この記事はこんな方におすすめ!

  • リップル(XRP)の裁判がどう決着したか知りたい方
  • SECとの訴訟で何が争われたのか整理したい方
  • 判決の内容とXRPへの影響を確認したい方
  • 日本国内でのリップル(XRP)の扱いを知りたい方

リップルの裁判について調べると、5年におよぶ争いが和解で終わったという説明に行き当たります。ただ、何がどう争われ、最終的に何が確定したのかまでは掴みにくいのではないでしょうか。この記事では、SECがリップル社を提訴した理由と、2023年の判決が販売方法によって結論を分けた点を扱います。あわせて、2024年の最終判決から2025年の終結までの流れと、日本国内でのリップル(XRP)の扱いも整理します。

執筆:CoinTradeコラム編集部

目次

    リップル裁判の争点と経緯

    リップルの裁判は、XRPの販売が米国の証券法に違反したかどうかを争った民事の訴訟です。誰が何を根拠に訴えたのかを、まず整理します。

    SECがリップル社を提訴した理由

    2020年12月22日、米国のSEC(証券取引委員会)がRipple Labs社を提訴しました。被告には、共同創業者で元CEOのChristian Larsen、CEOのBradley Garlinghouseも含まれます。審理を担当したのは、ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所のAnalisa Torres判事です。

    SECの報道発表によると、3者は2013年以降、証券としての登録手続きを経ないままXRPを販売し、13億ドルを超える資金を調達したとされています(※1)。Larsenが約1億5,000万ドル、Garlinghouseが約4億5,000万ドルを個人としての未登録販売で得たという主張も、あわせて示されました。争点になったのは、XRPという技術の是非ではなく、登録を経ずに販売した行為です。米国の証券法は、登録を通じて投資家に必要な情報を届けることを求めており、その手続きを踏んだかどうかが問われました。

    判断の基準となったHoweyテスト

    1933年証券法の5条は、登録届出書が提出され有効になっていない限り、証券の募集や販売を禁じています。XRPがここでいう証券に当たるかどうかの判断で使われたのが、1946年の連邦最高裁判決に由来するHoweyテストです。

    判決文はこの基準を、ある者が共同事業に金銭を投資し、もっぱら発行者や第三者の努力から利益を得ることを期待するに至る契約や取引、仕組みを投資契約とみなすもの、と説明しています(※2)。判断にあたっては形式より実質を重んじ、経済的な実態と状況の全体を見るとされます。リップル社側は、この基準に加えて3つの本質的な要素を求める独自の判定方法を主張しましたが、裁判所は最高裁が定めていない要件を課すことになるとして採用しませんでした。

    提訴から終結までの流れ

    裁判は2020年12月から2025年8月まで、約4年8か月にわたりました。地方裁判所での審理では、XRPの販売が証券に当たるかどうかの判断と、リップル社が支払う金額の判断が、別々の時期に行われています。

    2023年10月には、SECが経営陣2名に対する請求を取り下げ、以降の判断の対象はリップル社だけになりました。最終判決の後は双方が控訴したものの、控訴裁判所で内容に踏み込んだ判断が示されることはなく、取り下げによって幕を閉じています。主な期日を時系列で並べると、次のようになります。

    1. 1
      2020年12月22日

      SECがリップル社と経営陣2名を提訴

    2. 2
      2023年7月13日

      略式判決。販売の区分ごとに結論が分かれる

    3. 3
      2023年10月19日

      SECが経営陣2名への請求を取り下げ

    4. 4
      2024年8月7日

      最終判決。差止命令と民事制裁金を命じる

    5. 5
      2025年5月8日

      SECが和解合意を地方裁判所へ提出

    6. 6
      2025年6月26日

      裁判所が和解案の申立てを却下

    7. 7
      2025年8月7日

      双方が上訴を取り下げ、最終判決が確定

    2023年の判決が示した判断

    裁判の中心にあるのが、2023年7月13日に出された略式判決です。裁判所はXRPの販売を3つに区分し、区分ごとに異なる結論を出しました。

    証券法違反とされた機関投資家向けの販売

    1つ目の区分は、機関投資家やヘッジファンドなどへ、書面の契約に基づいて直接販売したものです。判決文はこの販売の規模を約7億3,000万ドルとしています(※2)。

    裁判所はこの区分について、未登録の投資契約の募集と販売にあたり、証券法5条に違反すると判断しました。理由として挙げられたのは、購入した側が、リップル社が受け取った資金をXRPのエコシステムの改善に使い、それによってXRPの価格が上がると合理的に期待できた点です。誰から買っているかを把握したうえで契約を結んでいたため、リップル社の事業と自分の利益が結びついている状況にありました。この販売は8年間にわたり、41の取引相手に及んでいます。

