ポリゴンという名前は目にしていても、イーサリアムとの関係まではつかみにくいかもしれません。暗号資産(仮想通貨)のポリゴンは、イーサリアムの混雑と手数料の高さを補うブロックチェーンで、POLはその上で使われるトークンです。この記事では、名称変更の経緯、3つの特徴、価格推移、将来性の材料、購入後の運用まで整理しました。
執筆:CoinTradeコラム編集部
※本記事は2026年8月17日時点の情報であり、今後の法改正等により相違が生じることがあります。
ポリゴンとはどのような暗号資産か
ポリゴンは、イーサリアムの混雑と手数料の高さを補うために作られたブロックチェーン(取引記録を分散して保存する台帳)です。2017年にインドの開発チームが「Matic Network」として立ち上げ、2021年に改称しました。イーサリアムの外側で取引を安く速く処理し、結果だけを本体に記録するサイドチェーンで、レイヤー2と紹介されることもあります。
トークンの名前も変わりました。2024年9月4日にMATICからPOLへ1対1で移行が始まり、名称が入れ替わっただけで保有量が減るものではありません。
POLの使いみちは、手数料の支払い、ネットワークの維持に預けるステーキング、運営方針を決める投票の3つです。発行上限はなく、毎年2%の新規発行のうち半分が報酬に回る設計になりました。
ポリゴンを支える3つの技術的特徴
ポリゴンが評価されてきた理由は、値動きよりも使い勝手にあります。持ち込みやすさ、安さと速さ、ほかのチェーンとのつながりの3つに整理しました。
イーサリアムとの高い互換性
イーサリアム向けのアプリは、ほとんど作り直さずにポリゴンへ持ち込めます。同じ規格のコンセントがある家への引っ越しに近く、家電を買い替える必要はありません。
この性質は「EVM互換」=イーサリアムと同じ形式でプログラムを動かせること、と呼ばれます。開発者が学び直さずに済むため、金融やゲーム、NFTなど幅広いアプリが集まりました。
手数料の安さと処理の速さ
ポリゴンを使うときの手数料は、1回あたり数円以下に収まります。混んだ幹線道路の脇に側道を通すもので、本体が混雑しても、こちら側は安く流れます。
2025年10月8日の「Rio(リオ)」という更新でブロックの作り方が見直され、確定した取引が後から巻き戻る心配は実質的になくなりました。開発元は毎秒5,000件規模の処理を目標に掲げています。
複数のチェーンをつなぐ設計
ポリゴンは、ほかのチェーンとつながる土台づくりも進めています。別々の鉄道会社の路線を1枚のICカードで乗り継ぐように、チェーンをまたぐ資産のやり取りを目指しました。
その役割を担うのが「Agglayer(アグレイヤー)」=複数のチェーンを1つにつなぐ中継の層で、すでに本番環境で動いています。POLはこの仕組みを支えるトークンとされ、Agglayerの利用手数料は現時点では発生していません。
ポリゴンの価格推移と現在の水準
ポリゴンの価格は、大きく水準を変えてきました。NFTと分散型金融が盛り上がった2021年に急上昇し、12月27日にはMATIC時代を含めた最高値の約2.92ドルを付けています。
その後は当時の水準に戻らず、2026年8月時点では0.07ドル台、1POLあたり12円前後にとどまります(※1)。イーサリアムの手数料が下がった局面や競合チェーンの増加が背景として指摘され、市場全体の地合いにも連動しやすくなりました。
| 時期 | 出来事 | 価格の |
|---|---|---|
| 2019年4月 | MATICと |
販売価格0.0026ドル |
| 2021年12月 | MATIC時代の |
約2.92ドル |
| 2024年9月 | MATICからPOLへ |
0.3〜0.4ドル台 |
| 2026年8月 | 最高値から9割以上低い水準 | 0.07ドル台 |
ポリゴンの将来性で注目される動き
手がかりは、開発元の方向性と、外部での採用状況の2点にあります。2026年に入り、その両面で動きが出てきました。
決済分野へ軸足を移す事業戦略
ポリゴンは、用途を広く取る方針から決済分野へ軸足を移しています。開発元のPolygon Labsは2026年1月13日、米国で送金業の免許を持つ決済事業者Coinmeなどを総額2億5,000万ドル超で買収すると発表しました。
処理性能を高める更新もRio以降続き、長期目標として毎秒10万件規模が掲げられています。あくまで目標であり、達成済みの実績ではありません。
円建てステーブルコインへの対応
外部からの採用も広がりました。日本円と1対1で連動するステーブルコインのJPYCは、2025年10月27日の発行開始時に、対応チェーンとしてイーサリアムなどと並びポリゴンを選んでいます。
米国の資産運用会社ブラックロックのトークン化ファンドBUIDLも、対応チェーンにポリゴンを含めました。手数料の安さが少額の支払いと相性が良いとの評価もある一方、採用が価格に直結するとは限りません。投資の判断は、ご自身の資産状況と許容できるリスクに応じて行うものです。
ポリゴンを保有する前に押さえたい点
