この記事はこんな方におすすめ!

  • コスモスステーキングの年率が高い理由を知りたい方
  • ATOMを保有したまま報酬を受け取りたい方
  • 預けたATOMをいつ引き出せるのか気になっている方
  • 暗号資産の運用を国内のサービスで完結させたい方

年率10%を超える数字を見かけ、そのまま受け取れるのか判断しづらい方もいるでしょう。コスモス(ATOM)のステーキングは、持っているATOMを預けておくと、その量に応じてATOMが少しずつ増えていく仕組みです。この記事では、増える理由と年率の内訳、預け方の選択肢、引き出せるようになるまでの期間と手順を解説します。

執筆:CoinTradeコラム編集部

目次

    コスモスステーキングの仕組みと報酬の流れ

    ステーキングとは、保有している暗号資産をネットワークに預け、その対価として報酬を受け取れる仕組みです。銀行預金の利息に似ていますが、元本や利率が保証された預金ではありません。仕組み全般は暗号資産のステーキングとはで解説しています。

    ATOMを預ける相手は、ネットワークの管理を担う「バリデーター」です。送金の記録が正しいかを確認して台帳に書き込む担当者にあたり、ATOMのネットワーク(Cosmos Hub)はこの担当者に仕事を任せる形(PoS)で動いてきました。

    ウォレットから預ける場合は、自分のウォレットにATOMを置いたまま「この相手に預けます」と指定するだけで済みます。この指定を委任(デリゲート)と呼び、バリデーターへ送金するわけではありません。なお報酬が出るのは上位200のバリデーターに限られ、枠外の相手を選ぶと報酬は増えません(※1)。

    増えた報酬の扱いには、Cosmos Hub特有の注意点があります。報酬はブロックごとに少しずつ積み上がりますが、預けた元本には自動で足されません。受け取りの操作をして預け直すと元本が増え、次からは増えた分にも報酬がつきます。

    コスモスステーキングの年率が高い理由

    年率が他の主要な銘柄より高いのは、報酬の原資となる新規発行の量が多いためです。Cosmos Hubは1年間の新規発行を発行済み数量の10%と設定していますが、ブロックが想定より速く進むため実際の発行量は年12.7%程度になりました。この上限は2023年11月の投票で20%から10%へ引き下げられ、現在は上限に達しています(※1)。

    発行分は預けている人だけで分け合うため、1人あたりの受け取りは発行率より厚くなります。預けられているATOMは発行済みの約64%のため、12.7%を0.64で割った年20%前後が出発点になるでしょう。

    ここから2つが引かれますが、減るのは預けたATOMではなく受け取る報酬のほうです。まず報酬の2%が共同財源(コミュニティ税)へ回り、残りは年19%台になります。 次に預け先のバリデーターへ手数料を渡します。1年で受け取る報酬が100 ATOMなら、そのうち5〜10 ATOMが手数料に回ります。残りが自分のものになるため、手元に残る目安は年17〜18%です。

    情報源によって年率の表示が違う理由は、計算の前提の違いにありました。取り分を引く前の数値か、複利を含めるかで水準は変わり、暗号資産交換業者が示す想定年率には事業者側の条件も反映されます。年率はATOMの数量が増える割合であって、日本円での評価額を保証するものではありません。

    確認する項目 内容 年率への効き方
    新しく発行される割合 年12.7%程度(設定は10%) 報酬の原資になる
    預けられている割合 発行済みの約64% 低いほど1人あたりの取り分は厚くなる
    差し引かれる分 共同財源へ2%と預け先の取り分 表示年率と手取りの差になる

    コスモスステーキングの3つの方法

    預け方は大きく3つに分かれ、手間の少なさ、管理の責任、預けた資産を動かせるかどうかが異なります。年率の高低ではなく、この3点で選ぶ形になります。

    暗号資産交換業者のサービスに預ける

    手間の少なさを重視するなら、暗号資産交換業者のサービスに預ける方法が選択肢になります。預け先の選定や報酬の受け取りを事業者側が行うため、日本円での売買と同じアプリ内で完結できます。一方で預け先は自分で選べず、報酬の反映頻度や解除後の期間は事業者ごとに異なります。

    ウォレットからバリデーターに委任する

    自分で管理する自由度を求めるなら、ウォレットから直接預ける方法があります。預け先を自分で選び、入れ替えられる点が違いになるでしょう。ただし秘密鍵(資産を動かすための鍵)の管理や送金手数料、報酬を受け取る操作は自分の負担になります。ウォレットの種類は暗号資産ウォレットの種類と選び方で解説しています。

    リキッドステーキングで預ける

    預けている間も資産を動かしたいなら、リキッドステーキングという選択肢があります。Strideなどのサービスに預けると、預けた証明としてstATOMなどのトークンを受け取り、21日を待たずにそのトークンを売買できました。ただし預けられる量は全体の25%までに制限され、プログラム(スマートコントラクト)の不具合という別のリスクも負います。

