イーサリアムの手数料を抑える存在として名前が挙がるアービトラムですが、イーサリアムとの違いや、価格が大きく下がっている理由まではつかみにくいかもしれません。この記事では、暗号資産(仮想通貨)のアービトラムの仕組みとARBの役割を、価格の推移や将来性の材料とあわせて解説します。読み終えるころには、この銘柄の立ち位置と、保有を検討する際の着眼点が整理できるはずです。
執筆:CoinTradeコラム編集部
※本記事は2026年8月18日時点の情報であり、今後の法改正等により相違が生じることがあります。
アービトラムとはどのような暗号資産か
アービトラム(Arbitrum)は、イーサリアムの混雑と手数料の高さを補うために作られたブロックチェーンです。2021年から稼働し、2023年3月にはARBが利用者へ配布され、運営もArbitrumDAOと呼ばれる共同体へ移りました。
イーサリアムを置き換えるのではなく、その外側で取引をまとめて安く処理し、結果だけを本体に記録する「レイヤー2」と呼ばれる立ち位置にあります。本線の混雑を避けて側道を通すイメージで、暗号資産(仮想通貨)のアービトラムはこの側道を担ってきました。
ARBの役割は支払い用ではなく、プロジェクトの『投票権』です。支払い手数料(ガス代)に使うのはETHで、ARBではありません。ARBを持っていると、株式会社の株主のように、予算や技術方針を決める投票に参加することができるのです。
総供給量は100億枚で、2026年8月時点の流通量は約66億枚です。残りは段階的に放出され、新規発行の上限は年率2%に抑えられました。
アービトラムの仕組みを支える技術的特徴
安く速く使えるとされる理由は、取引の処理方法・開発環境・ネットワークの使い分けにあります。順に整理します。
取引をまとめて安く処理する方式
アービトラムは多数の取引を1つにまとめてイーサリアム側へ記録し、手数料を抑えています。この方式は「オプティミスティック・ロールアップ」と呼ばれ、内容をいったん正しいものとして扱い、疑わしい点があれば一定期間内に誰でも異議を申し立てられます。レシートを1日分まとめて提出するようなやり方で、1件あたりの負担は大きく下がりました。
イーサリアムとの互換性と開発環境
開発者にとっての利点は、イーサリアム向けのアプリをほぼそのまま動かせることです。EVM互換(イーサリアムと同じ実行形式)のため、DeFiやNFTのサービスが移りやすく、多くのアプリが集まりました。Stylus(スタイラス)という仕組みにより、RustやC++といった一般の開発言語で書いたプログラムも動かせます。
用途で使い分ける2つのネットワーク
用途の異なる2つのネットワークがあり、主力のArbitrum One(アービトラム・ワン)はDeFiなど資産を扱うサービスの中心です。Arbitrum Nova(アービトラム・ノヴァ)は手数料をさらに抑え、取引回数の多いゲームやSNS向けに使われてきました。
アービトラムの価格推移と現在の水準
ARBの価格は、配布が始まった2023年から水準を大きく切り下げました。2024年1月12日の約2.40ドルが過去最高値で、2026年8月時点では0.07ドル前後、日本円で12円前後です(※1)。最高値からの下落率はおよそ97%で、時価総額の順位も後退しました。
背景には市場全体の地合いに加え、ARB特有の事情も指摘されています。手数料に使われない投票用のトークンのため利用の増加が需要に直結しにくく、未流通分の放出も重しになります。
| 時期 | 出来事 | 価格の |
|---|---|---|
| 2023年3月 | ARBの |
1ドル台前半で |
| 2024年1月 | 過去最高値を |
約2.40ドル |
| 2026年7月 | ロビンフッドの |
0.09ドル前後 |
| 2026年8月 | 直近の |
0.07ドル前後(1ARB=12円前後) |
アービトラムの将来性で注目される動き
注目されているのは、企業がアービトラムの技術を採用する動きと、収入をARB保有者へ還元する議論の2つです。どちらもARBの位置づけを左右する材料といえます。
企業が使う土台としての広がり
アービトラムの技術は、企業が自社専用のブロックチェーンを立ち上げる土台にも採用されています。代表例が米国の証券会社ロビンフッド(Robinhood Markets)のRobinhood Chain(ロビンフッド・チェーン)で、2026年2月にテスト版、同年7月1日に本番のネットワークが稼働しました。株式やETFなど現実の資産をトークン化する試みが進む一方、こうした採用がARBの価格に直結するとは限りません。
収益をARBに結びつける議論
ARBの用途を投票以外へ広げる動きも進んでいます。保有するARBを預けて議決権を代表者に託した人へ手数料の余剰を分配する案が2024年に承認され、整備が続いてきました。
原資も育ち、取引の順番を優先したい利用者から追加の手数料を受け取るTimeboost(タイムブースト)は2026年3月時点で年換算300万ドルを超えました。ただし全体の収入は支出を下回り、いずれの動きも将来の価格を保証するものではありません。
アービトラムを保有する前に知りたい点
