「BNB」または「バイナンスコイン」という名前を見聞きしたことはあっても、取引所が発行した暗号資産だという以上のことは説明できない、という方は少なくないはずです。
この記事では、BNBの成り立ちと特徴、国内外での取引の実態、それを支える仕組み、購入までの流れを整理します。
執筆:CoinTradeコラム編集部
※本記事は2026年9月24日時点の情報であり、今後の法改正等により相違が生じることがあります。
BNBとは
取引所の手数料割引トークンとして生まれた
BNBは、暗号資産取引所Binanceが発行する暗号資産(仮想通貨)です。
2017年6月26日から7月3日のICOで、総発行量2億枚のうち1億枚(50%)が一般投資家向けに販売され、総額約1,500万米ドルを調達しました。
当初はイーサリアム上のERC-20トークンとして発行され、Binanceでの取引手数料を割り引くという限定的な用途からスタートしています。
その後、2019年4月に独自チェーン「Binance Chain」へ移行し、2020年9月には並行してスマートコントラクト対応の「Binance Smart Chain」が稼働を開始しました。
2022年2月、この2つのチェーンは「BNB Chain」としてリブランドされ、BNBの正式名称も「Binance Coin」から「Build and Build」に変更されています。
しかし、日本では今も「バイナンスコイン」という呼び方が広く使われています。
イーサリアムとの違いは合意形成と開発体制
BNBもイーサリアムと同様にスマートコントラクトを実行できるプラットフォームですが、合意形成の方法・開発体制・発行という3つの点で設計が異なります。
- 合意形成: イーサリアムは数十万規模のバリデーターによるプルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用しますが、BNB Chainは45程度に絞ったバリデーターによる独自方式(PoSA)を採用しています
- 開発体制: イーサリアムは特定の一企業に属さない財団や複数のクライアントチームによって開発が進められますが、BNB Chainは発行元であるBinanceが中心となって開発・運営を主導しています
- 発行: イーサリアムには固定の発行上限がありませんが、BNBは焼却によって発行上限そのものを段階的に引き下げる設計になっています
| 項目 | イーサリアム | BNB |
|---|---|---|
| 合意形成 | プルーフ |
PoSA(45程度の |
| 開発体制 | 財団 |
Binanceが |
| 発行 | 固定の |
焼却に |
BNBの特徴
取引所の割引トークンから基軸通貨への転身
BNBは当初、Binance取引所内の手数料割引トークンという限定的な役割にとどまっていました。
転機になったのは、2020年9月1日のBinance Smart Chain(現BNB Chain)のローンチです。
これにより、イーサリアム互換のスマートコントラクトを実行できる基盤が生まれ、BNBはそのガス代(手数料)を支払う基軸通貨としての役割を持つようになりました。
この転機を境にDeFi・NFTなど多様なアプリケーションがBNB Chain上で展開されるようになり、BNBの役割は取引所の割引券からプラットフォームの基軸通貨へと大きく広がっています。
なぜ継続的な焼却という供給設計を選んだのか
BNBは2017年のICO時点で総発行量2億枚が発行済みで、それ以降の新規発行はありません。
Binanceはこれに加えて、焼却によって供給を継続的に減らしていくという方針を掲げています。
当初は四半期ごとにBinanceの利益の一部でBNBを買い戻し、焼却する仕組みでした。
この仕組みには、単なる取引所の割引券ではなく長期的に価値が期待できる資産としての性格をBNBに与える狙いがあったと考えられます。
一方、発行元企業が裁量で供給量を左右できる立場にあることは変わらないため、非中央集権性を重視する見方からは留保材料にもなっています。
データで見るBNBの現在地
現在の価格が示す位置づけ
※CoinTradeのレートをもとに作成。他社データにもとづく数値と多少の差が生じることがあります。
BNBの価格は、2026年9月23日時点でおよそ12万円です。
2025年7月以降の値動きを振り返ると、同年10月8日に期間内の高値となる約19.9万円を記録した後、値を下げてきました。
今の水準は、その高値からおよそ39%低い位置にあります。
時価総額シェアで見る存在感
BNBが暗号資産市場全体でどれくらいの規模を持つ銘柄なのか、主要な指標で確認してみましょう。
取引所発行のトークンとしては世界最大級の規模を持ち、BNB Chainのエコシステム全体を支える基軸通貨としての存在感を示しています。
BNBを支える仕組み
少数バリデーターの合意(PoSA)が高速な取引を支える
一般に、合意形成に関わる参加者が多いほど処理には時間がかかります。
そこでBNB Chainは、あらかじめ信頼度の高い一定数のバリデーターに絞り込むことで、この時間を短縮する設計になっています。
具体的には、ステーキング量にもとづいて毎日45のバリデーターが選ばれ、そのうち実際に取引の承認を担当するのは上位21です。
