「ビットコインのロスカット」という言葉は目にするものの、どの数値が基準になり、自分の資金がどこまで減るのかまでは見えにくいかもしれません。この記事では、強制的に決済されるまでの流れ、証拠金維持率と追加証拠金の関係、損失が出たときの税金、証拠金を預けない持ち方までを解説します。読み終えるころには、自分がどこまでのリスクを取る取引なのかを見分けられます。
執筆:CoinTradeコラム編集部
※本記事は2026年8月12日時点の情報であり、今後の法改正等により相違が生じることがあります。
ビットコインのロスカットとは
ロスカットとは、証拠金を預けて売買する取引で含み損が一定の水準まで拡大したとき、暗号資産交換業者が保有ポジションを自動的に決済する仕組みです。利用者の判断による決済ではなく、あらかじめ定められた基準に触れた時点で機械的に執行されます。
証拠金の何倍もの金額を動かす取引では価格が少し動くだけで損益が大きく振れるため、損失の拡大を止める仕組みとして設けられました。暗号資産そのものを買って持ち続ける現物の売買では、証拠金を預けないためロスカットは起こりません。
ビットコインのロスカットが話題になるのは、資産を保有せず価格差だけをやり取りする差金決済という設計によるものです。日本では個人向けの倍率上限が証拠金の2倍と定められ、内閣府令にもとづく規制として現在も維持されています。
| 項目 | 現物の |
証拠金を |
|---|---|---|
| 手元に |
暗号資産その |
売買価格差の |
| 必要な資金 | 購入額と |
取引金額の |
| ロスカット | 発生しない | 維持率が |
| ウォレットへ |
で |
で |
ロスカットが執行される仕組み
強制的な決済に至るまでには段階が置かれています。証拠金維持率が下がると追加証拠金を求められ、回復しなければロスカットが執行される流れで、基準の水準は暗号資産交換業者ごとに30%から100%程度の幅があります。
証拠金維持率の計算方法
証拠金維持率は、預けている資金が必要証拠金に対してどれだけ余裕があるかを示す割合です。計算式は「純資産額 ÷ 必要証拠金 × 100」で、純資産額は預けた証拠金に含み損益を足し引きした金額だと考えるとわかりやすいでしょう。
たとえば50万円を預けて2倍の100万円分を売買すると、取引額の50%にあたる必要証拠金は50万円となり、含み損がない時点の維持率は100%です。10万円の含み損で維持率は80%へ下がり、35万円まで広がると30%となって多くのサービスで基準に触れる水準に届きます。
追加証拠金との違い
追加証拠金とロスカットは、発動する順番と強制力の点で異なります。証拠金維持率が水準を下回ると、まず不足額の入金やポジションの縮小が求められ、期限までに解消できなければ強制的な決済へ進みます。
追加証拠金が発生した段階なら、まだ自分で対応を選ぶ余地が残されているでしょう。資金を足すか保有量を減らして維持率を戻せますが、相場が急落する局面では判断の時間がほとんど取れません。なお、追加証拠金を設けず水準に触れた時点で決済するサービスもあります。
ロスカットをめぐる主なリスク
ロスカットは損失の拡大を止める仕組みですが、それがあるから安全とは言い切れません。損失額の大きさ、執行のタイミング、市場全体の動きという3つの角度で注意点が挙げられます。
預けた資金を上回る損失
ロスカットが働いても、預けた資金を超える損失が残る場合があります。基準の水準に触れた瞬間の価格で決済されるわけではなく、約定価格は注文が処理される時点まで確定しません。
相場が急変して買い手が極端に減る局面では、この差が大きく開きます。決済後の残高がマイナスになれば不足金として利用者の負担が残り、投じた資金を失うだけでは済みません。
現物の売買なら損失は投じた金額までにとどまりますが、証拠金を預ける取引ではこの上限がありません。資金がゼロになって終わるのか、追加の支払いが残るのかという違いが生まれます。
証拠金を預ける取引では、預けた資金を上回る不足金が生じる場合があります。生活資金や近く使う予定のあるお金を証拠金に充てない考え方が共有されています。
就寝中や不在時の急変
暗号資産の市場は24時間365日動き続けるため、ロスカットは画面を見ていない時間帯にも執行されます。株式のように取引が止まる時間帯がなく、日本の深夜に海外の材料で相場が大きく動く場面も珍しくありません。
朝起きたときにポジションが決済されていた、という事態が起こり得るのはこのためです。とくに週末や連休は参加者が減って価格が振れやすく、基準の水準に届くまでの時間も短くなるでしょう。
市場全体に広がる清算の連鎖
ロスカットは個人の口座だけの問題にとどまらず、市場全体の値動きを増幅させます。強制的な決済は価格を指定しない成行の売り注文として市場に出るため、価格の下落が別の口座の維持率を押し下げ、清算が連鎖します。
実際に2025年10月10日には、24時間で約190億ドル(約2.8兆円)相当のポジションが清算され、対象は延べ約160万人に達しました。米中の通商摩擦の再燃が引き金になったとされ、ビットコインの価格も一時10万4,000ドル台まで下げています。
ロスカットで損失が出た場合の税金
