわからないと金額を確定できません。申告の進め方は暗号資産の確定申告のやり方で解説しています。
2028年に予定される分離課税
税金の扱いは、今後大きく変わる見込みです。令和8年度税制改正大綱では、暗号資産取引の利益に20%(復興特別所得税等を除く所得税15%と住民税5%)の申告分離課税を適用する方針が示されました。
損失を3年間繰り越せる措置も示され、位置づけも資金決済法上の決済手段から金融商品取引法上の金融商品へ移る方向です。適用は関連法の施行の翌年以降の譲渡からで、2028年1月からとなる見通しです。詳しい内容は暗号資産の分離課税と2028年施行の新税制で整理しました。
日本円に換えたときだけでなく、暗号資産同士を交換したときや支払いに充てたときにも損益が確定し、課税対象になります。最新の取り扱いは国税庁の情報で確認できます。
現金化を見据えた暗号資産の持ち方
ビットコインの現金化を見据えるなら、買い方の段階から整えておくと日本円に戻すときの判断が楽になります。購入時期の分散と、売却まで同じサービスで完結できる環境が参考になるでしょう。
積立で購入時期を分散する
一定額を定期的に買い付ける積立は、購入単価を平均化しやすい方法です。まとめて買うと取得価額が一時点の価格に固定されますが、積立なら複数の時点の価格が平均されます。
損益計算に使う取得価額も記録から追いやすくなるでしょう。仕組みと始め方は暗号資産の積立とは?仕組みと始め方で解説しています。
CoinTradeで購入から現金化まで
CoinTradeは、金融庁への登録を受けた販売所方式の暗号資産交換業者です。売買手数料は購入も売却も0円で、口座開設と口座維持にも費用がかかりません。
販売所方式のためスプレッドは実質的なコストになりますが、購入から売却、出金までをアプリで進められます。保有を続けたい場合は、ETHなど主要な銘柄のステーキングや、金・銀・プラチナに連動するジパングコインシリーズのレンディングも選べます。
口座開設はメールアドレスの登録と、スマートフォンで本人確認書類のICチップを読み取る方法で、書類の郵送は必要ありません。本人確認のあとは日本円を入金し、CoinTradeの積立サービスで金額と銘柄を指定すれば買い付けが自動で続きます。
よくある質問
Qビットコインの現金化にはどのくらいの時間がかかりますか?
売却そのものは数分で終わり、日本円の出金も最短で即時に完了するサービスがあります。多くは申請日から翌銀行営業日までが目安で、申請が遅い時間になると2銀行営業日程度かかることもあるでしょう。
Q現金化するときの手数料はどのくらいかかりますか?
販売所方式ではスプレッドが実質的な負担になり、目安は1〜5%程度です。取引所方式の取引手数料は0.15%程度までで、別に出金手数料が無料から770円程度かかります。
Q利益が20万円以下なら確定申告は不要ですか?
給与所得者で、給与以外の所得が年間20万円以下であれば所得税の確定申告は原則として不要です。ただし住民税の申告が必要になる場合があり、給与所得がない方は、58万円を基本とする所得税の基礎控除額が目安になるでしょう。
Qビットコインを現金化できないときは何を確認すればよいですか?
まず本人確認が完了しているか、出金先が本人名義の銀行口座になっているかを確かめてください。二段階認証が未設定の場合や、金融機関の営業時間外で処理待ちの場合もあります。
Q暗号資産を現金化するにはどのような方法がありますか?
登録を受けた暗号資産交換業者で売却し、銀行口座へ出金する方法が最も一般的です。暗号資産ATMや対応カードは国内では制約が多く、選択肢は限られます。
まとめ
- 現金化は暗号資産の売却と銀行口座への出金という2段階の手続き
- コストは販売所方式のスプレッド、取引所方式の手数料、両者に存在する出金手数料
- 着金は最短即時から翌銀行営業日が目安で、申請の時間帯や金融機関の状況で前後する
- 現実的な方法は登録を受けた交換業者での売却で、ATMやカードは使える場面が限定的
- 利益は雑所得として総合課税の対象、2028年からは20%の申告分離課税へ移る見通し
- 積立で購入時期を分散すると取得価額を追いやすく、売却時の損益計算も進めやすい