値動きの幅が大きい点は、最初に押さえておきたい部分です。最高値から9割以上下げた状態が数年続き、短期間で評価額が大きく目減りすることもあり得ます。当面使わない余剰資金で始める、購入時期を分けるといった備え方が基本でしょう。
競争環境と方針転換も、評価を左右する要素です。イーサリアムの手数料を下げる仕組みは複数あり、開発者と利用者の獲得競争が続いています。ポリゴンも選択と集中を進め、別方式のPolygon zkEVMを2026年7月1日に停止しました。
税金の扱いも避けて通れません。売却や交換、報酬の受け取りで利益が確定すると、現在は雑所得として総合課税の対象になり、住民税を含めた負担は最大55%程度になります。2026年3月31日公布の改正所得税法などにより20.315%の申告分離課税へ移る方針が示され、2028年1月以後の取引からの適用が有力とされています。詳しくは暗号資産の分離課税と2028年施行の新税制をご覧ください。
購入前に、金融庁への暗号資産交換業者としての登録があるサービスかを確認できます。登録業者の一覧は金融庁のサイトで公開されています。
ポリゴンの買い方と保有後の選択肢
暗号資産(仮想通貨)のポリゴンは、国内でも金融庁の登録を受けた複数の暗号資産交換業者が扱ってきました。日本円を入金して購入する流れは共通しており、購入後の選択肢も比較材料になります。
保有しながら報酬を受け取る方法
POLは、預けて報酬を受け取る運用と相性のよいトークンです。ポリゴンはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)=POLを預けた参加者がネットワークの運営を担う仕組みを採用しており、POLは当初からステーキングを前提に設計されました。
預けている間も価格変動の影響は受け続け、解除後に一定期間は売却や送金ができない場合もあります。報酬を受け取った時点で課税対象になりうる点も見落とせません。対応するサービスの一例がCoinTradeのステーキングです。
CoinTradeでPOLを購入する流れ
日本円での売買からステーキングまで1つのアプリで完結できるのが、CoinTradeです。売買手数料は購入・売却ともに0円で、口座開設や維持の費用もかかりません。販売所方式のため、買値と売値の差であるスプレッドが実質的なコストになります。
購入したPOLはそのまま預けて運用でき、時期を分散したい場合はCoinTradeの積立サービスで自動的に買い付けられます。口座開設から設定までの流れをまとめました。
-
1
メールアドレスを登録する
アカウントを作成します。パスワードは使い回さないものにします。
-
2
本人確認の書類を提出する
スマートフォンで本人確認書類のICチップを読み取り、提出します。その後は事業者側で確認が行われます。
-
3
日本円で購入資金を入金する
本人確認の完了後に入金できます。購入したい金額を用意します。
-
4
購入または積立の設定を行う
銘柄を選んで購入し、そのまま預けて運用できます。
よくある質問
Qポリゴンとはどのような暗号資産(仮想通貨)ですか?
イーサリアムの混雑と手数料の高さを補うために作られたブロックチェーンで、その上で使われるトークンがPOLです。取引を外側で処理し、結果を本体に記録します。
QMATICとPOLは何が違うのですか?
役割は同じで、2024年9月4日に名称と設計が切り替わりました。1対1での移行のため、保有量は減りません。現在はPOLが手数料の支払いに使われます。
Qポリゴンとイーサリアムはどのような関係にありますか?
置き換えを目指す競合ではなく、混雑を肩代わりする補完の関係です。イーサリアム向けのアプリをほぼそのまま動かせるため、多くのサービスが集まりました。
Qポリゴンの将来性はどのような点から判断できますか?
開発元が決済分野へ軸足を移し、2026年1月に決済事業者などの買収を発表したことが材料の1つです。もう1つは外部からの採用で、円建てステーブルコインの対応チェーンにも選ばれました。
Q購入したPOLを保有しながら運用する方法はありますか?
ステーキングに対応しているため、預けて報酬を受け取る運用ができます。ただし価格変動の影響は受け続け、解除後すぐに売却できない場合もあるため、余裕のある資金で使うのが前提でしょう。
まとめ
- ポリゴンはイーサリアムの混雑と手数料を補うチェーンで、POLが基軸トークン
- POLの用途は手数料・ステーキング・投票の3つ、発行上限はなく年2%の新規発行が続く
- 技術面の特徴は互換性、数円以下の手数料と速さ、Agglayerによる拡張の3点
- 2021年12月にMATIC時代の最高値2.92ドル、2026年8月時点は0.07ドル台と9割以上低い水準
- 将来性を見る材料は決済分野への集中と、外部からの採用の広がり
- 値動きの大きさ、競合との獲得競争、税制の扱いが保有前の注意点
※1 価格は2026年8月17日時点の情報です。価格情報サイトはPOLとしての最高値を約1.29ドル(2024年3月)と示す場合があります。最新の水準は各暗号資産交換業者の提示価格でご確認ください。