イーサリアムの今後を調べると、強気と弱気の予想が並んでいて判断に迷いがちです。この記事では見通しを左右する材料を技術・資金・用途に整理し、金融機関の価格予想とその前提、リスクまで解説します。読み終えたときには、自分なりの軸で先行きを組み立てられるでしょう。
執筆:CoinTradeコラム編集部
※本記事は2026年8月24日時点の情報であり、今後の法改正等により相違が生じることがあります。
イーサリアムの今後を左右する3つの材料
イーサリアムの今後は、価格チャートよりも需要と供給の構造の変化に注目すると整理しやすくなります。材料は、処理能力を高める技術面、外部から入る資金、実際の使われ方の3つに分かれます。
アップグレードによる処理能力の拡大
技術面の材料は、取引量を増やしガス代(取引ごとの手数料)を下げる一連のアップグレードです。2025年5月のPectra、同年12月のFusakaが実施済みで、次の大型アップグレード「Glamsterdam」が控えています。
実施時期は後ろ倒しとなり、2026年後半の見込みとなりました。取引の並列処理が可能になり、ガスリミット(処理量の上限)は2億ガスへの引き上げが目標です。既存アカウント宛ての標準的なETH送金なら、手数料は最大71%下がる試算です(※1)。
現物ETFと企業による保有の広がり
資金面の材料は、米国の現物ETF(現物を裏付けとする上場投資信託)を通じた資金の出入りと、企業の保有です。ETFの資金フローは一方向ではなく、2026年8月4日は5,375万ドルの純流入、同月10日は1,460万ドルの純流出に転じました。
企業側ではBitMineが約580万ETHを保有し、総供給の約4.8%を占めています。ステーキング報酬を分配するETFも2025年10月のグレースケールを起点に広がり、2026年3月にブラックロックも参入しました。報酬を証券とみなさない解釈も示されています。
ステーブルコインとRWAの決済基盤化
用途面の材料は、このネットワーク上で動く資金の実需がどこまで広がるかです。米ドルなどに価格を連動させたステーブルコインは、イーサリアム上の供給量が約1,500億ドルで、全体の5割前後を占めます。
現実資産をトークン化したRWAも、2026年8月時点で全体379億ドルの約46%がこのネットワーク上にありました。絶対額は伸びる一方でシェアは下がり、実需の拡大と競争の激化が同時に進んでいます。
イーサリアムの今後の価格予想を整理
2026年8月時点の価格は、29万円から33万円台で推移してきました。ここを起点に予想を並べると、想定される幅は驚くほど大きく開いています。
幅が生まれる理由は、ETFを通じた資金流入をどこまで前提に置くかという点です。もう1つの分かれ目は米国の制度で、市場構造法案の成否で強気側の前提は変わるでしょう。
直近1年で予想を引き下げた機関は少なくありません。短期目標を下げつつ長期の見立ては維持する例が多く、調整と成長を分けて見ているのでしょう。
前提が崩れれば見通しも変わるため、予想は一時点の試算にとどまります。将来の価格を保証する数値ではなく、投資判断と結果は自己責任となります。
| 発表元 | 対象時点 | 予想水準 | 主な前提 |
|---|---|---|---|
| スタンダードチャータード銀行 | 2026年末/2030年末 | 4,000ドル/40,000ドル | 2026年6月に |
| シティグループ | 12カ月先 | 2,240ドル | 2026年7月に |
| ヴァンエック | 2030年 | 基本22,000ドル/強気154,000ドル/弱気360ドル | 2024年6月公表時点の |
イーサリアムの今後に潜むリスク要因
予想が分かれる背景には、下振れ側の前提となる構造的な課題があります。ここでは内部の収益構造、外部の競合、制度環境という3つを取り上げます。
レイヤー2の普及と手数料収入の変化
1つ目は、ネットワーク自身が受け取る手数料収入が細っている点です。取引を外部の高速なネットワーク(レイヤー2)へ逃がす設計が普及し、本体の手数料は大きく減りました。
2024年3月に日次3,550万ドルあった手数料は同年9月に57万8,000ドルへ落ち込み、2026年7月時点でも日次20万ドル台にとどまっています。ニック・カーター氏(Castle Island Ventures)は2024年9月、半年で99%近く減ったと指摘しました。焼却量も減り、供給量が微増に転じる局面が生じています。
他チェーンとの競争環境
2つ目は、同じ用途を狙う他のネットワークとの競争です。ソラナのように高速処理を売りにするチェーンが台頭し、開発者や利用者が一部流れる動きも見られました。
DeFi(ブロックチェーン上の金融サービス)の預かり資産に占めるシェアは、2025年初の6割台から2026年に5割台へ下がりました。首位は保っており置き換わったとはいえませんが、優位が薄れつつある点は見落とせないでしょう。
規制と税制をめぐる不確実性
3つ目は制度面で、強気側の予想が制度の前進を前提にしている点です。米国のCLARITY法案は2025年7月に下院を通過し、2026年5月14日には上院銀行委員会でも可決されました。上院本会議は8月の休会前に採決を見送り、9月15日の手続き投票へ持ち越されています。