運営の財政面では、ArbitrumDAOの2025年の粗利益が約2,349万ドルだったのに対し、Arbitrum Foundationは2027年の運営予算として約4,350万ドル相当を求める案を示しました。収入を上回る支出だとして議決権を預かる代表者からは異論も出ましたが、2026年6月の投票で可決されています。
競争環境も変わってきました。イーサリアムの手数料を下げる仕組みは他にも複数あり、なかでも米暗号資産交換業者コインベースのBase(ベース)とはDeFiの預かり資産で上位を争い、近年はBaseが規模で上回る場面も出ています。値動きの幅が大きいため、余剰資金の範囲で始めるといった考え方も欠かせません。
税金の扱いも確認しておきましょう。売却や交換で利益が確定した時点で課税対象になり、現行制度では雑所得として総合課税の対象です。住民税を含めた負担は最大55%程度に達する場合もあるでしょう。2026年3月31日公布の改正所得税法などにより、2028年1月1日以後の取引から20.315%の申告分離課税へ移行する方針が示されました。詳しくは暗号資産の分離課税と2028年施行の新税制で解説しています。
暗号資産交換業者を選ぶ際は、金融庁が公表する登録業者の一覧で登録の有無を確認できます。
アービトラムの買い方と積立の活用
暗号資産(仮想通貨)のアービトラムは、金融庁の登録を受けた国内の暗号資産交換業者が日本円建てで扱っています。日本円を入金してアプリから購入する流れは、どのサービスでも共通です。
購入時期を分ける積立という方法
値動きの幅が大きい銘柄では、一度にまとめて買うと購入価格が一時点に偏ります。これを避けるのが、一定額を定期的に買い付けて時期を分散させる積立で、詳しい手順は暗号資産の積立の仕組みと始め方にまとめました。ただし積立は損失を防ぐ手法ではなく購入価格を平準化する考え方にすぎず、下落が続く局面では評価額も下がります。
CoinTradeでARBを購入する流れ
日本円からARBを買えるサービスの一つが、暗号資産交換業者のCoinTradeです。2025年6月からARBを日本円建てで取り扱い、売買手数料は購入・売却ともに0円、口座開設と口座維持も無料です。
販売所方式のため、買値と売値の差であるスプレッドが実質的なコストになる点も押さえておきましょう。購入時期を分散したい人向けにCoinTradeの積立サービスも用意され、ETHなど主要な銘柄のステーキングにも対応しています。
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1
メールアドレスを登録する
受信できるメールアドレスでアカウントを作成します。パスワードは使い回しを避けます。
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2
本人確認の書類を提出する
スマートフォンで本人確認書類のICチップを読み取り、提出します。提出後は事業者側で確認が行われます。
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3
日本円を入金する
本人確認の完了後、購入資金となる日本円を入金します。
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4
購入または積立の設定を行う
銘柄からARBを選んで購入します。積立なら金額と銘柄の指定で自動の買い付けが続きます。
よくある質問
Qアービトラムとはどのような暗号資産(仮想通貨)ですか?
イーサリアムの混雑と手数料の高さを補うために作られたブロックチェーンで、レイヤー2と呼ばれる仕組みです。ARBは運営方針を決める投票に使います。
Qアービトラムとイーサリアムはどのような関係にありますか?
イーサリアムを置き換えるものではなく、その外側で取引を処理し、結果を本体に記録する補完的な関係です。手数料もARBではなくETHで支払います。
QARBトークンはどのような場面で使われるのですか?
主な用途は、予算や技術方針を決めるArbitrumDAOの投票です。預けたARBに手数料の余剰を分配する仕組みの整備も進んでいます。
Qアービトラムの価格が最高値から大きく下がっているのはなぜですか?
市場全体の地合いに加え、ARBが手数料に使われない投票用のトークンで、利用の増加が需要に直結しにくい点が指摘されています。レイヤー2どうしの競争も要因の一つです。
Q暗号資産(仮想通貨)のアービトラムは日本国内でも購入できますか?
金融庁の登録を受けた国内の暗号資産交換業者が日本円建てで取り扱っており、日本円を入金して購入できます。CoinTradeでも2025年6月から取扱いが始まりました。
まとめ
- アービトラムはイーサリアムの外側で取引を処理するレイヤー2で、ARBは手数料ではなく投票に使うトークン
- 技術面の柱はロールアップ方式、イーサリアム互換の開発環境、用途別の2つのネットワーク
- 価格は2024年1月の約2.40ドルが最高値で、2026年8月時点は0.07ドル前後と9割超低い水準
- 将来性の材料は企業の採用と手数料収入の還元議論だが、収入を上回る予算案や競争の激化という課題も残る
- 税制は2028年から申告分離課税へ移行する方針で、購入時期を分ける積立も選択肢
※1 価格・時価総額は2026年8月時点の情報です。最新の水準は各社の提示価格でご確認ください。