第4回 イーサリアムってどんな暗号資産?
「暗号資産?よくわかんないけど怖い」
「なんか難しそう……」
そんな印象を持っている方も、まだまだたくさんいると思います。
この連載では、暗号資産企業に勤める『中の人』がお客様の目線で「暗号資産の投資体験」をしながら、改めて疑問や不安と向き合い、解消していくことを目指します。
今回は、暗号資産を学ぶなら避けては通れないETH(イーサリアム)についてまとめていきます。
1. イーサリアムってどんな暗号資産?
イーサリアムは、2013年末に当時19歳だったヴィタリック・ブテリンによって構想され、2015年7月に正式公開されたプロジェクトです。
ビットコインの誕生(2009年)から2年後、ブテリンはビットコインに魅了され、記事の執筆などを通じて深く関わるようになりました。その中で彼は、「ビットコインの仕組み(ブロックチェーン)を、単なる通貨としてだけでなく、もっと多くの人が幅広く活用できるプラットフォームにしたい」と考えました。
そうして生まれたのがイーサリアムです。
2. ビットコインとイーサリアムの違い
よく比較されるこの2つですが、大きな違いは以下の2点です。
① ブロックを生成する仕組み(コンセンサスアルゴリズム)
- Proof of Work:膨大な計算を行い、一番早く正解を見つけた人が報酬をもらう「競争」の仕組みです。
- Proof of Stake:イーサリアムを預け入れている量や期間に応じて権利が与えられる「信頼」の仕組みです。
イーサリアムでは、このネットワーク維持に参加する人を「バリデータ」と呼び、参加するには32ETHを預ける(ステーキングする)必要があります。
バリデータの主な役割:
- ブロックの生成:ランダムに選ばれたバリデータがブロックを作ります。成功すると報酬が得られます。
- ブロックの承認:他のバリデータが作ったブロックに間違いがないか確認します。これにも承認報酬が発生します。
もし不正をしようとすれば、預けているETHが没収されるペナルティがあります。「自分のお金を預けて誠実さを証明する代わりに、報酬を得る」という仕組みがPoSの大きな特徴です。
「何もしないでお金が増えるなんて怪しい」と思うかもしれません。しかし、これは「銀行の利息」というより、「ネットワークの維持管理を手伝った対価」です。
CoinTradeなどのサービスでは、取引所が皆さんの代わりに難しいバリデータ業務を代行し、得られた報酬を還元しているため、初心者でも手軽に報酬を受け取ることができるのです。
② ブロックの中身(スマートコントラクト)
記録される内容にも大きな違いがあります。
- ビットコイン:「AさんからBさんに1BTC送る」という「お金の動き」を記録。
- イーサリアム:「特定の条件を満たしたら、自動で処理を実行する」という「契約(プログラム)」を記録。
これをスマートコントラクトと呼びます。例えば、「3日後になったら送る」「チケットが売れたら作者に手数料を払う」といった複雑な処理が、第三者を介さず自動で行えます。
この機能があるからこそ、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)といった新しい技術が生まれました。また、この機能を応用して「イーサリアムの上で動く独自のトークン」を作ることもできます。CoinTradeで扱っているPOL、OP、ARBなども、このイーサリアムの技術をベースに作られた暗号資産です。
3. ビットコインとイーサリアムの「思想」
| 項目 | ビットコイン(BTC) | イーサリアム(ETH) |
|---|---|---|
| 役割 | 価値の保存 (デジタル・ゴールド) |
価値の活用 (ワールド・コンピューター) |
| スタンス | 守り: 安定第一。 あえて不便でも信頼性を取る。 |
攻め: 革新。 リスクを恐れずアップデートし続ける。 |
| 信頼の根拠 | マイニングによる 「電気代(外部の力)」 |
ステーキングによる 「資産(内部の絆)」 |
保守的で堅牢なビットコインと、革新的で多機能なイーサリアム。両者は競合というよりも、役割の異なる「暗号資産界の二大巨頭」として存在しています。