国内では、暗号資産を金融商品取引法上の金融商品へ移し、20.315%の申告分離課税へ切り替える改正法が成立しました。2028年の開始が見込まれるものの、適用開始年は同法の改正の施行時期に連動するため確定ではありません。詳細は暗号資産の分離課税と2028年施行の新税制で解説しています。
制度の前提が変わると、価格予想の前提も変わります。成立を織り込んだ目標値は、審議が長引けば下方修正されやすいでしょう。
イーサリアムの今後を見据えた向き合い方
イーサリアムの今後には、追い風とリスクが同時に存在します。値動きの大きい対象と付き合うには、タイミングを当てにいくより仕組みで平準化する考え方が向きます。
値動きの幅を抑える積立という考え方
購入タイミングを見極める代わりに、一定額を定期的に買い付けるのが積立です。価格が高いときは少なく、安いときは多く買う形になり、平均取得単価が平準化されやすくなります。
毎回の判断に迷う負担が減る点は、値動きの大きい資産と向き合う助けになるでしょう。詳しくは暗号資産の積立の考え方と始め方で整理しています。ただし下落が続けば評価額も目減りし、損失を避けられる仕組みではありません。
CoinTradeで積立を始める流れ
積立を続けるなら、登録を受けた暗号資産交換業者のアプリ内で完結すると負担が軽いでしょう。CoinTradeは金額と銘柄を指定すれば自動で買い付けが続く積立に対応し、購入後の運用も同じアプリで扱えます。
ETHはステーキングの対象で、貴金属に連動するコインならレンディングにも対応しています。買って持つだけで終わらない選択肢もあるでしょう。口座開設から積立設定までは次の4ステップです。
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1
メールアドレスを登録する
受信できるアドレスでアカウントを作成します。パスワードは使い回さないものにします。
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2
本人確認の書類を提出する
スマートフォンで本人確認書類のICチップを読み取り、提出します。提出後は事業者側で確認が行われます。
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3
日本円で購入資金を入金する
本人確認の完了後に日本円を入金します。積立で使う分だけでも構いません。
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4
積立の金額と銘柄を設定する
買い付ける銘柄と1回あたりの金額を指定します。以降は自動で継続します。
よくある質問
Qイーサリアムの今後は、どのような材料に左右されるのですか?
処理能力を高めるアップグレード、ETFや企業を通じた資金の流れ、ステーブルコインやRWAの実需という3つが主な材料です。層が異なるため、1つだけで判断すると全体像を取り違えます。
Qイーサリアムの将来性を考えるうえで、金融機関の価格予想はどこまで参考になりますか?
水準より、どの前提を置いているかを見ると参考になります。スタンダードチャータード銀行が2026年末の目標を7,500ドルから4,000ドルへ下げたように、前提が変われば数値も動きました。将来の価格を保証するものではありません。
Q2026年に予定されているアップグレードでは何が変わる見込みですか?
次の大型アップグレード「Glamsterdam」は2026年後半の実施が見込まれています。取引を並列で処理でき、ガスリミットは2億ガスへの引き上げが目標です。標準的なETH送金の手数料も最大71%下がると試算されました。
Qレイヤー2が普及すると、イーサリアム本体にはどのような影響がありますか?
利用者の手数料は下がる一方、本体に入る手数料収入は減ります。2024年3月に日次3,550万ドルだった手数料は同年9月に57万8,000ドルへ落ち込み、2026年7月時点でも日次20万ドル台にとどまりました。焼却量も減り、供給が微増に転じています。
Q日本の暗号資産の税制は今後どうなる見込みですか?
暗号資産を金融商品取引法上の金融商品へ移し、20.315%の申告分離課税へ切り替える改正法が成立しています。2028年の開始が見込まれるものの、適用開始年は同法の改正の施行時期に連動するため確定ではありません。損失を3年間繰り越す控除も導入される予定です。
まとめ
- イーサリアムの今後は、処理能力を高める技術、ETFと企業保有の資金、ステーブルコインとRWAの実需の3層で整理できる
- 次の大型アップグレード「Glamsterdam」は2026年後半の実施見込みで、ガスリミット拡大とETH送金手数料の引き下げが計画
- 機関予想は幅が大きく、スタンダードチャータード銀行は2026年末目標を4,000ドルへ、シティグループは2,240ドルへ下方修正
- 下振れ側の前提はレイヤー2普及による手数料収入の減少、DeFiシェア低下を伴う競争、米国の法案審議と国内税制の不確実性
- 値動きの幅と長く付き合う手段として、一定額を定期的に買い付ける積立という選択肢がある
※1 本文中の価格・資金フロー・実施時期は2026年8月時点で確認した情報です。最新情報は各発表元の公表資料でご確認ください。