    該当しないとされた取引所での販売

    2つ目の区分は、デジタル資産の取引所で取引アルゴリズムを通じて販売したもので、規模は約7億6,000万ドルとされています。裁判所はこちらについて、Howeyテストの3つ目の要件が満たされていないとして、投資契約には当たらないと判断しました(※2)。

    分かれ目になったのは、買い手が売り手を知らないまま成立する取引だった点です。購入した側は、支払った資金がリップル社に渡ったのか、それとも別の売り手に渡ったのかを知りようがありませんでした。判決文には、2017年以降のこの区分の販売が、全世界のXRP取引高の1%未満にとどまっていたことも記されています。3つ目の区分にあたる役務などの対価としての交付と、経営陣2名が個人として行った販売についても、同じく投資契約には当たらないという結論が示されました。

    販売の区分 販売の方法 判決の結論
    機関投資家向けの直接販売 書面の契約に基づき相手を特定して販売(約7億3,000万ドル) 未登録の投資契約の販売にあたり証券法5条に違反
    取引所で販売 取引アルゴリズムを通じて売買(約7億6,000万ドル) 投資契約に当たらない
    役務などの対価としての交付 従業員や第三者へ現金以外の対価として交付(約6億1,000万ドル相当) 投資契約に当たらない

    ※金額は判決文に記載された概数で、2013年から2020年末までの累計です。

    XRPが証券に当たるかの判断基準

    同じXRPの販売で結論が分かれたのは、裁判所が銘柄そのものではなく取引の中身を見たからです。判決文は、XRPというデジタルトークンは、それ自体ではHoweyテストの要件を満たす契約や取引、仕組みには当たらないと述べています(※2)。そのうえで裁判所は、XRPの販売と交付をめぐる個々の取引や仕組みについて、状況の全体を検討するという姿勢を示しました。

    判決文の脚注には、裁判所の判断が機関投資家向けの販売に限られる旨も明記されています。XRPが証券ではないと認定された、という要約を目にすることがありますが、これは判断の範囲を超えた説明と考えられます。証券に当たるかどうかは、誰にどのような形で売ったのかによって変わる、というのがこの判決の立場です。

    2024年の最終判決と制裁金

    違反が認定された後、争点はリップル社が負う救済措置の内容に移ります。SECの請求と裁判所の判断には、大きな開きがありました。

    SECの請求額と裁判所が認めた金額

    2023年10月にSECが経営陣2名への請求を取り下げたことで、残る論点はリップル社への救済措置に絞られました(※3)。SECが求めたのは、利益の吐き出しと判決前の利息、民事制裁金を合わせて約19億5,000万ドルの支払いです。これに対してリップル社は、制裁金は1,000万ドルを超えるべきではないと反論しています。

    2024年8月7日、裁判所が命じたのは約1億2,500万ドルの民事制裁金で、利益の吐き出しは認められていません。金額は、専門家の報告書に挙げられた1,278件の販売契約について、契約を結んだ時期ごとに定められた1件あたりの額を当てはめ、積み上げて算出されたものです。SECの請求と比べれば1割に満たない水準ですが、リップル社が主張した1,000万ドルを大きく上回る額でした。

    差止命令が残した制約

    最終判決には、金銭の支払いに加えて、証券法の登録に関する規定への違反を禁じる差止命令が含まれています(※3)。SECはこの差止めについて、証券法5条への違反と、機関投資家向けの未登録の募集の両方を対象とするよう求めていました。

    制裁金は一度支払えばそれで終わりますが、差止命令は将来の行為を継続的に縛ることになるため、リップル社はSECと2025年に和解を模索した際、優先的にこの差止命令の解消を求めたのです。

    2025年の和解案と訴訟の終結

    2025年に入ると、SECとリップル社は訴訟を終わらせる方向で動き出します。ただし、その結末は広く伝えられている説明とは異なります。

    却下された5,000万ドルの減額案

    2025年5月8日、SECは和解合意を地方裁判所に提出しました(※4)。内容は、差止命令を解消したうえで、エスクロー口座にある約1億2,500万ドルのうち5,000万ドルをSECへの支払いに充て、残りをリップル社へ返すという枠組みです。SECはこの判断を、暗号資産業界に対する規制のあり方を見直す取り組みを進めるためのものであり、訴訟で主張した内容の当否を評価した結果ではないと説明しています。