この方式は「PoSA(Proof of Staked Authority)」と呼ばれています。
また、バリデーターになるには最低2,000BNBを自ら預ける必要があり、不正な取引を承認しようとすると預けたBNBの一部(最大10,000BNB)を失う仕組みです。
この経済的なペナルティが不正を防ぐ抑止力として働いています。
焼却の仕組みが供給面から価値を支える
現在の焼却は、2021年11月に導入されたBEP-95によるリアルタイム焼却と、四半期ごとのAuto-Burnの2本立てで運用されています。
BEP-95は各ブロックのガス代のうち、初期設定では10%を焼却する仕組みです。
Auto-Burnの焼却量は、その時点の価格とチェーンの稼働状況をもとにした計算式で決まり、価格が低いときほど多く焼却し、高いときほど少なく焼却するよう設計されています。
この結果、発行上限2億枚のうち、すでに約6,684万枚(全体のおよそ33%)が焼却され、総供給量は約1億3,316万枚まで減少しました。
目標である1億枚まではあと約3,316万枚を残すのみで、到達後はリアルタイム焼却のみが続く設計になっています。
BNBを購入するまでの流れ
口座開設から購入までの流れ
国内でBNBを買う場合は、登録を受けた事業者を通じて売買するのが基本です。
口座を開いて日本円を入金し、金額を指定して注文するという流れになります。
多くの事業者では、小数点以下の細かい単位で注文できるため、数百円といった金額からでも購入できます。
手続きの大枠はどの事業者でも共通で、申し込みから購入までは次の4段階です。
-
1
口座開設を申し込む
スマホアプリや公式サイトからメールアドレスと基本情報を登録します
-
2
本人確認を済ませる
マイナンバーカード等のICチップをスマートフォンで読み取る方式が代表的です
-
3
日本円を入金する
指定された口座への振込などの手段で購入資金を用意します
-
4
BNBを購入する
購入する金額を指定して注文します
CoinTradeでBNBを購入する流れ
CoinTradeは株式会社マーキュリーが運営する暗号資産のサービスで、BNBを含むさまざまな暗号資産を取り扱っています。
口座開設から本人確認、日本円の入金、売買までがアプリのなかで完結する点が特徴です。
購入のタイミングに迷う方向けに、積立機能も実装されており、購入のタイミングを分散させつつ、長期目線でBNB投資に挑戦することも可能です。
また、ステーキングサービスも別途用意されており、購入したBNBを保有しながら報酬を得るという選択肢もあります。
よくある質問
QBNBとバイナンス(Binance)は同じものですか?
BNBが暗号資産そのものの名称で、Binanceはそれを発行した取引所の名称です。BNBの旧正式名称が「Binance Coin」だったことから、国内では今もBNBを指して「バイナンスコイン」と呼ぶ場面が多く残っています。
QBNBとイーサリアムは何が違いますか?
最大の違いは合意形成の方法です。イーサリアムは数十万規模のバリデーターによるプルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用するのに対し、BNBは45程度に絞ったバリデーターによる独自方式(PoSA)を採用しています。開発体制も異なり、イーサリアムは特定の一企業に属さない財団によって運営されていますが、BNB Chainは発行元のBinanceが中心となって運営しています。
QBNBの焼却はいつまで続きますか?
現在は、2021年11月に導入されたBEP-95によるリアルタイム焼却と、四半期ごとのAuto-Burnの2本立てで運用されています。総供給量が1億枚まで減った時点でAuto-Burnは終了し、その後はBEP-95のリアルタイム焼却のみが続く見通しです。
QBNB Chainの取引はなぜ速くて安いのですか?
BNB Chainは、ステーキング量にもとづいて選ばれた45程度の少数バリデーターだけで合意形成を行うPoSAという方式を採用しています。多数の参加者による合意形成に比べて処理の手間が少なく、その分だけ高速・低コストな取引が可能になっています。
QBNBの取引で利益が出た場合、税金はどうなりますか?
現在は、原則として雑所得に区分され、総合課税の対象です。給与などほかの所得と合算され、5%から45%の累進税率に住民税10%が加わります。2028年1月からは分離課税へ移行する見通しがあり、詳しくは暗号資産の分離課税とはで解説しています。
まとめ
- BNBはBinance取引所が発行した暗号資産で、現在はBNB Chainの基軸通貨として使われている
- 2020年9月のBinance Smart Chainローンチを転機に、取引所の割引券からプラットフォームの基軸通貨へと役割を広げた
- 発行上限2億枚のうち、すでに3割超が焼却され、総供給量は約1億3,300万枚まで減少している
- 焼却によって発行上限自体を段階的に引き下げるという、珍しい供給設計を持つ
- PoSAという少数バリデーターによる合意形成が、高速・低コストな取引処理を支えている
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