ロスカットで損失が出た場合でも、現行の制度では給与など他の所得と損益通算できません。暗号資産の証拠金取引による損益は雑所得に区分され、給与などと合算した累進税率で課税される総合課税の対象です。
外国為替のFXや先物取引には20.315%の申告分離課税が適用されますが、暗号資産はこの枠から外れています。FXの利益と暗号資産の損失を通算したり、損失を翌年以降へ繰り越したりする扱いも認められていません。
この扱いは今後変わる見込みです。令和8年(2026年)3月31日に成立した改正所得税法により、暗号資産の譲渡益と一定のデリバティブ取引の所得が20.315%の申告分離課税の対象に加えられ、損失を3年間繰り越す制度も設けられる方向が示されました。適用は2028年1月からの見通しで、国内の登録業者を通じた取引に限られる点を含め、詳しくは暗号資産の分離課税と2028年施行の新税制で解説しています。
ロスカットのない持ち方から始める
証拠金を預けない持ち方なら、ロスカットという仕組みそのものと無縁になります。ビットコインのロスカットを避けたい場合、現物での購入や積立が選択肢になるでしょう。
現物の積立という選択肢
現物の売買には証拠金維持率という概念がないため、価格が下がっても強制的に決済されることはありません。値動きを常に監視する必要がなく、下落している間も保有を続けられます。
購入のタイミングを一度に決めきれないなら、毎月一定額を自動で買い付ける積立も選べるでしょう。価格が高いときは少なく、安いときは多く買い付けるため、購入単価が平均化されやすくなります。
積立の考え方や始め方は暗号資産の積立の仕組みと始め方で解説しています。ただし現物でも価格が下がれば含み損は生じるため、値動きの幅そのものが小さくなるわけではありません。
CoinTradeで積立を始める流れ
CoinTradeは、証拠金を預ける取引を扱わず、現物の売買を中心に据えたサービスです。販売所方式で売買手数料が0円に設定され、口座開設と口座維持の費用もかからないため、少額からでも始めやすいでしょう。
買った暗号資産をそのまま持つだけでなく、ETHやSOLなど主要な銘柄のステーキングにも対応しています。積立で買い増しながら保有分を運用へ回すこともでき、条件はCoinTradeの積立サービスから確認できます。
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1
メールアドレスを登録する
受信できるメールアドレスでアカウントを作成します。パスワードは使い回さないものを設定します。
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2
本人確認の書類を提出する
スマートフォンで本人確認書類のICチップを読み取り、提出します。提出後は事業者側で確認が行われます。
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3
日本円で購入資金を入金する
本人確認の完了後に日本円を入金します。この資金がそのまま買い付けの原資になります。
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4
積立の設定を行う
購入する銘柄と毎月の金額を指定します。以降は自動的に買い付けが続きます。
よくある質問
Qビットコインのロスカットはどのような条件で執行されますか?
証拠金維持率が暗号資産交換業者の定めた水準を下回ったときに執行されます。水準は30%から100%程度まで幅があり、多くは先に追加証拠金が求められ、期限までに回復しなければ自動的に決済されます。
Q証拠金維持率はどのように計算しますか?
「純資産額 ÷ 必要証拠金 × 100」で計算します。50万円を預けて100万円分を売買した場合、含み損がなければ100%、10万円の含み損で80%、35万円の含み損で30%まで下がります。
Q追加証拠金とロスカットは何が違いますか?
追加証拠金は資金の積み増しやポジションの縮小を求められる段階で、対応の余地が残ります。ロスカットはその先で強制的に決済される仕組みのため、自分では止められません。
Qロスカットで預けた資金を上回る損失が出ることはありますか?
相場が急変した局面では起こり得ます。基準の水準に触れた瞬間の価格で約定するとは限らず、処理までに価格が離れると、決済後の残高がマイナスになって不足金が残る場合もあります。
Qロスカットの心配なくビットコインを保有する方法はありますか?
暗号資産そのものを購入する現物の売買であれば、証拠金維持率という概念がなく強制的な決済も発生しません。毎月一定額を自動で買い付ける積立を使えば、少額から続けられます。
まとめ
- ロスカットは、証拠金を預ける取引で含み損が一定水準に達したときポジションが自動的に決済される仕組み
- 証拠金維持率は「純資産額 ÷ 必要証拠金 × 100」で求められ、基準の水準は事業者ごとに30%から100%程度の幅がある
- 追加証拠金は対応の余地が残る段階、ロスカットは強制的に決済される段階という違い
- 相場が急変すると基準どおりの価格で決済されず、預けた資金を上回る不足金が残る場合もある
- 現行制度では給与など他の所得と通算できないが、2028年1月から申告分離課税へ移行する見通し
- 証拠金を預けない現物の購入や積立であれば、ロスカット自体が発生しない