    ところが2025年6月26日、Torres判事はこの申立てを却下します(※5)。理由として示されたのは、当事者には、議会が定めた法律に違反したという裁判所の最終判決に拘束されないことを合意する権限がない、という点でした。判決文は、それを覆すには公益や司法の運営に優越する例外的な事情を示す必要があるとしたうえで、本件はそれに遠く及んでいないと述べています。あわせて、本当に訴訟を終わらせたいのであれば上訴を取り下げればよい、とも記されました。

    上訴の取り下げで確定した内容

    2025年8月7日、SECは双方の上訴を取り下げる共同の申立書を、第2巡回区控訴裁判所に提出しました(※6)。SECの公表資料には、取り下げの後も2024年8月7日の最終判決が引き続き効力を有すると明記されています。つまり、約1億2,500万ドルの民事制裁金と差止命令は、そのまま残りました。

    支払いの状況も記録に残っています。2025年8月18日、リップル社の代理人は地方裁判所に対し、裁判所が命じた制裁金の全額に法定利息を加えた額をSECへ送金したと報告しました(※7)。制裁金が5,000万ドルに減額されたという説明を見かけることがありますが、その枠組みは実現しておらず、差止命令も残ったままです。

    裁判の終結後に起きた変化

    訴訟が終わったことで、XRPをめぐる環境にはいくつかの変化が生まれました。判決が持つ意味の範囲とあわせて確認します。

    米国で始まったXRP現物ETFの取引

    訴訟の終結後、米国ではXRPの現物ETFの上場が進みました。Nasdaqは2025年11月10日にCanary XRP ETFから上場の申請を受け取り、上場と登録を承認したとSECへ届け出ています(※8)。報道によれば、このETFは2025年11月13日にXRPCという銘柄コードで取引を開始し、米国で初めてのXRP現物ETFになりました(※9)。

    現物ETFは、暗号資産そのものを自分で保管せずに、証券口座を通じて価格に連動する商品を持てる仕組みです。ただし、米国の証券取引所への上場は、日本国内でこのETFを売買できることを意味しません。日本の投資家がXRPに関わる方法は、これまでと同じく国内の暗号資産交換業者を通じた売買になります。

    判例としての位置づけと限界

    2023年の判断を下したのは、連邦の地方裁判所です。SECは2023年10月に中間上訴の許可を求めましたが、地方裁判所はこれを却下しました(※10)。最終判決の後に双方が控訴したものの、控訴裁判所で内容に踏み込んだ判断が示される前に、取り下げによって手続が終わっています。

    そのため、この判断は上級審の判例としては残っておらず、他の事件を拘束する力は限られると考えられます。判決文自体も、裁判所の判断は機関投資家向けの販売に限られると述べていました。暗号資産が証券に当たるかどうかの一般的な基準が確立したとまでは言えない状態が続いています。

    注意

    この裁判は米国の証券法に基づく判断であり、日本国内での暗号資産の法的な扱いを直接変えるものではありません。また、訴訟が終結したことがXRPの将来の価格を保証するわけでもありません。最新の状況は、裁判所やSECの公表資料でご確認ください。

    日本国内でのリップル(XRP)の扱い

    米国の裁判が終わっても、日本での暗号資産の扱いは別の法律に基づいて決まります。国内の枠組みと、CoinTradeでの取り扱いを整理します。

    資金決済法上の暗号資産という位置づけ

    日本では、暗号資産は資金決済法に基づいて定義されています。金融庁によると、国内で暗号資産と法定通貨を交換するサービスを行うには暗号資産交換業の登録が必要で、利用する際は登録を受けた事業者かどうかを確認するよう求められています(※11)。米国での証券該当性の判断は、この国内の枠組みを直接変えるものではありません。

    しかし、この制度が変わりつつあるのは事実であり、2026年7月15日には、暗号資産の規制を資金決済法から金融商品取引法へ移す改正法が成立しました(※12)。施行日は政令で定められるため、現時点では確定していません。また、この改正は暗号資産全般を対象とするもので、XRPに限った変更ではありません。

    CoinTradeでのXRPの取り扱い

    CoinTradeは、暗号資産交換業者(関東財務局長00025号)として、XRPを含む24銘柄を取り扱っています。買い時が分からない場合は、積立を設定して購入のタイミングを分散させることもできます。口座開設からXRPの購入までの流れは、次のとおりです。

    1. 1
      アカウントを登録する

      スマホアプリや公式サイトからメールアドレスを入力し、アカウントを登録します

    2. 2
      本人確認を行って口座開設審査を完了する

      マイナンバーカード等のICチップを読み取る方式で本人確認を行います

    3. 3
      指定された口座へ日本円を振り込む

      入金した日本円が購入資金になります

    4. 4
      取扱24銘柄からXRPを選んで購入する

      購入したい数量を選んで注文します

    よくある質問

    Qリップル(XRP)とはどのような暗号資産ですか?

