メタバースについて調べていると、専用の通貨が使われていると知って戸惑うかもしれません。アバターで動き回る3次元の仮想空間では、土地やアイテムを売買する支払い手段として、メタバース関連の暗号資産(仮想通貨)が使われています。この記事では、仕組みと代表的な銘柄、市場の見通し、リスク、国内で購入する手順をまとめました。
執筆:CoinTradeコラム編集部
※本記事は2026年8月13日時点の情報であり、今後の法改正等により相違が生じることがあります。
メタバースと暗号資産の関係
メタバースは、インターネット上に作られた3次元の仮想空間です。利用者はアバターを操作して移動し、他の人と会話できます。
こうした空間では土地や建物、アバターの衣装が売買の対象になり、代金の支払いにはサービス独自の暗号資産が使われてきました。メタバース関連の暗号資産(仮想通貨)と呼ばれるのが、このトークンです。
従来のゲーム内通貨と違うのは、取引の記録がブロックチェーンに残る点です。外部の暗号資産交換業者で日本円などに交換できるため、その空間だけで流通する通貨に近いでしょう。
混同されやすいNFTは、デジタルデータの所有者をブロックチェーン上に記録する仕組みです。土地やアイテムの所有を示すのがNFT、代金を支払うのが暗号資産です。
受け取った暗号資産を売却して現実の資金に換えられるサービスもあり、Play to Earn(遊んで稼ぐ)と呼ばれてきました。ただし価格は変動するため、換金できる金額は一定になりません。
メタバース関連銘柄の主な種類
メタバース関連銘柄は、大きく2つの系統に分かれます。1つは仮想空間を運営するプラットフォームの銘柄で、The SandboxのSAND、DecentralandのMANA、Axie InfinityのAXSなどです。
もう1つの系統として、NFTの発行や取引を支える基盤側の銘柄も現れました。イーサリアム上でNFTの取引を安く速く処理するImmutable X(IMX)などが、この立場にあたります。
値動きに影響する材料も系統ごとに違います。プラットフォーム側は利用者数や提携、基盤側はNFT市場の取引量に左右されやすいでしょう。
これらの銘柄の多くは、イーサリアムのブロックチェーン上で発行されたトークンです。メタバース専用のチェーンを持たないため、イーサリアム側の混雑や手数料の影響も受けます。
国内で買えるかどうかは銘柄ごとに違い、SANDやMANAは国内の暗号資産交換業者で扱われてきました。扱いのない銘柄も多くあります。
| 銘柄 | プラットフォームの |
トークンの |
発行チェーン |
|---|---|---|---|
| SAND(The Sandbox) | ゲームや |
土地や |
イーサリアム |
| MANA(Decentraland) | 保有者の |
土地や |
イーサリアム |
| AXS(Axie Infinity) | キャラクターを |
ゲーム内資産の |
イーサリアム(ゲームは |
メタバース市場の規模と今後の見通し
関連銘柄の値動きは、仮想空間がどれだけ使われるかという期待と結び付いています。市場規模の予測は大きな拡大を示す一方、足元の利用状況からは別の側面も見えてきました。
拡大が予測される市場規模
調査会社のGrand View Researchは、世界のメタバース市場が2030年に約9,365億ドルへ達し、2025年からの年平均成長率は46.4%になると予測しています。マッキンゼー・アンド・カンパニーも、2022年のレポートで2030年までに最大5兆ドルの価値を生む可能性を示しました。
企業の研修や商業施設の再現のように、業務での活用も進んでいます。ただし予測は個別銘柄の価格を保証するものではありません。
期待と実際の利用状況の差
2021年から2022年の盛り上がりのあと、関連トークンの価格は大きく下落しました。代表的なSANDとMANAは、2021年11月の最高値から9割以上下がっています。
利用者数についても厳しい指摘が出ています。代表的なプラットフォームの1日あたりの利用者数が極端に少ないと報じられ、運営側が反論する場面もありました。
The Sandboxでは2025年に親会社のAnimoca Brands主導で運営体制が再編され、人員削減も行われたと伝えられています。提携は続いていますが、利用者数が伸びるかどうかが今後の価格の前提になると考えられています。
メタバース関連銘柄の主なリスク
メタバース関連銘柄には、主要銘柄とは違った注意点があります。損失につながる要因は、売買のしやすさ、プロジェクト側の事情、保有中の管理の3つです。
価格の変動幅と取引量
時価総額の小さい銘柄は、少額の売買でも価格が動きやすくなります。買い注文と売り注文の量が薄く、同じ金額でも価格への影響が大きくなるためです。
値動きの幅は主要銘柄より大きく、短期間で数割の上下も珍しくありません。売りたいときに希望の価格で相手が見つからず、不利な価格で成立する場合もあります。
プロジェクトの継続性
関連銘柄の価値は、運営プロジェクトが開発を続けられるかどうかに支えられています。人が集まらなければ土地やアイテムの需要も生まれず、トークンを使う場面も減っていきます。