    コスモスステーキングの注意点とリスク

    預ける前に押さえておきたい点は、時間の制約、仕組み上の罰則、税金の3つです。いずれもATOM固有の条件です。

    解除してから引き出せるまでの21日間

    ATOMは、ステーキングを解除してから引き出せるようになるまで21日かかります。この期間はアンボンディング期間と呼ばれ、主要なPoSのネットワークでも長い部類です(※1)。解除を申請してから21日が経つまでは売却も送金もできず、その間の報酬も発生しません。なお預け先の変更は21日を待たずに反映されます。

    注意

    引き出せるようになるまでの21日間は、価格が下がっても売却できません。預ける数量は当面使う予定のない範囲にとどめる必要があります。

    預け先の違反で資産が減るスラッシング

    ATOMには、預け先が違反すると預けた資産が減る罰則(スラッシング)があります。二重に署名するなど重大な違反では預けた資産の5%が減らされ、稼働率の不足では0.01%の減額と一時的な停止が科されました(※1)。罰則のないネットワークもあるため、ATOMでは預け先の稼働状況の確認が重要です。

    報酬にかかる税金の扱い

    ステーキング報酬は、受け取った時点の時価で所得になります。現行制度では雑所得として総合課税の対象で、住民税を含めた負担は最大55%程度になる場合もあるでしょう。2026年3月公布の改正所得税法により、国内の登録業者を通じた一定の暗号資産の譲渡益は、2028年1月以後20.315%の申告分離課税へ移行する方針です。報酬は改正内容では対象外とされ、制度の全体像は暗号資産の分離課税とは?2028年施行の新税制で解説しています。

    コスモスステーキングの始め方と手順

    ATOMは金融庁の登録を受けた国内の暗号資産交換業者が日本円建てで扱っており、ステーキングまで同じアプリで完結できるサービスもあります。一般的な流れとCoinTradeの手順を整理しました。

    交換業者のサービスで始める流れ

    暗号資産交換業者のサービスでは、ATOMを購入して保有した状態でステーキングを申請します。確認しておきたいのは売却できるまでの期間、報酬の反映頻度、最低数量の3点で、条件はCoinTradeのステーキングに記載されています。

    CoinTradeでATOMをステーキングする流れ

    CoinTradeもコスモスステーキングに対応しており、日本円での購入から預け入れまでを1つのアプリで完結できます。ATOMの想定年率は最大13.5%と示されており、相場や運用状況に応じて変動します。

    最低数量は0.1 ATOMからのため、まとまった資金は必要ありません。運用期間は無期限で、いつでも解除申請できます。

    解除の申請から2営業日後に終了と見なされ、30日のロック期間を経て売却や送金ができます。売買手数料は購入・売却ともに0円ですが、販売所方式のため買値と売値の差(スプレッド)が実質的なコストになります。

    1. 1
      メールアドレスを登録する

      受信できるアドレスでアカウントを作成します。

    2. 2
      本人確認の書類を提出する

      スマートフォンで本人確認書類のICチップを読み取り、提出します。提出後は事業者側で確認が行われます。

    3. 3
      日本円を入金する

      本人確認の完了後に購入資金を入金します。

    4. 4
      ATOMを購入して申請する

      購入したATOMを対象にステーキングを申請します。

    よくある質問

    Qコスモスステーキングの年率はどのくらいが目安ですか?

    新規発行が年12.7%程度で、預けられている割合が約64%のため、出発点は年20%前後です。共同財源の2%と預け先の取り分が引かれ、目安は年17〜18%程度になります。

    Qステーキング中のATOMはいつでも売却できますか?

    ステーキングを解除しても、引き出せるようになるまで21日かかるため、その間は売却も送金もできません。暗号資産交換業者では、事業者側の手続き期間やロック期間が加わることもあります。

    Qコスモスのステーキングは最低どのくらいの数量から始められますか?

    必要な数量はサービスによって異なります。CoinTradeでは0.1 ATOMから預けられるため、まとまった資金は必要ありません。

    Qコスモスステーキングにスラッシングのリスクはありますか?

    預け先が二重署名などの重大な違反を起こすと、預けた資産の5%が減らされます。稼働率の不足では0.01%の減額と一時的な停止が科されるため、預け先の稼働状況が重要になります。

    Qステーキング報酬に税金はかかりますか?

    受け取った時点の時価で所得となり、現行制度では雑所得として総合課税の対象です。2028年に予定される申告分離課税への移行では、報酬は対象外とされる見通しです。

    まとめ

    • ATOMはネットワークの管理を担うバリデーターに預ける形で、ウォレットから預けるならATOMは自分のウォレットに置いたまま増えていく
    • 増えた報酬は元本に自動で足されないため、増やし続けるには受け取って預け直す操作が必要
    • 年率が高いのは新規発行が年12.7%程度あるためで、差し引き後の手取りは年17〜18%程度
    • 預け方は交換業者に預ける、ウォレットから自分で預ける、リキッドステーキングの3つで、手間と責任が異なる
    • 解除には21日の待機期間があり、預け先の重大な違反では預けた資産の5%が減る

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    ※1 2026年8月24日時点にCosmos Hubの公開データで実測した数値です。新規発行量や預けられている割合は変動するため、最新の情報は各サービスの公式サイトをご確認ください。