    XRPは、XRP Ledgerと呼ばれるブロックチェーンのネイティブトークンです。時価総額では暗号資産全体で6位に位置し、発行上限は1,000億XRPと定められています(※13)。暗号資産そのものの仕組みについては、暗号資産とは?をご覧ください。

    Qリップル社とXRPは同じものですか?

    リップル社は米国に拠点を置く企業の名称で、XRPは暗号資産の名称です。裁判で訴えられたのはリップル社と経営陣2名であり、XRPを保有している個人が当事者になったわけではありません。

    Qこの裁判の判断は他の暗号資産にも影響しますか?

    判決文は、裁判所の判断が機関投資家向けの販売に限られると明記しています(※2)。控訴裁判所の判断も示されないまま終結したため、他の銘柄に一律で当てはまる基準が確立したとは言えません。個別の事案ごとに、取引の実態に基づいて判断されることになります。

    Q裁判が終結してXRPの法的なリスクはなくなりましたか?

    制裁金の支払いは完了しましたが、証券法の登録規定への違反を禁じる差止命令は残っています(※6)。訴訟そのものは終わったものの、法的な論点がすべて解消したとまでは言えない状況です。今後の規制の動きによって、扱いが変わる可能性もあります。

    QXRPの売却益に税金はかかりますか?

    暗号資産の売却で利益が出た場合、現在は雑所得として総合課税の対象になります。申告分離課税への移行が予定されていますが、適用の時期は改正法の施行日によって決まります。詳細は、暗号資産の分離課税はいつから?をご覧ください。

    まとめ

    • リップル裁判は、2020年12月にSECがリップル社と経営陣2名を提訴した、米国の証券法をめぐる民事の訴訟
    • 2023年7月の略式判決は、機関投資家への直接販売を証券法違反と認定し、取引所での販売とその他の交付は該当しないと判断
    • 判決文はXRPというトークン自体は投資契約ではないとしており、証券に当たるかは取引の実態ごとの判断
    • 2024年8月の最終判決で、登録規定への違反を禁じる差止命令と約1億2,500万ドルの民事制裁金を命令
    • 5,000万ドルへの減額を含む和解案は2025年6月に却下され、同年8月の上訴取り下げによって最終判決がそのまま確定
    • 日本ではXRPは資金決済法上の暗号資産として扱われ、米国での判断が国内の位置づけを直接変えるものではない

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    ※1 SEC「SEC Charges Ripple and Two Executives with Conducting $1.3 Billion Unregistered Securities Offering」(2020年12月22日、2026年8月11日確認) ※2 SEC v. Ripple Labs, Inc., et al. 略式判決(ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所、2023年7月13日、2026年8月11日確認) ※3 SEC v. Ripple Labs, Inc. 救済措置と最終判決に関する判断(2024年8月7日、2026年8月11日確認) ※4 SEC「Litigation Release No. 26306」(2025年5月8日、2026年8月11日確認) ※5 SEC v. Ripple Labs, Inc. 当事者の申立てに対する判断(2025年6月26日、2026年8月11日確認) ※6 SEC「Litigation Release No. 26369」(2025年8月7日、2026年8月11日確認) ※7 SEC v. Ripple Labs, Inc. 制裁金の支払いに関する報告(2025年8月18日、2026年8月11日確認) ※8 The Nasdaq Stock Market LLC「Form CERT(Canary XRP ETF)」(2025年11月12日、2026年8月11日確認) ※9 CoinDesk「First XRP Spot ETF Opens for Trade With Canary Capital's XRPC」(2025年11月13日、2026年8月11日確認) ※10 SEC v. Ripple Labs, Inc., et al. 中間上訴の許可申立てに対する判断(2023年10月3日、2026年8月11日確認) ※11 金融庁「暗号資産(仮想通貨)関連」(2026年8月11日確認) ※12 金融庁「国会提出法案」(2026年8月11日確認) ※13 CoinGecko「XRP Price」(2026年8月11日時点)