開発が停滞したり運営体制が縮小したりすると、価格が長期間戻らないかもしれません。実態のないプロジェクトが資金を集めて姿を消す事例も報告されています。
資産の保管方法
国内で取り扱いのない銘柄を持つ場合は、自分で秘密鍵を管理するウォレットが必要です。秘密鍵やリカバリーフレーズを失うと、資産を取り戻す手段はありません。
偽のサイトに秘密鍵やフレーズを入力させる手口も広まっています。ウォレットの種類ごとの違いは暗号資産ウォレットとは?種類・選び方で解説しています。
売買や交換で利益が出た場合、現行の制度では原則として雑所得に区分され、総合課税の対象です。
給与所得者でも一定の額を超えると確定申告が必要で、手順は暗号資産の確定申告のやり方にまとめています。
2026年3月成立の改正所得税法では、譲渡益に20.315%の申告分離課税を適用する方針が示され、2028年1月以降の取引が対象になる見通しです。対象は国内の暗号資産交換業者が扱う銘柄とされ、海外の取引所やDEX経由の取引は総合課税のままです。詳しくは暗号資産の分離課税とは?2028年施行の新税制で解説しています。
国内で暗号資産を購入して運用する手順
メタバース関連の暗号資産(仮想通貨)は、SANDのように国内の暗号資産交換業者で買える銘柄もあれば、扱いのない銘柄もあります。国内で購入する出発点になるのは、暗号資産交換業者の口座です。
暗号資産交換業者で口座を開設して購入する
口座は金融庁に登録された事業者を選ぶ必要があり、登録の有無は公開の一覧で確かめられます。口座開設から購入までは次の4つの手順で進みます。少額から始められ、特別な知識も求められません。
-
1
メールアドレスを登録する
受信できるメールアドレスで登録し、使い回さないパスワードを設定します。
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2
本人確認の書類を提出する
スマートフォンで本人確認書類のICチップを読み取る方法が主流です。
-
3
日本円で購入資金を入金する
本人確認が終わると入金でき、反映された時点で注文を出せます。
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4
購入または積立の設定を行う
銘柄と金額を指定して注文します。積立なら以降は自動で買い付けが続きます。
CoinTradeのステーキングと積立で運用する
メタバース関連銘柄は値動きが激しく選ぶのが難しいため、その土台(インフラ)であるイーサリアム(ETH)を保有するという選択肢もあります。CoinTradeはETHやSOLなど主要な銘柄を扱い、預けて報酬を受け取るCoinTradeのステーキングにも対応してきました。
運用期間に期限はなく、いつでも解除を申請できます。申請後は銘柄ごとに定められたロック期間を経て、売却や送金ができるようになります。
値動きの大きい分野では、購入時期を分ける考え方も広まりました。一定額を定期的に自動で購入する積立にも対応しているため、相場を見て判断する手間はかかりません。
金や銀の価格に連動するコインのレンディングもあります。口座開設から購入、運用の設定までが1つのアプリで完結します。
よくある質問
Qメタバースではなぜ暗号資産(仮想通貨)が使われているのですか?
仮想空間で土地やアイテムを売買する際の支払い手段になるためです。取引の記録がブロックチェーンに残るため、従来のゲーム内通貨と違って外部で日本円などに交換できます。
Qメタバース関連の暗号資産にはどのような銘柄がありますか?
仮想空間を運営するThe SandboxのSAND、DecentralandのMANA、Axie InfinityのAXSが代表的です。NFTの発行や取引を支える基盤側の銘柄もあります。
Qメタバース関連銘柄はNFTとどのような関係がありますか?
所有を示すのがNFT、代金を支払うのが暗号資産という役割分担です。売買が成り立つには両方が必要になります。
Qメタバース関連の暗号資産は日本国内でも購入できますか?
一部の銘柄は国内の暗号資産交換業者でも扱われていますが、扱いのない銘柄も多くあります。買えない銘柄を持つには、自分で秘密鍵を管理するウォレットが必要です。
Qメタバース関連銘柄で利益が出た場合、税金はどうなりますか?
現行の制度では原則として雑所得に区分され、総合課税の対象になります。給与所得者でも一定の額を超えると確定申告が必要です。
まとめ
- メタバースは3次元の仮想空間で、売買の支払い手段として独自の暗号資産が使われる
- 関連銘柄は仮想空間の運営側とNFTの基盤側に分かれ、多くはイーサリアムのブロックチェーン上で発行されたトークン
- 市場規模は2030年に約9,365億ドルへ拡大する予測がある一方、代表銘柄の価格は最高値から9割以上下落
- 固有のリスクは取引量の少なさによる値動きの大きさ、プロジェクトの継続性、秘密鍵の自己管理
- 利益が出た場合は原則として雑所得に区分され、総合課税の対象
- 国内なら暗号資産交換業者の口座開設から購入でき、ステーキングや積立で運用する道もある